現代アイドルシーンを変えた、伝説のアイドルグループがいました。ライブ会場ではモッシュにダイブ、ヘドバン、なんでもござれで、さながらパンクバンドのような熱狂が巻き起こる。良くも悪くもアイドル現場に“暴走”のノリを普及させた存在であり、今でこそロックやパンクのライブと同じように観客が盛り上がるアイドルグループは珍しくありませんが、このグループがいなければ、また違った今があったことでしょう。

他にも“全裸MV”や“スク水ダイブ”など炎上を恐れない過激なパフォーマンスで常に賛否両論がつきまとった、そのグループの名前はBiS(ビス)。2014年7月8日に惜しまれながら解散しましたが、それから2年経った今年の同日に再始動することが発表されました。

スクール水着姿のメンバーが客席でもみくちゃに

BiSは新生アイドル研究会(Brand-new idol Society)の略で、2010年11月に活動を本格スタートさせました。

サウンドプロデュース担当の松隈ケンタによるエモーショナルなロックサウンドは、アイドルファンだけでなく音楽好きからも支持されたのですが、BiSの名前を広く知らしめたのは、プロデュース・マネージメント担当の渡辺淳之介が仕掛ける数々の炎上商法による部分が大きかったでしょう。

2011年8月にリリースされたファーストシングル「My Ixxx」のMVは、なんとメンバーたちが一見全裸にしか見えない姿で登場して話題を集めました。他にもハグ会、ローション握手会といったイベント、スクール水着姿のメンバーが客席にダイブするというパフォーマンスなど、良識のある人々なら聞いただけで眉をひそめそうな過激な企画が満載。デザイナーのコシノジュンコが2013年10月に“終身名誉メンバー”に突然就任した際も、数々のネットニュースサイトで取り上げられました。BiSはライブアイドルとしては異例の、ヤフトピ常連のグループだったんです。

また渡辺による、あえてメンバー間に波風を立たせるような演出は、確かに話題作りとしては成功したものの、反発を覚える人々も多く、BiSは常に「好き」か「嫌い」かの2択で語られる存在となりました。そんな特異なグループだったからこそ、アイドルファンよりむしろロックやパンク好きからも注目されて、一般的な“アイドルコンサート”のつもりで行くとケガしかねない(本当に物理的な意味で)、激しい盛り上がりを見せるライブを行ってきました。

良くも悪くも「BiS」の名前を知らないアイドルファンはいない――。ですが2014年7月8日に横浜アリーナ公演をもって解散。メンバーたちはそれぞれの道へと進みました。

復活に「伝説でいてくれ」と複雑なファン

ですが7月8日、元リーダーのプールイ、松隈ケンタ、渡辺淳之介の3人でBiSが再始動し、新メンバーも募集すると突如発表されました。

もちろん再始動を喜ぶファンも数多くいたものの、もはやある種の伝説と化していたグループだっただけに複雑な思いを抱くファンも多くいました。また渡辺は昨年1月に「BiSをもう一度始める」と宣言して、BiSHというグループを立ち上げています。BiSがまた動き出すなら、BiSHは一体どうなる?  Twitter上では、

「BiSは好きだったけどBiS復活にはピンとこないというか、複雑な気持ち」
「なんかBiSHのメンバーかわいそうになってきた」
「BiSは伝説のままでいてくれ」

と戸惑う声が上がっています。また、現在の活動が上手くいっておらず金儲けのために再始動が決まったのではないかと邪推して、3人を批判する声もあります。

この賛否両論も仕掛けのひとつ?

再始動を発表してすぐ賛否両論を巻き起こしており、普通のグループだったら「あちゃー……」と言いたくなる事態です。だけど、これはあの「BiS」の話。炎上を意識的に仕掛けてきたこのグループにとって、再始動に対する反発なんて完全に予想できていたことでしょう。むしろ今の騒ぎを受けて、さらなる仕掛けを用意しているはず……。

大勢に温かく迎えられて活動するBiSなんてBiSじゃない。どうやら早くも我々は彼らの手のひらの上に乗せられてしまっているようです。

(文/原田イチボ@HEW)

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