ジェンダー・ニュートラルが成功のカギ? 米子ども向け商品市場の変化

コラム

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『スター・ウォーズ』コーナーではレイ、マーベル・コーナーではブラック・ウィドウもフィーチャー
『スター・ウォーズ』コーナーではレイ、
マーベル・コーナーではブラック・ウィドウもフィーチャー

文=ロサンゼルス在住ライター 町田雪

米国で子育てをしていると、子ども向け玩具やファッションにまつわる“性区別”が多いことに気づく。配色でいえば、女子向け商品はピンク&紫(そして、キラキラ&ヒラヒラ)、男子向け商品は青&緑(そして、ゴツゴツ&ピカピカ)が典型コンビであり、人気キャラクターは、女子がプリンセス、バービー、ハローキティ、男子がスーパーヒーロー、トランスフォーマー、スター・ウォーズというように、性区別を明確にしていると思えるブランドが多い。

我が家でも6歳男子と3歳女児が、限られたテレビ視聴時間内で「レゴ ニンジャゴー」と「ちいさなプリンセス ソフィア」のどちらを見るかで喧嘩(6歳兄と3歳妹が対等に張り合うのかという議論は別として)。そんなときは、日本から調達した「アンパンマン」や「ドラえもん」、スタジオジブリのDVDを提案すると仲直り、という日常がある。

こうしたなか、最近の研究結果により、米国の子ども向け商品市場でも、ミニオンズ、スポンジ・ボブ、任天堂のマリオ、バッグス・バニーをはじめとするルーニー・テューンズといった性別的に中立なキャラクターの人気が高まっていることが報じられた。今後“勝ち組コンテンツ”となるためには、ジェンダー・ニュートラルであることがカギとなりつつあるようだ。

ジェンダー・ニュートラルなミニオンの隣には、妖怪ウォッチも
ジェンダー・ニュートラルなミニオンの隣には、妖怪ウォッチも

色合いでいうなら、例えば前述した勝ち組コンテンツのように、黄色や赤、緑、茶色といった色をフィーチャー。男女両方の主要キャラクターを登場させ、性別を問わずウケるユーモアや遊び方を盛り込む工夫が効果的だ。また最近は、男子向けと捉えられがちだったブランドに女子が関心を持つケースも増えているという。昨年から市場を席けんしている『スター・ウォーズ』グッズに関しても、最新作のニューフェースかつ主要人物である女性キャラクター、レイの商品への需要が高まり、急ピッチで企画が進んでいるようだ。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でメガホンを取り、次回作の製作総指揮を務めるJ・J・エイブラムス監督は、自身の考えや、可能性を広げるスター・ウォーズの世界観における当然のこととして、今後の作品に同性愛のキャラクターを登場させることも示唆している。

プリンセス衣装と並んで、ヒーロー系(スーパーヒーロー・ガールズ)のコスプレグッズが並ぶという新傾向
プリンセスの衣装と並んで、ヒーロー系(スーパーヒーロー・ガールズ)の
コスプレグッズが並ぶという新傾向

現代の親たちは、これまでのステレオタイプや偏見、先入観をなくすための教育に前向きになってきている。性別にかかわらず、ともに遊び学べる環境が大切で、特定の玩具やゲーム、色を選んだからと言って、一定の価値観を押し付けられるべきではない。これは性別に限ったことではなく、子ども向けの玩具やテレビ番組に、あらゆる人種のキャラクターを登場させることも米国のエンタテインメント界では必須条件となっている。消費者が、性別や人種、宗教などにかかわらず、個々のライフスタイルや関心によって商品を選べるマーケティング・モデルが、大人の世界だけでなく、子どもの世界にも浸透していくことになるだろう。

もちろん、そこに世代を超えて楽しめる要素があれば、最高である。子どもに見せてあげたいと言い訳をしながら、親がホクホク気分で映画館に出かけ、グッズに散財する『スター・ウォーズ』がいい例だ。性別や年齢、人種の線引きをしがちなのは、実は大人のほう。「好きなものは好き」と自然な発想で生きる子どもたちの自由を、エンタテインメントを通しても尊重し続けていきたいと思う。

記事制作 : Avanti Press(外部サイト)