松田翔太が主演する映画『ディアスポリス -DIRTY YELLOW BOYS-』が9月3日から公開されます。キワどすぎる世界観から映像化は不可能といわれた伝説の漫画「ディアスポリス-異邦警察-」の実写化作品。そしてなにより、翔太本人が10年間も熱望し続けた役どころだという主人公の久保塚早紀は、翔太の父・松田優作をモデルにしているんです。いまだに熱狂的なファンも多く、“ハードボイルド”の代名詞として語り継がれている父・優作がモデルの役を、30歳になった翔太が演じる。翔太が自身のルーツを振り返ることにもなった注目作です。

父・優作の姿と重なるタフさ

東京にいる密入国外国人が自分たちを守るために作った秘密組織“異邦都庁(通称:裏都庁)”。そこにある異邦警察=ディアスポリスに所属する警察官・久保塚早紀の活躍を描いた同作は、第14回メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推薦作品にも選ばれた人気漫画が原作。実写化プロジェクト当初からドラマ化と映画化のどちらも実現することが決まっており、4月から放送されているTBS系ドラマ「ディアスポリス 異邦警察」でも、映画のようなスケールで細部に渡った演出がほどこされています。

映画版は、ドラマ版10話でケガをしたという設定を引き継ぎ、早紀は冒頭から全身ボロボロの姿でストーリーがはじまります。出身国も年齢も不明、11カ国の言語にも堪能で、ギャングやヤクザと一緒にいる方がむしろ馴染むような警察官らしからぬルックスは、もろに優作スタイル。とはいえ、細身のスーツにアフロヘアーまでそっくりだった原作からはアレンジされ、翔太が演じる早紀は短髪でややオーバーサイズのジャケットとパンツ姿という現代的なスタイリングです。

浜野謙太演じる相棒の鈴木博隆と軽妙なやりとりを見せながら、異邦人誘拐事件の解決に向けて調査を進める早紀。ヤクザも絡む複雑な事情に首を突っ込まざるをえなくなり、ボコボコにされても、ひょうひょうとマイペースに事件解決に向けて奔走します。その姿を、ドラマ「太陽にほえろ!」での殉職シーンや映画『蘇える金狼』で致命傷を負いながらももうひとドラマ起こす生命力を見せた父・優作と重ねる人も多いのではないでしょうか。

現代版のハードボイルド

日本でありながらインターナショナルに人種が入り混じりまるで異国のような様相を見せる物語の舞台で、翔太は適度な軽さで物事や人間関係に順応し、大事なところは外さない現代的なハードボイルドを表現しています。また、ドラマ「海の上の診療所」での三枚目役や「GATSBY」「XYLISH」などのCMなど、かねてからユーモアのセンスを発揮してきた翔太は、そのにじみ出るコメディセンスで過激な暴力表現にもやさしさや安心感も与えています。

兄・松田龍平と共に、常に偉大な父と母で女優である松田美由紀の文脈で語られてしまう翔太ですが、単純な模倣ではなく、かといって過剰に否定することもなく、自然な自分の持ち味としてその影響を昇華させているということが見える作品です。

(文/岩木理恵@HEW)

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