『モヒカン故郷に帰る』松田龍平&前田敦子インタビュー

インタビュー

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カッコ悪いけど男らしい不器用な男

『南極料理人』や『横道世之介』の沖田修一監督による、オリジナル脚本の『モヒカン故郷に帰る』。7年ぶりに実家へ結婚の報告のために帰るモヒカン頭の永吉役の松田龍平、その恋人・由佳役の前田敦子が、沖田組の撮影現場を振り返る。

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映画『モヒカン故郷に帰る』は3月26日より広島先行公開、4月9日より全国拡大公開

念願の沖田組参加!

Q:沖田作品へのオファーが来たときの心境は?

松田龍平(以下、松田):沖田監督の作品は全部観ています。大人から子供まで楽しめる映画を作る監督ってすごいですよね。「いつか一緒にやりたい」と思っていたし、何より脚本がとても面白かったのでうれしかったです。

前田敦子(以下、前田):私もずっと沖田監督の映画が好きでした。最初に観たのは『キツツキと雨』で、役所広司さんを観て、「こんなにかわいいおじさまは観たことがないぞ」と衝撃を受けました。撮影が待ち遠しくて、楽しみで仕方がなかったです。

Q:初共演ですが、お互いどんな印象をお持ちですか?

松田:楽しそうで元気な人だろうと思っていたら、予想以上でしたね(笑)。

前田:アハハ(笑)!

松田:人に対して妙な壁を作らないから、以前から知っていたような感覚になりました。撮影現場の島の皆さんとも楽しそうに世間話をしていましたね。

前田:龍平さんは楽しくて、すごく優しくて、いい人でした。意外と笑ってくれるので、イメージとのギャップにみんなやられちゃうと思います。役者ともスタッフとも分け隔てなくコミュニケーションを取ってくれて、周りに気を遣わせないんです。みんながリラックスできたのは、主役の龍平さんが自然といい空気を作ってくれたおかげです。

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キャラも役者も個性派ぞろい

Q:どう演じようと思いましたか?

松田:東京で好き放題やってきた永吉が7年ぶりに実家に帰ると、いきなり親父がガンで余命宣告されるんですけど、そこで親父に「死ぬまでに何やりたい?」って言えちゃうあたり、実は究極のバカなんじゃないかと僕は思っていて(笑)。基本的にダメな男なんだけど、親父に対して何か恩返しをしたいという強さや男らしさはある。カッコ悪さの中にあるその人の魅力みたいなものを見つけながら演じたいと考えました。

前田:由佳ちゃんには、監督の奥さんが妊娠しているときの面白い行動がたくさん盛り込まれているらしく、監督からリアルな話をいろいろ聞けました。「妊婦さんはこういうものだ」というものに、とらわれないでやろうと思いました。

Q:お二人と矢沢永吉を敬愛する父親・治役の柄本明さん、熱狂的な広島カープファンの母親・春子役のもたいまさこさんとのアンサンブルが笑えて、泣けて、見事でした。

松田:夜、ソファでもたいさんが「あんな息子でいいの?」って聞いて、それを受けた由佳の「ダイジョブ、ダイジョブ!」っていう異様に高いテンションが面白くて(笑)。もたいさんと映画を観ている人は同時に、「永吉と由佳はお似合いだな」と感じると思うんです。それって不思議だし、すごく好きなシーンです。

前田:もたいさんはすごくノリが良い方で、私達世代にも「一緒にご飯行くよ!」みたいに誘ってくれました(笑)。

松田:柄本さんは黙っていると怖そうですが、実際はとても愛らしい方。芝居の重みがとにかくすごくて、芝居をしているうちに田舎に住んでいた祖父と対話しているような、不思議な感覚になりました。

前田:沖田監督の作品はおじさまがかわいいんですけど、柄本明さん演じるお義父さんもとにかく魅力的。私は永吉との親子ケンカのシーンがすごく好きです。

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唯一無二の沖田組

Q:沖田組を経験した感想は?

松田:監督は、「自分の想像を超える何かが起きたらいいなと思うのって、当たり前だよな」と改めて感じさせてくれる人でした。起きるかどうかなんてわからないんだけど、ちゃんとそこを目指している監督と一緒に映画を作るのは楽しいし、ドキドキしました。すごい大事件が起きるわけじゃない家族の話だけれど、見る角度を変えたらだいぶ大事件が起きている。そんな繊細で微妙なニュアンスを大切にして撮りたいと思っている監督に応えることは、心地良いプレッシャーでした。

前田:監督は、「こうやってください」じゃなくて、「こういうの面白いですよね」といろいろなヒントをくれる方です。そして、役者陣から出てくるものを100パーセント楽しんで、心から笑ってくれる。すごく温かくて幸せな現場でした。

松田:沖田組のスタッフさんたちは、「監督を驚かせてやろう」と考えているんです。そんな現場は今回が初めてでした。例えば宴会のシーンで、エキストラとして参加してくださった島民の皆さんが、いきなり歌い出したのは演出部の仕掛けです。役者やスタッフが提案したものを監督が心から面白がってくれる、すごくいい雰囲気がいい撮影現場でしたし、とにかく楽しかったですね。

取材・文:須永貴子
写真:金井尭子

記事制作 : シネマトゥデイ(外部サイト)

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