結婚が罪となり“逮捕”され…そんな状況、本当にあったんです!

コラム

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映画のジャンルで特に好きなのがラブストーリーで、相当な数の作品を見てきた。ロマンチックな純愛系、叶わぬ悲恋系、障がいを乗り越えて結ばれる運命系……本当にさまざまなタイプがあるが、たとえ非現実的なものであっても、根底にあるのは“愛”なのでだいたいは共感できる(のではないかと思う)。それがラブストーリーのいいところでもある。最近観たなかで、私も彼らのように愛を貫きたい! と感動したのは、実話をもとにした『ラビング 愛という名前のふたり』という映画だ。

物語の舞台は1950年代のアメリカ、バージニア州。レンガ職人のリチャード・ラビング(ジョエル・エドガートン)は恋人のミルドレッド(ルース・ネッガ)と結婚するため、黒人と白人の結婚が許されているワシントンD.C.で手続きをして、2人で新しい人生をスタートさせる。けれど異人種間の結婚が法律で禁止されている地元バージニア州で、その結婚は“罪”とされ、逮捕──。離婚をするか、それとも生まれ故郷を捨てるか、苦しい決断を迫られる。彼らがどうやって夫婦であり続けたのか、また彼らのどんな行動がバージニア州の法律を変えることになったのかが描かれる、とても純粋なラブストーリーだ。

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何に感動するかって、どんなことがあっても2人の愛が揺るがないことだ。いきなり夜中に家にやってきて逮捕されることは現代の日本では到底考えられない。そしてあんなふうに逮捕され社会的に非難されたら、多少なりとも「私たちの結婚は間違っていたの?」と思ってしまうだろう。けれど2人の愛は変わることはなく、特にリチャードのミルドレッドへの愛情が深すぎて泣けてくる。リチャードはどちらかというと寡黙で真面目、傍からみたらちょっぴり無愛想。けれどミルドレッドの妊娠が発覚してすぐに結婚を決め、逮捕されても「俺はお前を絶対に守る」と誓い、「俺は妻を愛している」と公衆の面前で言える、なんて男らしい! 愛する人と一緒にいることがなぜ罪なのか? 理不尽な社会に対して怒りを覚えるのだけれど、怒りすら吸い込んでしまう愛が2人にはあって。そして実話だというのだから、その愛を羨ましく思うし尊敬してしまう。

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この映画を観て、これまでの自分の価値観が大きく変わった。生きていくためには愛も大事だけれど仕事も大事、家族のためにも男は仕事が一番であってもいいと思っていたが、この映画を観て、そうじゃない、家族あってこそ愛する人がいてこその人生なのだと──。こんなにシンプルで当たり前のことをどうして気づかなかったのかと、心を打たれた。もうひとつ、ラビング夫婦から学んだのは、誰かのせいにしたり言い訳をしたりしないことだ。他人に決められたことではない、自分たちが選択した人生と愛であるのだから、その人生と愛を生きるだけなのだと。本当に羨ましい夫婦、憧れる夫婦だ。

文・新谷里映

(C)2016 Big Beach, LLC. All Rights Reserved.
3月3日(金)TOHOシネマズ シャンテ他全国順次ロードsジョー
配給:ギャガ

記事制作 : 新谷里映

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