『映画クレヨンしんちゃん 爆睡! ユメミーワールド大突撃』安田顕&吉瀬美智子インタビュー

コラム

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仕事熱心で不器用なお母さん

アニメ「クレヨンしんちゃん」の劇場版最新作にゲスト声優として参加し、夢の研究者・貫庭玉(ぬばたま)夢彦を演じたTEAM NACSの安田顕と、その妻サユリを演じた吉瀬美智子。共に娘を持つ2人が、作品や自身の家庭について軽妙なトークを繰り広げた。

■今回のテーマは“母親の無償の愛”

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『映画クレヨンしんちゃん 爆睡! ユメミーワールド大突撃』は4月16日より全国東宝系にて公開

Q:夢の世界が舞台の本作。ゲスト声優に決まったときのお気持ちは?

吉瀬美智子(以下、吉瀬):まさか自分にオファーが来るとは思わなかったので、お話を聞いたときは、何の役? 今回の“とにかく明るい安村”さんのような本人の役? とかいろいろ考えてしまいました(笑)。そしたら、すごくステキなお母さんのキャラクターだったので、呼んでいただけてうれしかったです。

安田顕(以下、安田):僕も何かの間違いじゃないかと思ってしまいました。しんちゃんは子どもたちに笑顔を与えてくれる存在ですからね。うちの娘も恩恵にあずかっているので、非常に光栄です。家族に対して恩返しができたような気がしました。

吉瀬:そう、うちも娘や、娘のお友達が「しんちゃんに出るの?」って、すごく喜んでくれたんです。ヒーロー気分になっちゃいました。

Q:「クレヨンしんちゃん」の劇場版は、子供だけでなく大人も楽しみにしていますしね。

吉瀬:今回の作品もそうなんですけど、毎回深いメッセージがあって、誰が観ても感動するお話になっているんですよね。そのメッセージ性と、ギャグやおふざけの部分とのギャップがいいんですよ。オシリを出すアニメなんて、それまでなかったですよね?

安田:まあ、昔は「まいっちんぐマチコ先生」とかありましたけど……。

吉瀬:あ、あった! 懐かしい。男性が好きなタイプの作品ですよね(笑)。

安田:「マチコ先生」のころ(1980年代前半)は、今ではなかなか見られない男子のイタズラの表現があったんですよ。スカートの中をのぞいたり、胸にタッチしたりとか(笑)。そこをオブラートに包んで表現したのが、「クレヨンしんちゃん」シリーズなのかな。子供にとって楽しいことを独特のセンスで描きながら、きちんとしたテーマもあってね。劇場版22作目の『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』は“父性”がテーマでしたけど、今回は“母親の無償の愛”というものをうまく描いていると思います。

■もしも我が子と遭難してしまったら

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Q:夢彦の「世界中が不幸になろうが娘を守る」というセリフが印象に残ります。

安田:僕もあれは印象に残っています。僕自身、何があっても子供を守ろうと思ってはいるんです。でもね、時々、考えちゃうことがあるんですよ。例えば、親子で砂漠をさまよって、水がほんの少ししかないときに、「果たして、娘に水をあげることができるのだろうか?」って。あと、崖で橋が壊れてしまったとき、自分が橋の代わりに寝そべって、「ここを渡って行け!」と娘に言うことができるのかとか……。

吉瀬:わたしはできます(キッパリ)!

安田:ハハハ! 母の本能ですね。僕も父として、「絶対にできる!」って思っているんですけど、そもそも、悩んでいる時点でどうなのかっていうね(笑)。

吉瀬:安田さん、走って逃げちゃうんじゃないですか(笑)。「あれ? パパいない」って。

安田:自分だけジャンプして先に崖を渡って、子供には「早く来い!」って叫んでいるだけだったりして(笑)。いや、そんなことはない! 僕らはね、もう次の世代にバトンを渡す年齢になっていますから、次世代への橋にならないと! 僕らは橋になって若い子たちをユメミーワールドに連れていかねばならないんです(必死)!

吉瀬:説得力がない……(苦笑)。

Q:吉瀬さんだったら、何も考えずにお子さんを優先します?

吉瀬:もちろんです。わたしは何があっても子供を守ります!

安田:じゃあ、あと2滴しか美容液がない状態だったら?

吉瀬:お肌はダメなの! それだけは娘にも譲れない! 飲み水は譲れても、美容液は譲れないの(笑)。

安田:(爆笑)! 吉瀬さんは、このノリと美貌とのギャップがいいんですよ。

■アフレコの練習で娘がガチ泣き

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Q:研究中のサユリが幼い娘に向かって、「近づかないで!」と恐ろしいくらいの勢いで叫ぶシーンもインパクトがあります。

吉瀬:サユリは仕事熱心で、本当は子供思いの不器用なお母さんなんです。自分と重なるところがあるので、サユリの気持ちはすごく理解できます。わたし自身、子供のことをちゃんと見てあげたいのに、仕事が立て込んでいると、余裕がなくなってしまうことがあるんですよ。「ちゃんと愛情はあるのよ」って伝えたいのにもどかしくて、自分の中で葛藤が起きてしまいます。

安田:僕の場合は、家事や育児に向き合いたい気持ちはあるんですけど、どうしても仕事のことを考えてしまう。だからこそ今回の仕事は、「クレヨンしんちゃん」が好きな娘や、家族に対する恩返しだと思っているんです。でも、吉瀬さんは家と外のふたつのお仕事をしっかりされているわけですからね。

吉瀬:両立させるのって、大変なんですよね……。そういえば、今回のアフレコのために「近づかないで!」って家で何度も大きな声で練習していたら、娘がビックリして震えながら泣いちゃったんです(笑)。その後で、「あなたに言ったんじゃないのよ。ママのセリフなの」って、抱き締めました。

安田:……なんか、いいなあ。吉瀬さんに叱られて、その後で優しくされる番組がやりたい(笑)。

吉瀬:じゃあ、しんちゃんの次回作で、そういうキャラとして出してもらいましょうよ。

安田:僕は頑張って、吉瀬さんに叱られる子供の役をやります(笑)。

取材・文:斉藤由紀子 写真: 高野広美

記事制作 : シネマトゥデイ(外部サイト)