『トマトのしずく』小西真奈美 インタビュー

インタビュー

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アラフォー世代のいま、気持ちを新たにゼロからスタート!

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映画『トマトのしずく』は1月14日より渋谷シネパレスほか全国順次公開

意地っぱりで素直になれない娘と、口下手で不器用な父との葛藤、絆、そして家族の愛を描いた『トマトのしずく』。お蔵出し映画祭2015で、グランプリ&観客賞をダブル受賞した本作で、ヒロインのさくらを演じた小西真奈美が、撮影時のエピソードや、来たる40代への想いを明かした。

監督、良かったね

Q:完成してから4年ほど経っているとのことですが、公開が決まったときのお気持ちは?

脚本を読んだときからステキな作品になるだろうとは思っていましたが、完成した作品を観たら期待以上で。大好きな作品であるうえに、榊英雄監督ご自身のお話がベースになっているので、「監督、良かったね」と思いました。「ようやくこのときが来た」とすごくうれしい気持ちでした。

Q:観賞中はもちろん、観賞後に改めてジワジワと心にしみる作品ですね。

撮影現場でも監督の想いは聞いていたのですが、改めて観ると「何て視点の優しい撮り方をしていらっしゃるんだろう」と。撮影から完成までかなり時間が空いていたので、客観的に観ることができました。イチ観客として、ものすごく感動した作品です。公園で吉沢(悠)さん演じる真さんと会話するシーン、終盤にお父さんとの距離が縮まっていくシーン、そして結婚式のシーンも、すべてが好きです。

Q:お父さんのこととなると、つい意固地になってしまうさくらですが、小西さんから見てどんな女性ですか? 

普段はとても明るく快活で、チャーミングな人です。ただ多感な時期からずっと、わだかまりのような、ぽっかり空いた溝のようなものを抱えてきている。本当はお父さんに愛して欲しい、でもその気持ちが届かない。愛情の裏返しが時おり表情だったり言葉だったりに表れるところが、すごく人間らしくて、愛おしいと思いました。

さくらの旦那さんはこの人しかいない

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Q:酔ったさくらが真さんに甘えておんぶされるシーンが、同性から見てもとてもかわいらしかったです。

大人になっておんぶしてもらう機会って、なかなかないですよね。わたしは身長もあるので、「重かったらすみません!」と事前に吉沢さんに謝っておいたんです。でも「大丈夫だから、好きに演じていいよ」とおっしゃってくださって。役柄上は年下の旦那さんですが、「ああ、さくらの旦那さんはこの人しかいない」と思うくらい、素顔の吉沢さんはとても頼もしくて大らかで優しい方でした。そして、単純に楽しかった(笑)。すっごく寒い中での撮影でしたが、待ちに待った満開の桜の下でおんぶしてもらえて、単純に楽しかったです(笑)。

Q:逆にキツかったシーンはありますか?

キツいというか、ありとあらゆるシーンでかなりエネルギーを必要としました。大げさな喜怒哀楽だけではない感情を出さないと、この作品は成立しない。リアリティーがないと、監督が描きたいものと離れちゃうと思っていたので、撮影中は常に感情の総動員、みたいな感じでしたね。でも監督がすごく情熱のある方だったので、そのパワーで現場を引っ張ってくださいました。監督ご本人も役者をされているので、演じる側の気持ちをキャッチして寄り添うように演出してくださったのが、何よりありがたかったです。

まさかのラップ!?女優業との両立

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Q:音楽活動も始められましたが、ラップというのがすごく意外でした。女優業への影響はありますか?

すごくいい相乗効果を生んでいると思います。音楽を始めてから、お芝居をやるときに世界観が今まで以上に広がったり、今まで感じなかったアンテナが立ったり。逆に役者をやっていたからこそ、自分で作詞作曲ができたとも思います。よりいい形で世に出していけるように、これからも続けていきたいですね。

Q:役者さんとしていろいろな人生を疑似体験していることが、作詞作曲にひらめきを与えているのでしょうか?

それも大きいと思います。実はわたし、台本を文字ではなく映像にして覚えているんです。だから作曲するときも、映像を頼りにしています。その広がりを持てるのは、役者ならではなのかなって。音楽劇で共演したミュージシャンの方たちと話したときに、「それ、役者さん独特だね」みたいなことを言われて気が付きました。

Q:現在38歳の女性として、残りの30代の時間の過ごし方や、こんな40代を迎えたいと意識されることはありますか?

“ゼロ歳からの新たなスタート”という気がして、40代になるのがすごく楽しみです。30歳から始めたことが、今すごくいい影響を与えているからかもしれません。ただ、年上の方たちから「体力づくりをしておいたほうがいい」とは言われます(笑)。役者は見た目以上に体力勝負なので、気を付けていきたいです。

Q:30歳になったとき、何を始められたのでしょう?

趣味でバレエを始めました。こんなにできないことがあるんだと思い知らされ、恥ずかしさでアワアワしながらもレッスンに通い続けています。

Q:美容面でほかに気を付けていることはありますか?

ステキだと思う年上の方って、だいたい「楽しく生きていればいい」みたいなことをおっしゃるんですよ。やっぱりストレスって、いちばん美容によくない。もちろん睡眠や運動、身体にいい食べ物は大事だと思いますが、友だちとご飯を食べに行ったら、カロリーを気にせず好きな物を食べてお酒も飲む。「日焼けは気になるけどここは遊んじゃえ」と時にはハメをはずす。あまり自分を縛り過ぎずに、人生を楽しむことが肝心だと思います。役者って日常が演技に出るので、自分を甘やかしたり楽しませたり、かつ一緒にいる人も楽しませられるような時間を大事にしています。

取材・文: 柴田メグミ 写真: 尾藤能暢

記事制作 : シネマトゥデイ(外部サイト)

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