般若はなぜ突然KREVAを挑発したのか? どうなる!?『フリースタイルダンジョン』

コラム

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【画像】『フリースタイルダンジョン ORIGINAL SOUNDTRACK』

ラップのMCバトルを“勝ち抜き戦”にしたことでモンスターVSチャレンジャーという構図が際立ち、ドラマ性が生まれたテレビ朝日『フリースタイルダンジョン』。その5月17日放送回で、事件は起こった。“ラスボス”である般若が自らカメラに向かい、日本を代表するヒップホップアーティストKREVAを公然と挑発したのだ。一見暴挙ともとれるこの行動は何を意味するのか。

■般若の“ラスボス感”が番組のカラー

今やヒップホップファンならずとも注目のMCバトル番組『フリースタイルダンジョン』。その人気の要因は、なんといってもチャレンジャーの前に立ちはだかるモンスターたちのキャラクターと強さだろう。その中でも、4人のモンスターを倒すことではじめて引きずり出すことができるラスボス・般若の存在感は格別。2008年のUMB(ULTIMATE MC BATTLE)で優勝して以来、フリースタイルバトル引退を公言していた般若の復活はそれだけで注目を集めるものだった。オーガナイザーを務めるZeebraをして「期待以上の“ラスボス感”」と言わしめたその威圧感と、堂々とチャレンジャーを迎え撃つ凄みは、勝ち抜きバトルの物語を一段上のものに引き上げている。

そんな般若の2度目の登場となった「セカンドシーズンRec1」終了後、とんでもない事態が起こる。史上2人目の“ファイナリスト”であるチャレンジャー崇薫を撃破しその感想を求められた般若が突然、放送を使ってこう言い放ったのだ。「おいKREVA! てめえブルってんじゃねえぞコノ野郎! 俺と勝負しろ!」

■実はバトルMCとして無敵だったKREVA

KREVAと言えば2002年には紅白にも出場したKICK THE CAN CREWの中心メンバーで、日本で最も成功したラッパーのひとりとして知られる。「セルアウト(売れ線狙い)だ」という批判を受けることも多かったが、1999年から2001年にかけてB-BOY PARK MC BATTLEで史上初の3連覇を成し遂げるなどフリースタイルでも超一流の実力を誇っていた。一方般若もB-BOY PARKには初期の頃から出場しているが、本格化するのはもう少し先のことであり、KREVAとの直接対決は実現していない。しかし硬派でマッチョイズムがスタイルの般若は、KREVAを含めヒットチャートに上るような商業的に成功したラッパーを当時からたびたびdisっている。

般若は『フリースタイルダンジョン』でKREVAに対しこう続けた。「お前もうこれで逃げらんねえぞ! 10年前みたいに俺からバックレらんねえぞ!」 名実ともに最強のラッパーとなったとき、般若の前にKREVAの姿はなかった。最近は映画『進撃の巨人』や『シン・ゴジラ』にも出演するなど、メジャーの舞台で活躍し続けるKREVAを、再びMCバトルのリングに上げる。それが般若の描いた物語なのだ。

■般若の描く物語はどう結実するのか

『フリースタイルダンジョン』には、“下克上”“成り上がり”“千載一遇のチャンス”という物語がベースにある。モンスターたちは、なかんずくラスボスたる般若は、それを跳ね返すという役割を担っていたはずだ。バトルの会場が新木場ageHaに移り規模も数倍となるなど、まさに人気拡大中の同番組で、般若が自らの物語を紡ぐのは時期尚早だったのでは?という穿った見方もできる。しかし、般若という男はラスボスを演じる姿から分かる通りエンターテイナーとしても一級品。番組での2回のバトルで飛び出した「俺はヒップホップに就職」「俺は親父がいねえから俺が親父になってこのヒップホップシーン全てを残す」というリリックの通り、自らの手でシーンを盛り上げる覚悟も背負っている。追い風を背に受ける今、さらなる盛り上がりのため、あえてこのタイミングでKREVAにケンカを売ったのではないだろうか。

般若の宣戦布告はKREVAに届くのか? KREVAはこれに、般若という男に、アンサーを返すのか? 物語は始まったばかりだ。

(文/大木信景@HEW)

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記事制作 : dmenu映画