映画監督と出演女優の“尋常ならざる”関係5選

コラム

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恋人同士だったり、夫婦だったり、パートナーだったり…。仕事仲間であると同時に、男女であるからこそ展開される劇中外のドラマ。監督と女優。その境を超えた関係は、同性同士では決してありえない強固なバディシップとなり、2人の共作に煌くような彩を加えます。ここでは、そんな尋常ならざる関係の女優と監督、彼らが生み出した作品を紹介していきます。

1.原節子×小津安二郎 『東京物語』(1953年公開)など

昨年、95歳の生涯に幕を閉じた昭和の大女優・原節子。彼女の映画人生を語る上で欠かせない、いや、彼女の映画人生そのものと言っても過言ではないのが、小津安二郎と、彼が残した作品群です。映画『東京物語』をはじめ、数々の名作でタッグを組んできた2人。原が43歳のときに小津はこの世を去り、それを機に、彼女も銀幕の世界から姿を消してしまいます。
ここまでの行動をとったのは、原にとって小津が恩師以上の存在であるからというのは推して知るべし。その後、生涯独身を貫いた彼女ですが、一説によると、小津への愛から純血を守ったのだとか。まさに永遠の処女。その二つ名にふさわしい一生は、何とも神秘的でドラマチックかつロマンチックです。

2.草刈民代×周防正行 『Shall we ダンス?』(1996年公開)など

2004年にアメリカで、リチャード・ギアとジェニファー・ロペス主演の『Shall We Dance?』としてリメイクされた同作。主人公の一人である社交ダンスの先生役を務めたのは、この作品が映画初出演の草刈民代でした。
何故、銀幕での実績がないバレリーナを主演に配したのか? 答えは、劇中で彼女が踊る姿を見れば一目瞭然。もう一人の主人公・役所広司が一瞬にして恋に落ち、全く未経験のダンス教室に即入会してしまうという、多少強引な展開へ説得力を持たせるのに十分な美しさを披露して見せたのです。
そんな彼女に、一番惚れ込んでいたのが、周防正行監督。後年「色々な物事を慎重に決める僕が、彼女だけは即決した」と結婚した理由について語ったことからも、撮影中から恋心を抱いていたのだと推測されます。そう考えると、役所広司はさしずめ周防監督の想いを代弁させた、劇中におけるアバターだったのかも知れません。

3.満島ひかり×石井裕也 『川の底からこんにちは』(2010年公開)

先ごろ離婚が成立した満島ひかりと石井裕也ですが、出会いのきっかけは2010年公開の映画『川の底からこんにちは』になります。主演女優と監督というカタチで出会った2人。アプローチをかけたのは、満島の方だったといいます。何でも、石井が手掛けた脚本を読んだ満島が、その才能に惚れ込んだのだとか。「私を選ばないと損しますよ?」とグイグイ押していき交際に発展。1年後に晴れてゴールインとなったのだそうです。
離婚後すぐに、瑛太の弟で俳優の永山絢斗との交際が発覚する辺り、満島がかなりの肉食系なのは間違いないでしょう。

4.ダイアン・キートン×ウディアレン 『アニー・ホール』(1977年公開)など

冴えない男、ウディアレン。彼は女性に相当モテるのだそうです。外見とは裏腹に、映画監督、俳優、脚本家、小説家、クラリネット奏者としての多彩な才能が、人を、異性を惹き付けてやまないのでしょうか。中でも有名なのが、女優ダイアン・キートンとの関係。1968年、舞台で共演したのをきっかけに交際をスタートさせた2人ですが、わずか1年余りで深入りを恐れたウディによって、関係が解消されています。
しかし、2人の関係は良好なままで、上記の『アニー・ホール』に代表される様々な作品で、女優×監督という関係で仕事をし続けています。恋人ではもちろんなく、友人、親友というには物足りない。まさしく、“パートナー”という言葉がピッタリな関係性は、恋愛における理想の終着点の一つなのかもしれません。

5.ミラ・ジョヴォヴィッチ×リュック・ベッソン 『フィフス・エレメント』(1997年公開)など

『フィフス・エレメント』の監督を務めたリュック・ベッソンは、『二キータ』のアンヌ・パリロー、『レオン』のナタリー・ポートマンなど、もともと少女をフューチャーした作品作りに長けた作り手。幸運にも、当時無名だった21歳のミラ・ジョヴォヴィッチは、彼に見初めれらたことで、一気にスターダムへと駆け上がります。彼女が演じたのは、奇抜な衣装に身を包んだ謎のヒロイン。フランスの鬼才によって存分に引き出された可憐な美しさと演技力は、世界中を虜にしました。
作品が公開した1997年にミラとリュック・ベッソンは結婚。その後、映画『ジャンヌ・ダルク』でも監督×女優として創作活動に臨んだものの、夫婦としての仕事はこれが最初で最後。1999年にはあえなく離婚となり、今はお互い別々のパートナーと家庭を築いています。

いかがでしたか? 撮る側と撮られる側の抜き差しならない関係性は、一種の緊張状態を生み、その演技、ひいては作品全体にリアリティを与えているのかも知れません。今後もそんな“見つめる男と見つめられる女”が作り出す映画に、注目していきたいところです。

●文 ロックスター小島

記事制作 : dmenu映画