シリーズ降板・復帰が左右!? 『トリプルX』ヴィン・ディーゼルの“浮き沈み”映画人生

コラム

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『トリプルX:再起動』2月24日(金)より全国ロードショー!-(C)2016 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

ヴィン・ディーゼル主演の『トリプルX:再起動』(2月24日公開)が、日本公開に先駆け世界55カ国で公開。なんと北米週末3日間のオープニング興行収入で約7,050万ドルを記録し、全世界興行収入No1の大ヒットとなった。

う~ん、返り咲いたよなぁ、ヴィン・ディーゼル……。

大暴れして浮上した『トリプルX』

彼がアクションスターへの扉を開いたのは、2001年の『ワイルド・スピード』。ストリート・カーレースに大金をかけて集まる若者たちのリーダーのドミニク(ディーゼル)と、凄腕ドライバーとしてドミニクに近づく潜入捜査官ブライアン(ポール・ウォーカー)が主人公。企画スタート時は、イケメン俳優ウォーカーの人気に当て込んで作られた作品だったが、ふたを開ければディーゼルに若い男性ファンが殺到。加えて、スピーディーなレース・シーンと続々登場するスーパーカーに、世界中の車好きは狂喜乱舞したのだった。

この作品で注目を集めたディーゼルは、翌年には自らが製作総指揮も務めて『トリプルX』(2002年)を生み出している。今度は堂々の単独主演で、エクストリーム・スポーツの達人にしてアメリカ国家安全保障局のエージェントになるというスーパーな男に扮して大暴れ。一気にブレイクしたのだが……。

『リディック』からの緩やかな沈下

ここで、役者なら誰しも考える“イメージの固定化を避ける”あるいは“他ジャンルへの挑戦”という欲が出た。2000年にスマッシュ・ヒットしていた『ピッチブラック』の続編『リディック』(2004年)。当時は「スター・ウォーズ」シリーズに次ぐSF大作と鳴り物入りだっただけに、これで文字通りの大スターになる予定だった。しかし、残念ながら評判はイマイチ。ワイルドで、セクシーで、しかも悪の匂いも漂わせるディーゼルの魅力は不発に終わり、人気も尻すぼみの感あり。

実は、『リディック』公開当時、取材でディーゼルに会っている。彼自身はとてもフレンドリーで、失礼ながら予想に反してとても知的で、ビジネスマン的な資質もありそうだった。ただし、エージェントが、何が何でも大スター扱いをしていたのが気になった。正直、「ブラッド・ピットやトム・クルーズでもあるまいし、それほどじゃないだろ?」と違和感を感じるほどだった。なので、もしかしてこのまま“時の人”で終わるかも?とも懸念していたのだが……。

舞台監督の養父の影響で小さい頃からの俳優志願だし、ディーゼル自身が監督・音楽・主演を務めた製作費3,000ドルの超低予算映画『Multi-Facial』(1994年)がスティーヴン・スピルバーグ監督の目に留まり、『プライベート・ライアン』(1998年)に起用されたという、いわば“スピールバーグの申し子”。急激にアクションスターとして脚光を浴びたけれど、簡単にフェイドアウトはしないだけの才能も頭脳もあったのだ。

『ワイルド・スピード』での再浮上

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キャリアの低迷を察知した彼は、一度離脱した「ワイルド・スピード」シリーズに復帰。第3作ではカメオ出演ながら、第4作の『ワイルド・スピード MAX』(2009年)からは堂々の主役、ばかりか『ワイルド・スピード MEGA MAX』(2011年)から4月公開の第8作『ワイルド・スピード ICE BREAK』(2017年)まで、主演はもとより製作総指揮も務めてキャリアを活性化させた。

その上で13年前のヒット作『トリプルX』を、シリーズ第3弾『トリプルX:再起動』として蘇らせたのだった。3作目というのは、実はディーゼル、この作品も2作目を降板していて、アイス・キューブ主演の『トリプルX ネクスト・レベル』(2005年)として制作・全米公開されたけど、成績はイマイチ……。そういう経緯からも、まさに再起動。まさに返り咲き。本当に帰る場所があって良かった。

というわけで浮き沈みはあっても、けっして沈まないヴィン・ディーゼル。俳優としてのワザもさることながら、自己プロデュースに長けたビジネスマンでもあるディーゼル。侮るべからず! 

(文/金子裕子・サンクレイオ翼)

記事制作 : サンクレイオ翼