男子シンクロ、ジャズJK…今度は“家族サバイバル”!矢口史靖の創る「誰も見たことのない世界」

コラム

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(c)2017フジテレビジョン 東宝 電通 アルタミラピクチャーズ

2月11日公開の『サバイバルファミリー』は、ある日突然、電気が消滅してしまった世界を描くサバイバルムービー。ライフラインが完全に止まり、廃墟寸前となった東京を、ある家族が脱出します。想像もつかない、電気のない世界。日常のように見えながら“誰も見たことのない”矢口史靖監督の世界の一部を紹介します!

独特のスピード感で日常の中のスリルを描く矢口史靖監督

『ウォーターボーイズ』(2001年)で妻夫木聡や玉木宏をスターにし、『スウィングガールズ』(2004年)で新人の上野樹里を抜擢し、『ハッピーフライト』(2008年)でコメディエンヌ・綾瀬はるかを誕生させた矢口監督。 コミックや小説が原作の映画化作品が邦画界を占める中、オリジナル脚本で勝負し続ける稀有なヒットメーカーです。 大学時代から8ミリフィルムによる自主映画を撮り始め、1990年『雨女』が新人監督の登竜門であるぴあフィルムフェスティバルでグランプリを受賞。長編『裸足のピクニック』(1993年)で劇場監督デビューを果たします。 『裸足のピクニック』は、いたって平凡な女子高生・鈴木純子(芹沢砂織)が、ある日、借りた定期券でキセル乗車をしたことをきっかけに、ぐるぐると不幸の渦に巻きこまれていくというストーリー。祖母の死、衝突事故、祖母の遺骨紛失……まだまだ、これでもかと、不幸が猛スピードで追いかけてきます。火葬場で火傷とか、ブラックすぎる(笑)!

男子のシンクロ部!田舎のおちこぼれ女子高生が「ジャズやるべ!」

そんな怪作でデビューした矢口監督が描く世界から見えるのは、日常から急に突き抜ける非日常。その演出がとても小気味いいのです。 『ウォーターボーイズ』ではシンクロに打ち込む男子高校生、『スウィングガールズ』ではビッグバンドジャズに目覚めたド田舎の女子高生といったギャップの妙、また『ロボジー』(2012年)ではロボットの中身が老人…など、想像を超える設定ばかり。 『ウォーターボーイズ』は、主人公・鈴木智(妻夫木聡)一人しか部員のいなかった水泳部に、美人教師の恵(眞鍋かおり)がやってきた途端、部員が激増。学園祭に向け、泣く泣くシンクロナイズドスイミングをやるハメになりますが、妊娠した恵はあっさり休職。どうする、男子!

『スウィングガールズ』では鈴木友子(上野樹里)ら落ちこぼれグループが、炎天下の中、吹奏楽部に弁当を届けますが、食べた全員が食中毒に……。それが楽器を持つきっかけって、いずれも、あり得なそうでいて、起こり得るハプニング。友子たちがマツタケを採りにいった山でイノシシに追いかけられ、ルイ・アームストロングの名曲「この素晴らしき世界」が流れるシーンなど、日常からはみ出す瞬間は、見ていてワクワクします!

生き残れ、鈴木一家!!

小日向さん500

さて、『サバイバルファミリー』の主人公は、小日向文世演じる鈴木義之。お気づきになりましたか? そう、矢口作品の主人公はみんな“鈴木”なのです。 亭主関白だけどダメおやじの父・義之、天然の母・光恵(深津絵里)。ある日、突然、電気が使えなくなり、すべてのライフラインが停止し、東京は大混乱。マンション住まいの鈴木一家は、東京を脱出することを決意しますが、当然、電車もバスも飛行機も使えません。サバイバル能力ゼロの平凡な家族は、この世界で生き延びられるのでしょうか? 矢口作品の中でも新感覚といえる本作。今の時代だからこそ観るべきともいえる、矢口流のサバイバルムービーです!

(文/三浦順子@H14)

記事制作 : H14

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