人魚が仕掛ける“ハニートラップ”!「ありえねー」演出てんこ盛りな『人魚姫』

コラム

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1月7日(土)より「2017冬の香港・中国エンターテイメント映画まつり」として、シネマート新宿ほかで全国順次公開の『人魚姫』。同作は、アジア歴代興行収入No.1を記録したファンタジー大作。そこで、同作の全貌と、監督を務めると“天才”チャウ・シンチーのレジェンドな映画人生を紹介します!

爆笑と涙、「ありえねー」演出こそがシンチー流コメディ

『少林サッカー』(2001年)や『カンフーハッスル』(2004年)で知られるチャウ・シンチーは、もともとは、90年代、香港映画界を代表するスター俳優の一人でした。そんな彼が初監督を務め(リー・リクチーと共同)、自ら主演したのが『0061/北京より愛をこめて』(1994年)。その後も、『食神』(1996年)、『喜劇王』(1999年)……と、数々の監督作で、そのコメディ・センスを爆発させたのでした。 例えば、料理バトルがテーマの『食神』では、肉団子の弾力を表現するために肉団子で卓球をするなど、ギャグを淡々と全力でやりきるのがシンチー節。

日本でも大ヒットした『少林サッカー』では、少林拳の使い手でありながらダメ人間集団の少林チームのミラクルプレーに度胆を抜かれた人も多いはず。バカバカしさ全開の「ありえねー」演出でありながら、シンチー率いるコンプレックスだらけの少林チームの人間くささが胸を打つ……、ナンセンス・ギャグと涙、そして、けた外れの演出こそがシンチー作品の真骨頂といえるでしょう。そして、これらのエッセンスは『人魚姫』でもてんこ盛りです!

人魚が仕掛けるハニートラップ!人魚族の未来をかけた『人魚姫』

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金儲けに目がない剛腕の青年実業家リウ(ダン・チャオ)は、イルカの保護区域・青羅湾のリゾート開発に着手。湾に生息する海洋生物を根こそぎ追い出す殺人的な超強力ソナーを用いて、埋め立て許可を取ります。そのソナーで傷つき、絶滅の危機に瀕している“人魚族”。何の罪もないのに住処を追われた彼らは「リウ暗殺計画」を決行! 人間に変装し、刺客としてリウのもとに送り込まれたのは、ピュアな人魚シャンシャン(リン・ユン)。金目当てじゃないシャンシャンの純真さにリウは魅かれ、シャンシャンもまたリウの孤独な心に触れ、暗殺の使命を果たすのに躊躇……。 お互いに想いは募るものの、住む世界が違い過ぎるふたりの愛の行方は? そして人魚族の運命は?

ブサイクヒロインに気づけば恋してる、シンチーの魔法

シンチーが描く人魚姫は、尾びれをちょっとイジって、ペンギンのような二足歩行が可能! 武器はウニ爆弾にウニ用のナイフ、とオリジナリティ満載。そんな、天然人魚シャンシャンを演じるのは、応募総数12万人を勝ち抜いて大抜擢された新人のリン・ユン。 作品中でも、小さい目に大きな鼻、尖った歯……と、酷くけなされています。初登場シーンにいたっては、誰も彼女をヒロインとは思わないであろう、アブナい女っぷり。ところがこれぞシンチーマジックともいえるもので、『少林サッカー』のヴィッキー・チャオしかり、『食神』のカレン・モクしかり、ヒロインはどんどんかわいく可憐に、魅力的になってくるのです。

お相手のリウもまた、稀代のゲスでありながら憎めない。シャンシャンといるときの無邪気な笑顔、そしてシンチー映画のお約束、突然のひとりミュージカルで魅せてくれます! また、シンチーファミリーが随所に顔を出しているのもファンにはたまらないお楽しみ。『西遊記~はじまりのはじまり~』(13年)に出演したショウ・ルオ演じる人魚族のリーダー・タコ兄(下半身がタコ!)の、まさに身を削る熱演は必見です。

最強のシンチーエッセンスがふんだんに盛り込まれ、ダイナミックな世界観が楽しめる『人魚姫』。シンチーファンならずとも必見です!

(文/三浦順子@H14)

(C)2016 The Star Overseas Limited
1/7(土)シネマート新宿ほか全国順次ロードショー!

監督:チャウ・シンチー
出演:ダン・チャオ 、リン・ユン、ショウ・ルオ、キティ・チャン他
中国/94分/原題:美人魚

記事制作 : H14