nostalgic

夏はなんだか切なくなります。まぶしい日差しやセミの声の中にいると、子供時代のいろいろが自然と思い出されるからでしょうか…? とびきり暑い日は家にこもって映画三昧。日本の田舎を舞台とした、ノスタルジーに浸れるような作品を見てみてはいかがでしょうか? 例えばこんな作品があります。

1:『サマーウォーズ』(監督:細田守、2009年公開)

細田守初の長編オリジナルアニメ。脚本の奥寺佐渡子、キャラクターデザインの貞本義行など『時をかける少女』のスタッフが製作した。天才的な数学力を持つ健二(声・神木隆之介)は高校2年の夏休み、憧れの先輩・夏希(声・桜庭ななみ)に頼まれて、長野にある彼女の田舎を訪ねることになる。総勢27人の大家族に気圧されながらも楽しいひとときを過ごしたその夜、健二は携帯に届いた謎のメールを解読して、翌朝世界は一変した――。

親戚が多い人なら「あるある」なシーンが満載。食事の準備に大忙しの女衆、机を長~くくっつけての大宴会、親戚のおじさんたちのざっくばらんな下ネタ……。都会っ子ならば、田舎の集まりってこんなに賑やかなんだと驚きっぱなしでしょう。そんな田舎の一族たちが、力を合わせて世界の危機に立ち向かうのだから驚き。田舎の風景とネット上の仮想空間がクロスする構成も斬新です。

2:『天然コケッコー』(監督:山下敦弘、2007年公開)

山と田んぼが広がる“ド田舎”木村町で暮らす中学2年生のそよ(夏帆)は、小中学生あわせて全校生徒たった6人の分校に通っている。そこに東京からの転校生・大沢(岡田将生)が転校してくる――。

撮影は夏から秋にかけて、島根県浜田市で行われました。田んぼが広がり、近くには海もある…。そんな木村町の、少し潮の香りが混ざった清々しい空気が画面から伝わってくるようです。田園風景に加えて、そよと大沢、中学生ふたりの等身大な感じも懐かしい。友達に嘘の自慢話をしてしまったり、「あの道は幽霊が出る」なんて噂があったり。子供の頃はささいなことで一喜一憂していたなぁと思い出して、少し寂しくなるような。方言丸出しの夏帆もかわいい!

3:『スウィングガールズ』(監督:矢口史靖、2004年公開)

東北の片田舎にある高校で、ひょんなトラブルから即席吹奏楽部が作られる。友子(上野樹里)を始めとした補習クラスの女子生徒たちは、サボりの口実としてピンチヒッターを務め、初めて楽器やジャズに触れる――。

『ウォーターボーイズ』(こちらも夏に見たい映画ですね!)の矢口監督による、女子版『ウォーターボーイズ』とも言うべき作品。出演陣が本当に楽器を演奏しているというのが目玉のひとつで、始めのうちの演奏のヘロヘロぶりは、吹奏楽はもちろん楽器経験者なら誰でも共感できるものでしょう。「ジャズやるべ!」「なんかいぐね?」と訛りまくりの素朴な田舎の女子たちが、ラストできっちり魅せるのに感動。何かひとつのことに打ち込んだ、学生時代の夏を思い出します。

“夏”にはドラマの種がある?

他にも『サマータイムマシン・ブルース』(監督:本広克行、2005年公開)、『菊次郎の夏』(監督:北野武、1999年公開)、『チェスト!』(監督:雑賀俊郎、2008年公開)など、夏を舞台にした映画には名作がいっぱい。それだけ“夏”という季節には、ドラマが起きる何かがあるということなのでしょうね。皆さんも良い夏を!

(文/原田美紗@HEW)