映画化するほど面白い?! 有名人の「釈明会見」というエンタテイメント

コラム

  • twitter
  • facebook
  • はてなブログ
  • google+
  • LINEで送る

自分の不始末を謝罪するとき、通常であれば相手に詫びを入れるか、会社だったら始末書の一枚でも書けば済むところを、有名人というのはなかなか不便なもので、釈明会見なる舞台を仰々しくも用意され、関係者各位、果ては「ファンの皆様」と呼称される世間の人々にまで深々と首を垂れなくてはなりません。
カメラの前、メディアの前で振る舞うことが日常の彼ら・彼女らではありますが、記者の不意をついた質問、場の空気によって、思わず感情をあらわにしてしまう場面も。その最たる例が、号泣会見で話題となった野々村議員であり、ビートたけしをして「あの芸はタレントとしたらギャラ500万円ぐらい稼いでいる」と言わしめるほどの怪気炎を発していたのは、記憶に新しいところ。
さて、たけしが「芸」と称するように、釈明会見とはある意味、その人物の度量とか人柄を晒すショーとして、芸の一ジャンルと捉えることもできます。ここでは、これまでの芸能史において印象的な釈明会見をした人物たちを紹介していきます。

■ビートたけし

前述のように野々村議員を評したたけしですが、彼自身も後世に残る釈明会見の主役となっています。その歴史的申し開きの機会は、1986年、彼と軍団が巻き起こした『フライデー襲撃事件』の時に設けられました。
当時の愛人がフライデー側の執拗な取材のせいでケガを負わされたことに怒ったたけしが、フライデー発行元である講談社編集部に乗り込み、社員に暴行を加えたこの事件。人気絶頂のコメディアンの衝撃的不祥事とあって、当然社会的関心事となり、時の内閣官房長官までもが私見を述べるほどの騒ぎとなりました。
もちろん、すぐに釈明会見が開かれたわけですが、ここでのたけしの態度は堂々たるもの。体裁上は謝罪のカタチを取りつつも、プライバシーや愛人も含めた自分の大切なものを守る権利があると主張するなど、首尾一貫して自分の論理を通したのです。その凄味の利いた眼光は、芸人と言うより任侠の世界に生きる義賊の親分といった佇まいでした。

■勝新太郎

そのたけしが後年、監督・主演を務めた『座頭市』のオリジナル版の主役として知られるのが、勝新太郎です。昭和の大映画俳優でありながら、豪放磊落な遊び人としても有名で、1990年ハワイのホノルル空港にて麻薬所持の容疑で現行犯逮捕されてしまいました。
マリファナとコカインを下着の中に隠し持っていた勝新は、釈明会見の席で「今後は同様の事件を起こさないよう、もうパンツをはかないようにする」とジョークを一言。この余裕、さすがデニス・ホッパーや裕次郎とも知己を深めた当代随一の大物というところでしょうか。

■沢尻エリカ

この女優を一躍時の人にしたのが、2007年映画『クローズド・ノート』における舞台挨拶での「別に…」発言です。この一言を含め、イベント中終始不遜な態度をとっていた彼女は、当然のごとくバッシングの嵐に見舞われます。事務所側がさすがにまずいと判断したのか、公式HPに謝罪文を掲載すると共に、テレビ朝日の「スーパーモーニング」にて謝罪インタビューを放送することになるのです。「あのような行動をとってしまったことは申し訳ない。あの時なぜ腹が立っていたかは話せないけど、本当に申し訳ないことをした」と語り号泣する沢尻。しかし、その3年後別のインタビューにて「あの謝罪はするべきではなかった。本心ではない。」とぶっちゃけるあたり、この女優ちょっと掴めません。

■佐村河内守

近年、小保方女史と並んで最もインパクトを残した会見がこれでしょう。耳が聞こえない悲劇の大作曲家というのは虚像であり、その実体がゴーストライター付きの平凡な健常者と分かったときの衝撃と言ったらありません。
彼が果たしてどんな釈明を行うのか…。日本中の視線が集まる中会見の席に現れたのは、サングラスに髭と長髪のカリスマ音楽家ではなく、スターウォーズに出てくるジャバザハットを思わせる様な二重顎の中間管理職風おじさんでした。
特に印象的な発言はなかったものの、この風貌そのものが高級そうなラベルが貼ってある安物にまんまと引っ掛かるメディアと大衆を皮肉っているようでした。
ちなみにこのゴーストライター騒動、社会派ドキュメンタリー作家・森達也により映画化される(来年公開を目指し制作中)。佐村河内氏への見方が大きく変わる可能性も?!

いかがでしたか? ある意味、その人間の本性がさらけ出されると言っても過言ではない釈明会見。今後、不祥事や問題を起した有名人がいたら、この申し開きの場も含めて注目していきたいところです。

文●ロックスター小島

記事制作 : dmenu映画