7月に海老蔵との共演も…香川照之の「顔芸&大げさ演技」を堪能できる4作品

コラム

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7月2日に初演を迎える七月大歌舞伎にて、同じ市川の屋号を持つ海老蔵と共演する香川照之。誇張表現こそが歌舞伎の本懐。で、あるならば、テレビ画面や劇場のスクリーンでは、彼の大仰な芝居も、収まり良く見えるかも知れません。本公演でも、新参者らしからぬ不敵な立ち回りで、いつもの主役喰いを期待したいものです。

そんな歌舞伎界期待のオールドルーキー・市川中車こと香川照之ですが、彼の持ち味と言えば、やはり高い演技力。特に表情の豊かさにおいて、右に出るものはいません。顔面の筋繊維一つひとつを自在に駆動・伸縮させる芸当はまさに唯一無二。百面相と言われているその顔芸は、ドラマや映画界からも注目されています。これまで様々な作品に出演している香川ですが、手厳しいファンが多いと言われている“漫画の実写化”でもファンの期待にしっかりと応える、強烈な怪演を披露してきました。ここではそんな怪優・香川照之の漫画原作映画の歴史を振り返ってきます。

■1:『20世紀少年』:ヨシツネ(皆本剛) 役  2008年公開

ルックスが売りではない役者ならば、どんな役柄でも変幻自在に演じこなしたいところ。まさにそんな職業俳優的な器用さがあったからこそ、香川は今の地位を築いてこれたのでしょう。

この『20世紀少年』においては、唐沢寿明・豊川悦司・常盤貴子らと共に悪の組織に立ち向かう、彼らの幼馴染「ヨシツネ」役を熱演。作中においてそこまで目立つタイプのキャラではなかったため、彼にしては、抑え気味の芝居に終始していました。後述する映画『カイジ』の利根川のようなアクの強い役も、このヨシツネのような地味な役も演じ分けられる幅こそ、彼の強みなのです。

■2:『カイジ 人生逆転ゲーム』:利根川幸雄 役 2009年公開

香川史上屈指のハマリ役と言っても過言ではない、利根川。「勝つことが全てだ!勝たなきゃゴミだ!」と啖呵を切る、ギャンブル船の主催者側として講じたスピーチのシーンは、本作におけるハイライトの一つ。思えば、この作品から“魅力的な嫌なヤツ”を演じる香川の才能は開花し、後に一世を風靡した『半沢直樹』の大和田常務役に繋がったようにも思えます。
ラストに繰り広げられる、主人公・カイジ演じる藤原竜也との激しい顔芸の応酬も必見です。

■3:『あしたのジョー』:丹下段平 役 2011年公開

「私生活でボクシングを30年間見守り続けてきたのは、この役のため」と出演が決まったときに力説した香川。それもそのはず。もともと彼は、専門誌でマニア向けのコラムを執筆していたほどの、コアなボクシングフリーク。当然、「あしたのジョー」も好きだったらしく、ノリノリで名トレーナー、丹下段平を演じています。
ちなみに、主人公のジョーとそのライバル・力石は、演じた山ピーと伊勢谷友介がそのままボクサースタイルになっただけという佇まいなのですが、香川の段平だけは漫画のデザインを忠実に再現されています。

■4:『るろうに剣心』:武田観柳役 2012年公開

武田観柳は、明治初期に現れた架空の悪徳実業家。普段は物静かでありながら、戦闘時は狂ったようにテンションが高くなる人物設定から、エキセントリックな役どころもお手のものな香川が適任とされ、白羽の矢が立ったのでしょう。

監督が「役者に自由に演じてもらう」というスタンスだったため、かなりアドリブも多用されている本作。「観柳ならこう言うだろう」という、香川独自の考察で練り上げられたキャラクター像と、制作費280万円にもなる特注のガトリングガンを、狂気じみた笑顔で乱射するシーンは、一見の価値アリです。

いかがでしたか? 上記の映画以外でも多彩な演技を披露し、観る者を楽しませてきた香川照之。もはや、彼が脇を固めているだけで、作品にハクがつくような感さえあるのだから、大したものです。今後も様々な漫画原作映画からオファーが来ることは間違いないでしょう。

文●ロックスター小島

記事制作 : dmenu映画