午前十時の映画祭7 劇場で見る『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の意外な効果

コラム

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文=高村尚

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「午前十時の映画祭7」パンフレットより

朝10時から名作を見てやろうという意欲的な企画「午前十時の映画祭」が始まったのが2010年。あれから6年。この4月、新しく「午前十時の映画祭7 デジタルで甦る永遠の名作」が始まった。

4回目からは「新・午前十時の映画祭」と名付けられフィルムに代わってデジタル(DCP)上映となった。7回目となる今回は、フィルムからのデジタルリマスターはもちろん、2K、4Kの高画質で甦った作品も多数上映される。これがもう本当に美しい。

ジョージ・ルーカスが『スター・ウォーズ』を生み出す時に参考にしたのは黒澤明監督の『隠し砦の三悪人』だというのは有名な話。ルーカスが書いた脚本第1稿の主人公名は“アキラ・ヴェイラー”だったとか、三船敏郎にルーク・スカイウォーカー役をオファーしたとか、自身のスタジオ「スカイウォーカー・サウンド」に黒澤明ルームがあるとか、ルーカスが心の師として仰ぐ黒澤監督の名作『生きる』(9月10日より)、『七人の侍』(10月8日より)の2作品も4Kで上映される。

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『七人の侍』©1954東宝

ほかにも、5月14日(土)からのオードリー・ヘプバーン主演の『マイ・フェア・レディ』、6月11日(土)からの猫と旅する老紳士のロードムービー『ハリーとトント』、7月9日(土)からの名匠デイヴィッド・リーンのロシア革命を舞台にした文芸巨編『ドクトル・ジバゴ』、12月3日(土)からのヒッチコック監督が様々な映画的手法を実験した『めまい』、2017年2月25日(土)から上映されるダメな男女の恋愛を描いた金字塔『浮雲』は4K上映となる(劇場の上映設備によっては2Kで上映)。

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『ハリーとトント』
©1974 Twentieth Centruy Fox Film Corporation.
©2002 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Right Reserved.

名作という過去作も初めて見る人にとっては新作だ。しかも傑作揃いであれば、ぜひ高画質、大スクリーン、いい音響設備の劇場で見たい。映画の専用スペースである映画館は、作品世界に浸るためのベストな環境が整っており、非日常な世界に没入できるし、家で見るより深く記憶に刻まれる。

だからこそ絶対映画館で見なくちゃならないのは、7月23日(土)~8月12日(金)に上映される夏休み企画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』3部作だ。劇中で未来として描かれた昨年2015年は、実際に映画に登場した靴ひもが自動で締まるスニーカーをナイキが発売したり、レクサスが空飛ぶスケートボード「LEXUSホバーボード」を作成・公開したりと、タイムマシンこそ実現しなかったものの、当時夢みた“未来”をいくつか見ることもできた。しかし、そんなネタも『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を見ずには語れない。

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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
© 1985 UNIVERSAL CITY STUDIOS, Inc. All Rights Reserved.

公開時、『バック・トゥ~』3部作には、「見に行った男女はほぼカップルになる」、「見ると気力がみなぎってくる」という効果があるとまことしやかにささやかれていた。実際、映画館でつかの間のタイムトラベルを体験し、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの「The Power of Love」の余韻が冷めやらぬなか、映画館を出た瞬間、なにかが始まりそうな予感がする。この夏、ぜひともそれを体験してほしい。

記事制作 : Avanti Press(外部サイト)