美女&イケメンの“アブなすぎ”暴力の祭典!? 『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』

コラム

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(C)2016真鍋昌平・小学館/映画「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」製作委員会

『闇金ウシジマくん』シリーズの主人公は、“ウシジマくん”こと丑嶋馨だと言われても、どこか納得できないんです。タイトルに名前を冠してはいますが、丑嶋は物語において主人公というより狂言回しのような役割。彼に生殺与奪の権をにぎられた債務者たちがどう助かるか?どう破滅するか?を描いてきた物語が『闇金ウシジマくん』なのではないでしょうか。

2010年よりドラマ・映画で展開してきた実写シリーズも、10月22日公開の『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』でついに完結。これまである意味神のような、ミステリアスかつパーフェクトな存在だった“丑嶋馨”という男についにスポットが当たります。

丑嶋たちアウトローを繋ぐ“12年前の因縁”とは?

丑嶋(山田孝之)が営む闇金会社「カウカウファイナンス」を中学時代の同級生・竹本優希(永山絢斗)が訪ねてくることから始まり再燃する、冷酷無比な鰐戸三兄弟、そして女闇金・犀原茜(高橋メアリージュン)の争い。彼らには中学時代からの因縁があり、鰐戸三兄弟の長男・一(安藤政信)は「すべてを12年前に戻すんだ」と呟く――。

さまざまなアウトローが登場してきた『闇金ウシジマくん』ですが、ファイナルということで(!?)今回はドバッと一気に“アブナイ人の大漁祭”とでも呼びたい状況です。『バトル・ロワイアル』や『貞子vs伽椰子』などこれまで数々の暴力的なキャラクターを演じてきたバイオレンス俳優・安藤政信に、ともすれば上滑りしてしまいそうな“丑嶋と互角に渡り合う女闇金”というキャラクターを迫力たっぷりに見事に演じてみせた高橋メアリージュン。山田孝之も含め3人ともやや浮世離れした雰囲気があるだけに、「最強のアウトローたちの三つ巴」という漫画的な展開を、これまでの『闇金ウシジマくん』の世界観を壊すことなく演じられたのでしょう。

間宮祥太朗と玉城ティナの暴力演技も輝く

またキャスティングに力を入れる山口雅俊監督だけあって、今回も「そう来たか!」と驚く大胆起用がたくさん。とくにビックリなのが、鰐戸三兄弟の末っ子・三蔵を間宮祥太朗に演じさせたことでしょうか。三蔵は、自分が行った拷問を記録に残して自慢したり、兄弟の中でもとりわけ残虐な性格。また犀原に残酷な仕打ちをされた過去があり、口元を覆うバンダナの下は実は目も当てられない状態になっているのですが、このキャラクターにイケメン俳優を起用しますか!

また犀原の少女時代を演じた玉城ティナ×暴力の組み合わせも大きな発見では? 絵画のように整った彼女の容姿は確かに凄みがあり、今後オファーの幅が広がりそうかも。あと狩野見恭兵演じる中学時代の丑嶋も必見! 容姿が似ているというより、立ち方や話し方など丑嶋の佇まいを完コピしており、これほど説得力のある「少年時代の○○」役はなかなかありません。

ダメ人間はダメ人間でしかないのか?

『闇金ウシジマくん』という物語が与えてくれる快楽として、やはり“ダメ人間が破滅するスカッ!と感”というものは大きいでしょう。ですが、『ザ・ファイナル』では、「ダメ人間は結局ダメ人間、優しさを見せたって仕方ない」という価値観に異を唱えます。底抜けのお人よしである竹本が起こした小さな変化、そして丑嶋への“勝利宣言”の内容とは?

アブナイ人の大漁祭という豪華さに加えて、シリーズを通してのメッセージをあらためて考えさせるようなほろ苦いエンディング……。こんなに美しい終わり方はなかなかない!と思わせる一方、完成度が高いからこそ終わってしまう寂しさも感じさせる。完結作のお手本のような作品です。

(文/原田イチボ@HEW)

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記事制作 : HEW