すみれ、ハリウッド進出に高視聴率ドラマの“名セリフ”あり

インタビュー

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すみれ

今年全米公開される映画『The Shack』でハリウッド・デビューを飾る、女優のすみれ。映画『アバター』で知られるサム・ワーシントン扮する主人公を導く精霊・サラユという重要な役どころで、デビュー作にしてその存在を広く全米の観客にアピールする事になりそうだ。アジア人はハリウッド進出しても、ステレオタイプのキャラクターを押し付けられがちで、メインを飾るのは難しいとされる。すみれ自身、白人のアクティング・コーチから「アジア人に大役はつかない」と宣言されたことも……。そんな逆風の中で脳裏に浮かんだ“ある言葉”。夢を掴むカギは、記録的視聴率を叩き出した、連続ドラマの名セリフにあった。

「ハリウッドで仕事がしたい」という漠然とした思いはあったが、まさかのハリウッド映画デビューとは、当の本人が一番驚いた。「ハリウッド・デビューが映画出演になるとは思ってもいなかったし、ハリウッド映画に出られたとしても、きちんとしたお芝居を要求される役ではないと思っていた」と未だに信じられない様子。それもそのはず「オーディションや演技レッスンでは何度もダメだと言われたし“女優になんてなれるわけがない”と面と向かって言われたこともある」と、ハリウッドまでの道のりは苦難の連続だった。

中でも心に突き刺さったのは、白人アクティング・コーチからの「アジア人に大役はつかない」という、技術やセンスではカバーする事の出来ない絶望的な言葉だった。夢を叶える秘訣は“出来る、なると思い込む”という信条のすみれは「オーディションで落とされても、落ち込むのではなく、今回は出演する運命ではなかった、と頭を切り替える。夢に近づくために何が必要なのか、それだけに意識を集中させていた」というが、このコーチからの宣言にはさすがに打ちのめされた。

しかしその傷心を救ったのが、連続ドラマ『半沢直樹』で主人公が放った反撃のセリフであり、新語・流行語大賞にも選ばれた“倍返しだ!”だった。「否定されるのは嬉しくない事だけれど、その先生からの言葉があったからこそ、悔しくなれて“アジア人でも見せてやる!倍返しだ!”という気持ちになれた。悔しさ悲しさ落ち込み、すべてを怒りの力に変えて“倍返しだ!”という半沢直樹の気持ちになるくらいじゃないとダメ。それくらい思い込まなければ、成功の道は開けないはず」。名セリフに背中を押され、果敢に挑んだ結果、すみれは白人アクティング・コーチの言葉を見事に覆した。

すみれ

また今年は、ハリウッドを中心にキャスティング・ディレクターとして活躍する奈良橋陽子の直々のオファーで、故・今井雅之企画・脚本の日本映画『手をつないでかえろうよ シャングリラの向こうで』(5月28日公開)にも出演する。伊勢神宮を目指す知的障害者・真人(川平慈英)が道中で出会う、ハワイ育ちの麗子役。邦画初出演にして、ここでも大役のヒロインだ。「こんなに素晴らしい作品で邦画デビューが出来るのは光栄だけれど、凄く緊張したし、自分自身の演技には全然納得がいかず、完成した作品では自分のシーンをきちんと観ることが出来なかった」と、今井さんの思いと監督でもある奈良橋の期待を背負っているだけに、ストイックにもなる。

ただ「緊張した」というものの、度胸の据わった演技はハリウッドが認めただけある。フルスイングのビンタで大柄な俳優を殴り倒すシーンは、“流石”の一言。「相手役の方が“どんどんやって下さい”と言ってくれたので、“ありがとうございます!”という気持ちでいきました。予想外の力が出て頬にクリーンヒットしてしまいましたが、メチャクチャ気持ち良かった」と肩をすぼめながら笑う。

抜群のプロポーションの持ち主としても知られるが「食べるのが大好き。楽しく食べるために運動をしているようなもの」と明かす。女優としてのトレーニングの一環として体作りに励んでいるが「今では運動をしないと逆に疲れてしまうし、落ち込みやすくなって精神的にもよくない。辛い運動でも乗り越えられたら気持ちがいいし、新しい自分を見つけることも出来る」と前向きを形作るモチベーションにもなる。立ちはだかる壁もすべてポジティブに捉え、“倍返しだ!”の精神で前進中。女優・すみれが、2016年の台風の目となるか。

(取材・文/石井隼人)

『手をつないでかえろうよ シャングリラの向こうで』
5月28日 お台場シネマメディア―ジュ他、全国拡大ロードショー
配給:KATSU-do

記事制作 : dmenu映画