『もっと猟奇的な彼女』2017年2月18日公開 配給:ハーク

こんな子にふり回されたい!“猟奇的”な女性キャラクターたち

コラム

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14年前に日本でも公開され大ヒットした韓国映画『猟奇的な彼女』(2001年)。この作品のヒットをきっかけに「猟奇的」という言葉が、同作における「かわいらしい・いたずらじみた」という意味で浸透し、“凶暴でタフで、男をふり回すけど、かわいらしくて憎めない”女性を例えた言葉として流行しました。

その名を冠した続編『もっと猟奇的な彼女』(2月18日公開)では前作に続きチャ・テヒョン演じる主人公の男性キョヌが登場。韓国のガールズグループ「f(x)」のビクトリア扮する凶暴な“彼女”に、過激なお仕置きや毎日の無茶ぶりをされ、パワーアップした猟奇っぷりにふり回されています。そんな“彼女”ですがプロポーション抜群で美人な上に、キョヌのために一生懸命。こんな子にならふり回されてもいいかも!? と思ってしまう魅力的なヒロインです。

こうした凶暴だけどカワイイ“猟奇的”ヒロインが、最近またジワジワと映画に登場しているような気がします。“草食系男子”という言葉が定着し、男性が受け身になっていると言われる昨今だからこそ、こうした女性が映画のストーリー的にも、案外男性の理想的にも強く求められているのかもしれません。

『スーサイド・スクワッド』:悪党も振り回す小悪魔

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ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント SUICIDE SQUAD and all related characters and elements are trademarks of and
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例えば、昨年公開の『スーサイド・スクワッド』(2016年)のハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)もその一人ではないでしょうか。

アブなくて、怖くて、イカついDCコミックスの悪役オールスターの中に唯一、キュートでセクシーな姿で異彩を放つ彼女。その見た目とは裏腹に、悪役の超大物ジョーカー(ジャレッド・レト)の恋人で、その小悪魔的な色香に惑わされた男は下手すると徹底的にボコられて病院送りとなるガチでヤバい系。奔放な言動で名だたる悪党たちのこともふり回します。 それでもピンチな場面で時折見せるドジっ子的な仕草や、ジョーカーに絶対の信頼をおき、命がけで愛を誓う姿はとっても愛おしく、憎めない魅力を放っています。

『キック・アス』:放送禁止用語連発!! 11歳正義のヒロイン

一方、正義のヒロインにも“猟奇的”な女の子がいました。『キック・アス』(2010年)でヒーローのコスチュームに身を包み、街の悪人たちを退治する11歳の超おてんば女子、ヒット・ガール。演じるのは「世界の美しい顔100人」にも選ばれたことのあるクロエ・グレース・モレッツです。何の特殊能力もとりえもないオタク少年デイヴ・リゼウスキ(アーロン・ジョンソン)と一緒に、放送禁止級の罵詈雑言を繰り出しながら、なぎなたや2丁拳銃で容赦なく悪人たちを倒していくさまは痛快でありながら、R指定がかかってしまう程です。

勇猛果敢過ぎる行動にデイヴは翻弄されるのですが、父ビッグ・ダディ(ニコラス・ケイジ)とは「パパは世界中で一番やさしい」と話す程大の仲良し。パパ大好きな彼女の行動から見える健気な部分には、自分も殴られてもいいから尽くされたいな……などと、ゆがんだ感覚で思わず惹かれてしまうこと間違いなしです。

『地獄でなぜ悪い』:日本刀を振り回す組長の娘

日本映画の猟奇的なヒロインを探してみると、園子温監督の『地獄でなぜ悪い』(2013年)の武藤ミツコ(二階堂ふみ)がかなりキています。

もともと、獄中にいる妻の夢をかなえるためにヤクザの組長が自主制作映画を撮るという物語自体がユニークですが、その自主制作映画の主演である組長の娘がミツコです。偶然ミツコと出会って巻き込まれただけの橋本公次(星野源)は、ミツコのあるお願いを引き受けたばかりに、ヤクザに囲まれ無理やり映画を撮らされるという地獄のような状況に突き落とされ、命の危険にさらされます。

しかし、ホットパンツに谷間の大きく開いたセクシーな姿で日本刀を振り回し、返り血を浴びながらバッタバッタと敵を切り倒していく姿は恐ろしいながらも色気とかっこよさを感じます。妖艶でドSな彼女にお願いをされたら、ヤバそうな匂いがしてもとりあえず二つ返事でOKしてしまうでしょう。

彼女の他にも、今年8月公開予定の『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』に登場する山岸由花子(小松菜奈)は、原作では広瀬康一(神木隆之介)への一途過ぎる愛ゆえに彼や主人公・東方丈助(山﨑賢人)をふり回すヤバい女の子。映画でもその猟奇っぷりに触れることができるかも知れません。こうして見ると、この先日本映画でも、猟奇的なヒロインたちの登場が期待できるのではないでしょうか。

こうした“彼女”たちに共通するのは、実はどこまでもピュアでいて、そのピュアさ(と美貌)ゆえに振り回される男がいること。そんな男たちに自分を重ね合わせ、痛いけど気持ちいい恋を疑似体験する――なんて人が増えてきているのかもしれません。かわいい女性にふり回されてみたい願望を、映画で「安全に」味わってみてはいかがでしょう。

(文/山下光太郎・サンクレイオ翼)

記事制作 : サンクレイオ翼