失言、失敗、大ブーイング…お騒がせだけど才能豊か!ベン&ケイシー・アフレック兄弟

コラム

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ベン・アフレック(左)、ケイシー・アフレック(右)
2016 HPA / Hutchins Photo/Newscom/Zeta Image

文=ロサンゼルス在住ライター 町田雪/Avanti Press

一言にハリウッドスターといっても、ハリウッドにおける立ち位置は様々だ。尊敬されたり、憧れられるタイプもあれば、イジられたり、不可解に思われがちなタイプも。本当の人柄は当然、身近にいる人にしか分からないものだが、作品で演じる役柄や、私生活でのスキャンダル、メディア対応や受賞スピーチなどから、各々のイメージやキャラが決まってくるというのは、どの社会にも言えることだろう。

そんななか、尊敬、憧れ、いじられ、不可解といった上記すべてのイメージを兼ね備えた、欲張りともいえる存在(本人たちが欲張っているわけではない)が、ベン&ケイシー・アフレック兄弟だ。特にここ最近は、2人が同時に、ときの人となっている。弟のケイシーは、主演作『マンチェスター・バイ・ザ・シー』の演技が高く評価され、第89回アカデミー賞の主演男優賞にノミネートされたばかり。受賞も最有力視されている。一方、兄のベンは、4本目の監督作『夜に生きる』が米公開となり、賛否両論ありながらも、注目を浴びている。ハリウッドにおける彼らは、一体どんな存在なのか?

才能と潜在能力を認めざるを得ない兄ベン・アフレック

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『夜に生きる』
2017年5月20日全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c) 2016 Warner Bros. All Rights Reserved.

まず、ベン。映画界で仕事をしている人と話すとき、彼の名前を出すと、たいてい皆、イタズラ顔で微笑する。具体的な事例は挙げなくとも、「『デアデビル』コケちゃったよね」「作品選びに失敗すること、よくあるよね」「ジェニファー・ロペスとの堂々熱愛で“ベニファー”って呼ばれていたよね」「『アルゴ』のアカデミー賞作品賞の受賞スピーチで、結婚を仕事に例える失言しちゃったよね」……というような珍トピックスが頭のなかを駆け巡っているのだろう。普通ならここで、軽いイメージが定着してしまうものだが、ベンの場合は違う。セレブ・オーラとは無縁の朴訥感の裏にある、フィルムメイカーとしての才能と潜在能力を、皆、認めざるを得ないのだ。

1997年に、幼なじみのマット・デイモンと執筆した『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』でアカデミー賞脚本賞を受賞。2007年には、監督デビュー作『ゴーン・ベイビー・ゴーン』で、サスペンスとヒューマン要素を併せ持つ独特のムードを演出。監督2作目の『ザ・タウン』でも期待を裏切らず、3作目の『アルゴ』では、エンタテインメント性も評価も最高級のヒットをたたき出し、アカデミー賞作品賞を手にした。現在公開中の監督4作目『夜に生きる』では、難しいギャングスター・ジャンルに挑戦。エル・ファニングやゾーイ・サルダナら女優陣の才能と魅力を最大限に引き出す術も、高く評価されている。『アルゴ』はジョージ―・クルーニーが、『夜に生きる』はレオナルド・ディカプリオが製作に名を連ねるなど、応援団も強力だ。

宝石のようにキラリと光る演技力を持つ弟ケイシー・アフレック

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『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
2017年5月シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー
配給:ビターズ・エンド/パルコ
(c)2016 K Films Manchester LLC. All Rights Reserved.

一方、弟のケイシーも負けてはいない。有名な兄に比べると、大分地味なイメージがあるが、その演技力は宝石のようだ。18歳で俳優を目指してロサンゼルスに移住し、ベンと親友デイモンと同居しながら、レストランで働き生計を立てていたというケイシー。07年に、ブラッド・ピット共演の『ジェシー・ジェームズの暗殺』でアカデミー賞助演男優賞にノミネート、同じころ、兄の監督デビュー作『ゴーン・ベイビー・ゴーン』でも光る演技を見せ、キャリアを昇華させた。

ところが、2010年に突然、俳優ホアキン・フェニックス(故リバー・フェニックスさんの弟で、ケイシーの元妻サマーの兄)の“奇行&俳優業引退&ヒップホップ・アーティスト転向”という不思議な行動を追った監督作『容疑者、ホアキン・フェニックス』を公開。実はこの内容はすべて、メディアやショービズ界、ファンの反応を見るためのフェイクだったのだが、イタズラの度が過ぎて、大ブーイングをくらってしまった。当時、筆者自身もドッキリしたが、ホアキンのキャラも相まって、信じ込んでいたことを覚えている。

こうして、やや業界を干された形になったケイシーに、助け舟を出したのが『マンチェスター・バイ・ザ・シー』で製作を務めている兄同様のデイモン。当初はデイモン主演で企画が進んでいたが、自分の役をケイシーに譲ったのだという。するといきなり、オスカー最有力候補なのだから、お騒がせだけれど才能豊か、と認めざるを得ないのだ。

とまあ、こんな立ち位置のアフレック兄弟。様々な逆境がありつつも、作品はもちろん、数々のインタビューなどからひしひしと伝わってくる2人の共通点は、「映画好きなんだなぁ」ということ。これからもきっと、作品の不発や何らかのスキャンダルに見舞われることがあるのだろうけれど、ベンの監督作とケイシーの出演作は欠かさず見たい、と思わせられる存在なのだ。

記事制作 : Avanti Press(外部サイト)

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