春だもの新しいことがしたい! 2016年春の新作映画特集

コラム

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卒業、入学、就職……別れと出会いが生まれる春だからこそ、「新しいことをしたくなる」映画で胸を高鳴らせたい! 恋がしたくなる映画や、アツくなれることを始めたくなる映画など、新しい出会いで心機一転したい人にオススメの新作はコレ!

恋がしたい

『蜜のあわれ』

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(C) 2015『蜜のあわれ』製作委員会

<見どころ解説>
文豪・室生犀星の晩年の同名小説をベースにした幻想的なラブストーリー。老作家に飼われている金魚の化身として、彼の前に姿を現わす少女、赤子。自由に動き回る彼女は、かつて老作家と関係があったらしい、美しい女性の幽霊と出会い……。老作家の愛と性の観念をかたちにしたような妄想の世界はユーモラスで官能的。『シャニダールの花』の異才、石井岳龍監督が生み出した、昭和的ノスタルジーとエロティシズムあふれる映像に目を奪われる!

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(C) 2015『蜜のあわれ』製作委員会

<これが恋のいいところ!>
二階堂ふみが小悪魔的な魅力を発揮しながら演じる主人公、赤子は真っ赤なワンピースがよく似合う奔放な女の子。老作家の脳内で生まれた非現実的な存在だが、迷いもなく本音を語るキャラクターが魅力的! 自分を「あたい」と呼び、喜怒哀楽を屈託なく表現するキュートな姿に魅了される。「恋人になってあげる」「おじさまの子を産みたい」など、心のまま老作家に訴える素直な発言は、「もっと自由に恋をしたい」ときのお手本に。

『無伴奏』

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(C) 2015 「無伴奏」製作委員会

<見どころ解説>
反戦運動や全共闘運動がさかんだった1970年前後に、学生運動に参加する理知的で行動的な女子高生が刺激的な恋愛にのめり込んでいく。「恋」で直木賞を受賞した小池真理子の半自伝的小説をもとに、『ストロベリーショートケイクス』の矢崎仁司監督が映画化。若手実力派女優に育った成海璃子が、池松壮亮、斎藤工といった旬のキャスト相手に大胆な演技を披露。ヒロインが体験する大人への衝撃的な通過儀礼に胸が締め付けられる。

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(C) 2015 「無伴奏」製作委員会

<これが恋のいいところ!>
1970年前後の激動の時代に青春を送る響子(成海)は、大学生に交じって学生運動の真似ごとをしていることに嫌気がさしているヒロイン。そんなときにバロック喫茶「無伴奏」で出会った大学生の渉(池松)は自然体で、響子に興味を示してくる。何気ない渉の言葉に共感したり、初めて見る一面に心がザワついたり、学生運動に感じていた空虚さを埋めるように、渉の存在に心が満たされる響子。恋はつらくて大変だけど、人を成長させたり人生を充実させたりしてくれるからいいんだと痛感できる!

アツくなれることを始めたい

『ちはやふる −上の句−』

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(C) 2016 映画「ちはやふる」製作委員会 (C) 末次由紀/講談社

<見どころ解説>
シリーズ累計発行部数1,500万部を突破した人気少女漫画が、広瀬すずの主演で実写化。百人一首を使用した、奥ゆかしそうでありながらスポーツ並みの知力、体力を要する「競技かるた」。「畳の上の格闘技」と言われる和の競技に情熱を傾ける高校生たちの姿を、友情や恋愛も交えつつ描き切る。宙を舞い飛ぶ札、額を伝う汗、広瀬ふんするヒロイン千早のキラキラした瞳。CGを多用した細やかな演出にセンスを感じる、純度100パーセントの青春ムービー。

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(C) 2016 映画「ちはやふる」製作委員会 (C) 末次由紀/講談社

<こんなにアツい!>
かるたに全精力を注ぐあまり、試合が終わると白目をむいて爆睡! そんな千早に突き動かされていく幼なじみのイケメンたち。ひとりは頭脳明晰で親が金持ちという勝ち組なのに、本当に欲しいものが手に入らない太一(野村周平)。そして、永世名人の祖父を持つ競技かるたの天才・新(真剣祐)にも、人には言えない悩みが……。競技を通じて己の弱さを克服し、仲間の尊さを思い知る3人がアツくて眩しくて、観たらソッコーで何かアツくなれることに挑みたくなる!

『エヴェレスト 神々の山嶺』

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(C) 2016「エヴェレスト 神々の山嶺」製作委員会

<見どころ解説>
スケールの大きさから映像化不可能とされてきた夢枕獏のベストセラー「神々の山嶺」が、満を持して映像化された。世界最高峰の頂を目指す男たちを演じるために、エヴェレストの標高5,200メートル地点での撮影に挑んだ岡田准一と阿部寛。彼らの心意気とスタッフ陣の熱意に感服しきり。「この作品のために、これまでの人生があった」とキャストに言わしめた濃厚な人間ドラマや、過酷な自然描写にひたすら圧倒される。

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(C) 2016「エヴェレスト 神々の山嶺」製作委員会

<こんなにアツい!>
前人未到の「冬季南西壁 単独無酸素登頂」に挑戦する孤高のクライマー・羽生(阿部)。野心家の山岳カメラマン・深町(岡田)は、カメラを構えて羽生を追い続ける。生ヌルい現状を変えるために。限界を超えて狂おしいほど熱く生きるために。「足がだめになったら手で、手がだめなら指で歩け!」。しびれるような羽生の名ゼリフと、ガチとしか思えない2人の壮絶な表情に、これからは気合いを入れてアツく生きます! と決意せずにはいられない。

出会いに期待したい

『アーロと少年』

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(C) 2016 Disney / Pixar. All Rights Reserved.

<見どころ解説>
ディズニー/ピクサーの最新作となる本作の舞台は、恐竜が絶滅をまぬがれ、言葉や文明を持つようになった地球。一方、人間は言葉を話せず、野生的に暮らす生物として描かれる。そのパラレルな世界で、体はでっかいのに怖がりな恐竜アーロと、体は小さいけど勇敢な人間の少年スポットが出会い、一緒に冒険をしながら絆を育んでいく。「初めて、誰かを守りたかった」のコピーと、アーロとスポットが寄り添うビジュアルだけで、ウルッとなる人が続出! さらに広大な自然の描写が実写のようにリアルで、CGの技術はここまできたかと驚かされる。

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(C) 2016 Disney / Pixar. All Rights Reserved.

<出会いが人を成長させてくれる!>
互いにひとりぼっちだったため、共に旅をすることになった恐竜アーロと少年スポットのコンビ。勇ましいスポットは小さな体で懸命にアーロを守ろうとし、弱虫だったアーロもまた、スポットを守るために強くなっていく。さらに、親切そうで実は狡猾(こうかつ)なラプトル、凶暴そうだけど実は優しいTレックス一家など、キャラ立ち恐竜との出会いがアーロたちに変化をもたらす。種族を超えた友情で結ばれ、誰かと会うたびに成長していく彼らのアクティブさをぜひとも見習うべし!

『リップヴァンウィンクルの花嫁』

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(C) RVWフィルムパートナーズ(ロックウェルアイズ 日本映画専門チャンネル 東映 ポニーキャニオン ひかりTV 木下グループ BSフジ パパドゥ音楽出版)

<見どころ解説>
多方面で活躍する岩井俊二監督が、若手演技派女優・黒木華を主演に迎えた女性讃歌。派遣教員として働くごく普通の主人公が、さまざまな出会いと体験を通して「人間力」を磨き、ステップアップしていく姿を丁寧に描写する。綾野剛がアヤしい何でも屋を演じ、シンガー・ソングライターのCoccoが個性的な同居人を好演。ヒロインの平凡な人生が劇的に変化していく過程に目を見張る。

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(C) RVWフィルムパートナーズ(ロックウェルアイズ 日本映画専門チャンネル 東映 ポニーキャニオン ひかりTV 木下グループ BSフジ パパドゥ音楽出版)

<出会いが人を成長させてくれる!>
ネットの出会い系サイトで結婚相手を見つけるものの、あえなく破局する地味目のヒロイン・七海に救いの手を差し伸べてくれたのは、SNSを通じて知り合った何でも屋の安室だけ。彼は自分に自信がない七海にへんてこなバイトを次々と紹介し、最終的には住み込みのメイドに落ち着かせる。自由人の先住メイド・真白と共同生活を始め、自分の中の常識と殻をどんどん突き破って輝きを増していくヒロインの姿に、人との出会いは大切なのだと痛感させられる。

新しい自分に生まれ変わりたい

『リリーのすべて』

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(C) 2015 Universal Studios. All Rights Reserved.

<見どころ解説>
今年度米アカデミー賞で4部門にノミネートされた、実話に基づく切ない人間ドラマ。1920年代、気鋭の画家アイナーは、ふとしたことから自分の性別に違和があることに気づき、女性として生きたいと思い始める。そんな変化に、彼を愛していた妻ゲルダは苦悩を募らせていく。『博士と彼女のセオリー』のオスカー俳優エディ・レッドメインが主演を務め、女装もいとわぬ熱演(熱艶!?)を披露。本作でアカデミー助演女優賞に輝いたゲルダ役のアリシア・ヴィキャンデルの好演も見逃せない。

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(C) 2015 Universal Studios. All Rights Reserved.

<本当の自分を探そう!>
生物学的には男性として生まれたものの、精神的には女性であると気づいた主人公。鏡の前で女装した自分の姿にうっとりし、美に対する感性の鋭さを自覚した彼の中で、真の性別に忠実に生きたいという願いが生まれる。最愛の妻を悲しませることに悩みつつも、もはや思いは止められず、ついには性別適合手術を受けることを決意。責任もリスクも引き受ける主人公の姿は、自分に正直に生きようと決断する時に勇気をもらえる。

『あやしい彼女』

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(C) 2016「あやカノ」製作委員会 (C) 2014 CJ E&M CORPORATION

<見どころ解説>
20歳に若返った73歳のおばあちゃんの冒険を描き、大ヒットした韓国映画『怪しい彼女』の日本版リメイク。倍賞美津子と多部未華子がダブルヒロインを務め、毒舌でトラブルメーカーの性格はそのままに、外見だけが53年前の若々しい自分に戻ってしまった主人公が巻き起こす、笑いと涙の珍騒動を描き出す。若返ったのをいいことに、ここぞとばかりに憧れのオードリー・ヘプバーン風の髪型とファッションで街に繰り出し、夢をつかもうとするヒロインの姿は痛快! 

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(C) 2016「あやカノ」製作委員会 (C) 2014 CJ E&M CORPORATION

<本当の自分を探そう!>
女手一つで娘を育て上げてきた苦労人の73歳のカツの口から出るのは、キャリアウーマンでシングルマザーの娘・幸恵と孫の翼の自慢話ばかり。自分のことは後回しにして、必死で子育てに励んできた典型的な「昭和の母」が、20歳の自分の容姿を取り戻し、かつて夢見た歌手への道と、とっくにあきらめていた心ときめく恋愛にも堂々再チャレンジ。戦争や貧しさに翻弄されてきたおばあちゃんが、初めて自分がやりたかったことに正直になって青春を謳歌(おうか)する姿にエールを送りたい!

家族の絆を見直したい

『家族はつらいよ』

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(C) 2016「家族はつらいよ」製作委員会

<見どころ解説>
『男はつらいよ』シリーズから20年、名匠・山田洋次監督が家族をテーマにした喜劇を手掛けた。同監督の『東京家族』にも出演した橋爪功、吉行和子、西村雅彦、夏川結衣、中嶋朋子、林家正蔵、妻夫木聡、蒼井優といった豪華キャストが再集結し、熟年離婚の危機にある夫婦を取り巻く人間模様を笑いを交えて映し出す。家族だからこそ起こる数々のもめ事や、逆に家族だからこそ生まれる絶妙なあうんの呼吸にニンマリする。

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(C) 2016「家族はつらいよ」製作委員会

<これが家族のありがたみ!>
今時珍しく三世代同居の平田家で、熟年夫婦の離婚話が持ち上がったことから一家のメンバーたちは大混乱! 長年連れ添ってきた夫の悪口を並べ立てる年老いた妻の発言に誰もがあぜんとしながらも、子供たちは浮気調査までして何とか両親の離婚を思いとどまらせようと必死。亭主関白の夫と優しい妻の間の温度差や、それぞれ立場の違う子供たちが織りなすドタバタ劇に笑いつつ、「家族」だからこそお互い好きなことを言い合える自由さにホッとする。

『モヒカン故郷に帰る』

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(C) 2016「モヒカン故郷に帰る」製作委員会

<見どころ解説>
モヒカン頭のダメ息子が余命わずかな父のために奔走する様子を、『南極料理人』『横道世之介』の沖田修一監督がときにユーモラスに、ときに温かく描く。見た目は強烈ながらひょうひょうとしているバンドマンを松田龍平が演じ、恋人役の前田敦子ほか、柄本明、もたいまさこ、千葉雄大がどこにでもいそうな家族にふんする。軽快なストーリーと、広島県の小さな島で撮影された清々しい風景に、そう快な感動が味わえる。

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(C) 2016「モヒカン故郷に帰る」製作委員会

<これが家族のありがたみ!>
売れないバンドマンが妊娠中の彼女を連れて7年ぶりに故郷に帰省。そりゃあ犬猿の仲の父親が怒るのも当然、親子ゲンカが始まるが、父親の末期ガンが発覚する。最後に会いたい人を連れてこようと計画したり、はたまた思い出のピザを注文したり、父の生きがいだった吹奏楽部の指揮を父に代わってやってみたり。息子なりの親孝行にクスリとさせられる。家族の形はいろいろで、愛情表現にも決まりはないのだと痛感し、自分の家族との関係を今一度振り返ってみたくなる。

記事制作 : シネマトゥデイ(外部サイト)

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