『SCOOP!』福山雅治 インタビュー

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下ネタやり過ぎて監督からNG

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映画『SCOOP!』は10月1日より全国東宝系にて公開

パーマヘアに無精ひげ、革ジャンにアロハシャツ……実にワイルドなルックスで、中年やさぐれカメラマンを演じた福山雅治。『SCOOP!』での演技から見えてくる、俳優としてのこだわりとは?

いそうでいない昭和な中年男性

Q:『SCOOP!』で福山さんが演じられた都城静は、その意表を突くビジュアルもさることながら、現実にはいそうでいないキャラクターですよね。

そうなんです。これはある種、2016年の日本の中年男性の、いそうでいないファンタジー的男性像だと思いました。こういう人って昭和の時代にいたよな、ぶっきらぼうに後輩に接するけど、本当はいいとこあるくせに……って思われるような。そんな昔の雰囲気を持ちながら、六本木ヒルズを背景に存在している昭和と平成、そのアンバランスな感じが、ちょっとファンタジーだなぁと。

Q: 役柄の設定は大根仁監督からの要望だったのですか?

もしかしたら大根監督が若い頃、不器用な先輩だけど、カッコいいな、好きだな、と思える都城静のような人が監督の近くにいて、そういう人をいつか描きたいと思っていたのかもしれないと。大根監督とは同学年で同世代なんですけど、僕らからすると、もうちょっと上の先輩たちの空気感、みたいなことなのかなぁというのは思いました。

台本にない下ネタも盛り込む

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Q:相棒となる若い女性記者に平気で下ネタをふる一方で、しっかり頼りになる側面もありました。「先輩」としての理想的な幅のある役どころという印象です。

そのときそのときで、大根監督と一緒に作っていきました。監督に合わせていくので、現場でのアプローチも毎回違いました。大根監督はユーモアのある方なので、わりと台本にないセリフも言ってみたりして。ちょっと笑える部分、シモいセリフも、行き過ぎたところまでやってみて、監督が「そこまではいりません」ということになれば、それはそれでいいという感じでした。この役で下ネタを抑えていくのはおかしいと思っていたので、最初は過剰にしておいて、そこから削っていくほうがいいと(笑)。

酔うのではなく入り込みたい

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Q:大根監督作品の常連で、福山さんとも親しいリリー・フランキーさんが共演者のひとりとしていらっしゃいます。リリーさんが本作の福山さんについて、ご自身のユーモアが発揮されているとおっしゃっていました。

これは音楽をやっているときもそうなのですが、表現というのは面白がってやるに越したことはないとは思っているんです。僕がオーディエンスとして映画やお芝居を観たときに、「この人、自分の芝居に酔っているな」とか、「自分の歌に酔っているな」とか見えてしまうと、あまり楽しめなくて。役に入り込んでいるというのと、酔っているというのとは、一見同じようで、まったく別物だと思うんです。いつも「こうかな?」と思いながらやると芝居が硬くて、逆に「遊び過ぎかな?」と思うときもありますが、何かやろうとしている感じが出てしまうのもイヤですね。自分に酔っていると、その微妙なところには絶対いけないと思っています。入り込んでいたいといつも思うんですが、なかなか難しいです。

Q:非常に微妙なラインですね。

それを完全にコントロールできていると、逆に物足りなかったり、つまらなかったりもするので、ここが何ともエンターテインメントの難しいところであり、面白いところでもあります。図らずも出ちゃったもの。その現場のその瞬間のみに出たもの。それを追求したいし、それがベストなんじゃないかと思っています。狙ったけど狙い以上のもの、ということです。狙い通りよりは、自分でも想像してなかったことが起こって、結果そっちのほうかいい、というもの。そのためにはやはりかなりの集中力が必要で、その状態を何と説明したらいいか……。スポーツで例えるなら、ボールが止まって見えるみたいなことなんですかね。

Q:その絶妙なところに都城静はいると思います。しかし、とてもぜいたくな表現をめざしていらっしゃるんですね。

今回の共演者のみなさんとは、撮影現場でそういう表現を追求できたと思います。二階堂ふみちゃんは、若いけどそういうことが皮膚感覚でわかっていると思いますし、もちろん吉田羊さんも、滝藤賢一さんも非常に地肩が強い、腕のある純俳優さん。リリーさんは専業の俳優じゃないですけど、今回の役は何が出てくるかわからないエモーショナルな役なので(笑)。撮影中は、いつもドキドキしっぱなしでした。

取材・文: 相田冬二 写真: 金井尭子

記事制作 : シネマトゥデイ(外部サイト)

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