Beautiful young woman playing violin over black

スラム街の子どもたちが、クラシック音楽に出会った! 8月13日より公開中の映画『ストリート・オーケストラ』は、実際にブラジルで生まれた奇跡の交響楽団のストーリー。同作は、スラム街の子どもたちによって結成されたクラシック楽団「エリオポリス交響楽団」誕生の実話を映画化したものなんです。クラシック音楽との出会いによって、暴力以外に人を変える力があることを知った子どもたちが、音楽が与える喜びを実感し、自分自身の人生だけでなく、ブラジル社会をも変えていきます。
作品では、モーツァルト、ブラームス、バッハ、錚々たる大作曲家たちの名曲だけでなく、銃弾に倒れたブラジルの伝説的ラッパー、サボタージの曲がエンディングで使われていて、ブラジル社会の現実も感じられます。 そこで今回は、同作のように、見ているだけで目が覚める、そんな音楽映画を厳選してみました!

「俺が消えてもロックしろ!」…『スクール・オブ・ロック』の衝撃的な破壊力

『ストリート・オーケストラ』と対極なのが、型破りな臨時教師がエリート小学生たちにロックを教えちゃう『スクール・オブ・ロック(2003)』。主人公のデューイは、ロックを愛する熱い心だけはあるものの、身勝手すぎてバンドをクビになり、ルームメイトからも追い出され、あげく友人になりすまして代用教師として名門小学校に潜り込むという、完全なるダメ人間。そのデューイが、管理教育で抑圧された子どもたちにロックを教える…それも、子どもたちのためなどではなく、子どもたちの音楽の才能を利用して、バンドバトルの賞金をいただいちゃおうという大人失格な魂胆から。とにかくブレない・成長しないデューイ。ロックは学校で教わるものじゃない…けど教えちゃう、これこそロック!?
子どもたちとの練習曲はAC/DC「ハイウェイ・トゥ・ヘル」、ディープ・パープル「スモーク・オン・ザ・ウォーター」、ブラック・サバス「アイアン・マン」など、いわばロック・クラシック。全編を通して、ザ・フー、デヴィッド・ボウイ、ラモーンズなどなど、グッとくる名曲の数々と、ロック愛にあふれた小ネタが満載。そしてロックの魂が宿った子どもたちの演奏パフォーマンスも圧巻の胸躍る映画です!

日本中をスウィングさせた『スウィングガールズ』

エリート小学生がロックなら、おちこぼれ女子高生にはジャズを……! ほとんど楽器初心者の山形の女子高生たちがビッグ・バンド・ジャズを奏でる『スウィングガールズ』(2004)。「ジャズって、ブランデーグラスかなんかを持ったオヤジが聴く、アレだべ?」という認識しかない田舎ガールズたちが、自分たちのせいで活動できなくなった吹奏楽部への罪滅ぼしでしぶしぶ始めたジャズ。撮影中も練習を欠かさなかったという、楽器ド素人の彼女たちの演奏の上達ぶりが、そのままスクリーンに表れているところがこの作品のポイント! 上野樹里、貫地谷しほり、本仮屋ユイカら、今や若手実力派女優として安定している彼女たちの、本当の学生時代を見ているような青春ムービー。ガールズたちがジャズのリズムを発見した瞬間、世界は変わっていきます。この快感、ガールズたちと一緒に味わわないと意味がない! そう、“スウィングしなくちゃ意味ないよ”!

ほかにも、『ドアーズ』(1991年)、『8Mile』(2002年)、『24アワー・パーティー・ピープル』(2002年)のような伝記的な作品、『あの頃ペニーレインと』(2000年)、『リンダリンダリンダ』(2005年)、『BECK』(2010年)などの青春音楽映画、クラシックを題材にした『アマデウス』(1984年)、『のだめカンタービレ』(2010年)など、音楽をテーマにした作品はたくさんあります。初心者だって、おちこぼれだっていい、この夏は、何かを変える力がある音楽と出会える映画を探してみませんか?

(文/三浦順子@H14)