ライアン・ゴズリング、珍しくヘタレ三枚目役で笑いを誘う『ナイスガイズ!』

コラム

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(c)2016 NICE GUYS, LLC

今年のアカデミー賞大本命という話題で持ちきりになっているライアン・ゴズリング主演の『ラ・ラ・ランド』(2月24日公開)。昨年から世界各国で映画賞にノミネートされ、日本でも大きな反響が期待されていますが、その前に公開されるライアン出演の『ナイスガイズ!』(2月18日公開)も見逃せません!今作は、シングルファーザーの私立探偵役でいつになくコミカルなライアンを楽しめる、至極の“アクション・エンターテイメント”になっています。

“笑い”を生む演技力

『ナイスガイズ!』の舞台は77年の米・ロサンゼルス。70年代に盛んだったアメリカのポルノ産業や自動車産業など、当時の時代背景も色濃くストーリーに絡んできます。私立探偵・マーチ(ライアン・ゴズリング)は、もめごとを解決する示談屋ヒーリー(ラッセル・クロウ)に強引に相棒にされ、失踪した少女の行方を追うことに。マーチの13歳の娘・ホリーも加わって、1本の映画にまつわる不審死事件の捜査を進めるうちに、やがて国家を揺るがす巨大な陰謀へと巻き込まれていきます。

ライアンは、多くを語らずとも表情の豊かさでストーリーに説得力をもたらす演技派俳優。愛する人のために狂暴性を見せた『ドライヴ』や、女性と恋愛ができずリアルドールを彼女にする内向的な青年を演じた『ラースと、その彼女』など、幅広い役を演じてきました。

この『ナイスガイズ!』では、その演技力がユーモラスな方向で全開に!唐突に見つけた死体に驚き女の子のように恐れおののく微かな声を出したり、ホテルの上階から突き落とされていく人を見て、頬っぺたをブルブル震わせてビビる様子など、とても細やか。声色や顔のパーツの動かし方など、オーバーリアクションを取らずとも、体の細部を使ってマーチの心情を訴えてきます。このようなライアンの繊細な動きも手伝って、悲惨な殺人や騒動が起こる中で恐怖だけの映像には留まらず、息抜きできるような笑いも同時に生み出されています。

マーチのコミカルさを際立たせる2人の存在

ライアン演じるマーチのコミカルさが際立ったのは、やはり相棒のヒーリーを演じたラッセル・クロウと、しっかりものの娘・ホリー役を演じたアンガーリー・ライスの光る存在があったからこそ。厄介ごとを腕っぷしの強さで解消してきたヒーリーを演じるに当たり、ラッセルはちょっと頼りないマーチとの対照的な姿を際立たせるために、敢えて体重を増加させて役に挑んだそう。ときに無鉄砲な動きをするマーチを的確に援護するヒーリーの動きには、『ロビン・フッド』や『グラディエーター』などでもアクションをこなしてきたラッセルの熟練した安心感があります。

アンガーリー・ライスは、へたれパパ・マーチを健気にサポート。『キック・アス』などで知られる幼き日のクロエ・グレース・モレッツのような聡明さと可憐さを兼ね備えており、『スパイダーマン:ホームカミング』(8月11日公開)や若手女優をブレイクさせてきているソフィア・コッポラ監督の新作『The Beguiled(原題)』など出演作が控えている注目の若手女優です。

三枚目っぷりを『ナイスガイズ!』で大いに発揮したライアンは、アメリカの人気テレビ「ディズニー・チャンネル」のバラエティー番組に子役として出演していた経歴の持ち主。歌手のブリトニー・スピアーズや歌手・俳優のジャスティン・ティンバーレイクらと共演していたという華麗な過去があります。歌にダンスにコントまでこなしていた子役時代からの積み重ねがあったからこそ、役者としてのオールマイティーな能力が培われたのかもしれません。

『ラ・ラ・ランド』では、伝説のダンサー=フレッド・アステアばりに華麗なダンスを見せているようですが、『ナイスガイズ!』でおもいっきり笑わせてくれるコミカルなライアンの魅力もぜひ楽しんでください!

(文/岩木理恵@HEW)

記事制作 : HEW

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