数々のドラマ、映画、CMに出演してきた女優・広瀬アリスをして「二度とやりたくない」「辛すぎた」と言わしめた主演作とは……! その映画は11月25日公開の『L-エル-』(監督:下山天)。国内初となる“音楽アルバムの実写映画化”を実現させた異色の作品です。

主人公・エルの波乱万丈ドロドロ人生

原作は、ロックバンド・Janne Da Arcのボーカリスト・yasuのソロプロジェクトであるAcid Black Cherryが昨年2月にリリースしたコンセプトアルバム。エルという女性の波乱の人生と音楽が絡み合う大変物語性の強いアルバムで、20万枚を超えるヒットを飛ばしました。

そのアルバムが満を持して実写映画化。“色のない街”に生まれた少女エル(広瀬アリス)の人生は、両親の突然の事故死から一変する。幼馴染の絵描きの少年・オヴェス(古川雄輝)に励まされていたが、成人したエルは“ある選択”を迫られて故郷を去る――。広瀬とオヴェス役の古川雄輝の脇を、成田凌、高橋メアリージュン、平岡祐太といった旬の役者たちが固めます。

誰かを信じては裏切られ、また誰かを信じては傷つけられ……というエルの生涯は、演じる側にとってもかなりハードだったようです。広瀬は完成披露上映会で、「二度とやりたくない。撮影もハードで辛すぎました」と本音を明かしています。それだけ心身ともに追い込まれた状態で演じたヒロイン役、確かに予告映像でも鬼気迫る表情を見せています。しかし90秒の予告だけでも、男に突き飛ばされたり、刃物を突き付けられたり、内容がドロドロすぎ!

小説に読み語り版に…メディアミックスが盛ん

国内で初めて実写映画化された音楽アルバム『L-エル-』ですが、他にもメディアミックスが非常に盛んです。KADOKAWAから出版された小説版も5刷りされるほど反響を呼んでいるのですが、もうひとつ話題をよんだのが、人気声優たちによる「読み語り版」です。動画サイト「GYAO!」にて全13話を毎週配信中のこちらは、紙芝居風のアニメーションムービーとAcid Black Cherryの音楽によって作り出された映像なのですが、とにかく声優が豪華! 花澤香菜、鈴木達央、日笠陽子、茅原実里……とアニメ好きなら誰でも知っている人気声優たちが出演しています。実写映画に限らず、これだけメディアミックスが行われている音楽アルバムというのも国内初なのではないでしょうか?

映画『L-エル-』は、全国80館ほどでの上映が決定しており、いくらAcid Black Cherryが昨年の全国ツアーで18万人を動員したといっても、“ファン向け”で終わらせないという強い意志を感じさせます。ひとつの映画作品として十分に成功させることができれば、Acid Black Cherryの新規ファンが増えるだけでなく、音楽アルバムの実写化というジャンルも活発化するかもしれません。

(文/原田美紗@HEW)