グルメ漫画界で“珍味”なコンセプトが続出

コラム

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『孤独のグルメ』(原作:久住昌之、作画:谷口ジロー)のヒットをきっかけに、グルメ漫画ブームが続いています。テレビでは毎クールのようにグルメ漫画原作のドラマが放送され、各漫画誌では続々とグルメ漫画がスタートしています。 ただそれだけ数が多くなってくると、やはりストレートな作品では他に埋もれてしまいがち。そのためコンセプトを聞いて「それはどういうこと!?」と驚くような、一捻りも二捻りもある変化球的な、いわば“珍味”的な作品が現れているんです。たとえば……。

■食材はモンスター!?『ダンジョン飯』(九井諒子、既刊2巻)

主人公たち一行がダンジョン(RPGなどに登場する迷宮)を旅しながら、スライムやマンドラゴラといったモンスターを食材に自給自足生活を送る。 「ミミックはヤドカリのような生き物なので、“中身”は貝のように調理する」「マンドラゴラは叫ばせてから抜くとアクが抜ける」など、RPGゲームが好きな人にとっても新鮮な解釈が満載。今度からゲームをプレイしても「おいしそう……」という気持ちになってしまう!?  「このマンガがすごい!2016」オトコ編の1位を獲得。

■宇宙人、地球食に出会う『クミカのミカク』(小野中彰大、既刊1巻)

食事を必要としない異星人・クミカが地球の食べ物に出会い、食事を通してさまざまな感覚や新しい感情に目覚めていく。 鍋焼きうどんやハンバーグ、カツサンドなど地球人の私たちから見たら平凡な料理も、異星人の目を通したら新鮮に映ります。ありふれた献立だってしっかりごちそうなんだと感じさせてくれるだけでなく、「命を食べること」「食事で気持ちがつながること」など“食事”そのものについても考えさせてくれる描写がたくさん。

■デキるヤクザは自炊男子『紺田照の合法レシピ』(馬田イスケ、既刊1巻)

暴力団『霜降肉組』の新人組員・紺田照(こんだ・てる)は料理が大の得意。危険なヤクザの仕事の疲れを自炊で癒す。 ヤクザ×料理という異色のコンセプトで、ネット上で話題を呼んだ作品。紺田にとって大葉は“最高の合法ハーブ、調理は“カチコミ”。ヤクザ用語を駆使しながら大真面目に解説される料理シーンは、思わず笑ってしまいつつも、丁寧な説明で意外と参考になる! レシピ投稿サイト『クックパッド』には、紺田のレシピを教える公式ページも。

■役所も立派な食べ歩き先『ゆかいなお役所ごはん』(くらふと、既刊2巻)

役所の職員食堂をめぐる食べ歩き漫画。 食べ歩き漫画もいろいろありますが、ひと際ユニークなコンセプトの本作。まず職員以外も食堂を利用していいという部分で「知らなかった!」ですが、健康への意識が高い区はメニューもヘルシーなどその地域の取り組みが料理にも反映されていたり、地元の食材が使われていたり、なんだか意外と奥が深そうな世界。500円前後で定食が食べられるところがほとんどで、“お役所ごはん”を食べてみたくなること間違いなし。

■その食べ方、マイノリティかも……?『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』(おおひなたごう、既刊6巻)

タイトルの通り、「目玉焼きの黄身 いつつぶす?」や「とんかつのキャベツ いつ食べる?」、「カレーのルー どうかける?」のようないろいろな食べ方をクローズアップするギャグ。 グルメ漫画というより食べ方漫画。自分の食べ方が少数派だと知ってびっくりしたり、逆に「そんな食べ方があるのか」とびっくりするような食べ方が紹介されていたり。友達みんなでワイワイ議論したい作品です。

グルメ漫画は文化発展の証?

“変なもの”が誕生するということは、それだけ文化も円熟しているということ。これからも斬新なグルメ漫画が誕生してくれることでしょう。

(文/原田美紗@HEW)

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「このマンガがすごい!2016」オトコ編の1位にもなった『ダンジョン飯』もラインナップ。

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記事制作 : dmenu映画