『ちはやふる』絶賛の嵐!マイナースポーツ部映画がいつの時代も愛される理由とは?

コラム

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映画『ちはやふる』が、映画ファンから高評価を得ているようです。広瀬すず演じる主人公が、幼馴染みと高校で競技かるた部を立ち上げて…というストーリーになっているのですが、過去を振り返ると、この競技かるたのような、所謂、マイナースポーツ部を取り上げた映画は数多く存在しています。

なぜ、こうしたマイナースポーツ部映画は、頻繁につくられるのでしょうか?その最たる理由は、競技のもつイメージを、ゼロから創れるからだと思われます。サッカーや野球といったメジャーなスポーツは、既にその魅力が世間一般へ浸透しています。敢えて映画にしなくても、スタープレイヤーの逸話を書籍やネットで調べて、実際の試合を観戦すれば、十分、醍醐味を堪能できるでしょう。 反面、マイナースポーツ部というのは、魅力が広く知られていません。それゆえ、その競技のどこがどう面白いのか、架空のキャラクターを自由に動かしながら、紹介していけるのは、物語の作り手にとって、取り組みがいがあるのだと考えられます。

加えて、マイナースポーツ部映画は、物語の中で「障害物」を設けやすいのです。この「障害物」こそ、物語を推進する上で、重要な動力装置となります。自分の行くてを邪魔する何らかの壁があってこそ、登場人物たちは、それを乗り越えて、強くなったり、絆を深めたりするものです。
マイナースポーツ部ものにおける障害物として、最も多用されるのが、「部の存続危機」と「周囲の理解を得られない」の2つです。この2つを押さえつつ、「ひょんなきっかけから、入部することになった主人公」を絡めさえすれば、カバディだろうが、セパタクローだろうが、物語の題材にすることは可能でしょう。

以上のことから、観客だけではなく、作り手からも愛されるマイナースポーツ部映画。ここでは、各時代を代表する名作を数点紹介していきます。

■『シコふんじゃった。』 1992年公開

『Shall we ダンス?』『それでもボクはやってない』を監督した、周防正行の名を、初めて世に知らしめた本作。タイトルから分かる通り、相撲を題材にした映画です。卒業のための単位と引き換えに、大学の弱小相撲部に入部するハメになった主人公が徐々に相撲の世界に引き込まれていくという、これぞ、巻き込まれ型マイナースポーツ部映画の典型とも言える展開を見せます。
主演はモッくんこと本木雅弘が務め、ブルーリボン賞作品賞、日本アカデミー賞最優秀作品賞など、数々の賞を獲得しました。やはり、マイナースポーツ部映画強し!

■『ウォーターボーイズ』 2001年公開

マイナースポーツ部映画を語るうえで、本作は欠かせません。2001年に劇場公開されて以降、2度にわたりテレビドラマ化され、当時、全国に「シンクロブーム」を巻き起こした『ウォーターボーイズ』。主要メンバーが実際に撮影前から合宿で練習を重ね、本当のチームのように一体感のある演技を披露するまでになるという、リアルな成長物語を目撃できるのも、この作品の魅力です。

■『ピンポン』 2002年公開

サッカー部やバスケ部と比べると、卓球部ってなんか地味。そんな世間のステレオタイプを覆さんと、松本大洋の原作を宮藤官九郎が脚本に書き換えて、窪塚洋介・ARATAというキャストを要し、スタイリッシュに映像化したのが、この『ピンポン』です。
実は時速180キロで球が飛び交う“世界最速の球技”であるこのマイナースポーツの魅力を再提示したという意味で、卓球界に及ぼした功績は、結構大きいのではないでしょうか。

■『書道ガールズ!』 2010年公開

「書道パフォーマンス甲子園」という実在の学生大会を、題材にしたこちらの映画。成海璃子、桜庭ななみ、高畑充希ら扮する、書道部の部員たちが町おこしのために、書道パフォーマンスに取り組むというお話です。
おらが町を盛り上げるために、少女たちがひと肌脱ぐという『フラガール』的展開を見せる本作は、『フラガール』同様実話がベース。クライマックスの大会のシーンでは、モデルとなった高校の本物の出場者も登場します。

いかがでしたか? 学生たちの努力・成長・友情…。これらが詰まったマイナースポーツ部映画は、観る人たちに、自身の青春時代の記憶を呼び起こさせます。それがどんなにお約束的展開であろうとも、毎年、夏の甲子園に胸を熱くするのと同様に、感情移入してしまうのでしょう。

文●ロックスター小島

記事制作 : dmenu映画