映画『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』は3月18日より全国公開

『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』高畑充希 インタビュー

インタビュー

  • twitter
  • facebook
  • はてなブログ
  • google+
  • LINEで送る

高畑充希として歌うことに苦手意識

唯一の特技は昼寝という平凡な女子高生の森川ココネが、夢と現実を行き来する冒険へと駆り立てられる神山健治監督、初の劇場オリジナルアニメーション。のんびりとした岡山弁でココネの声を柔らかく演じた高畑充希が、声の演技について語る。

ココネは猪突猛進な女子高生

Q:ディズニーによる実写映画『シンデレラ』の日本語吹き替え版でのヒロインに続き、アニメでの声の演技はいかがでしたか?

『シンデレラ』のときは、「王子様、素敵!」と思いながら声をあてていました(笑)。でも今回はアニメーションがかなり未完成の状態で声を入れるという、初心者の私にはドキドキのチャレンジがありました。未完成の画の中にもキャラクターのヒントは沢山ありましたが、画というよりは線! くらいで難しかったです。セリフを言う時間、秒数はカウントに沿ってなのですが、画が完成していない分、自由にしゃべらせていただきました

Q:脚本を読んだ印象は?

脚本を読み込むには想像力や妄想力がかなり必要でした。ト書きが多くて、出来上がってみるまで想像で補いきれなくて。だから自分で、こうしよう! と細かいところまで決め込まず、まずは現場へ行ってやってみようと思いました。岡山弁も慣れていないし、現場でセリフが若者言葉に変わることも多かったので。私自身は大阪出身なのですが、岡山弁って大阪弁と近い部分もあったり、全然違ったり。かなり翻弄されました。方言指導の先生がついてくださって、その場での“耳コピ”で頑張りました。

Q:森川ココネは自ら行動する女の子ですが、柔らかいしゃべり方でしたね?

そうですね。ココネには抜けているところがあって、そこがカワイイんですけど、強い女の子でもあります。猪突猛進で、ともすればワガママな女の子に見えてしまうこともあるかもしれない。そんなココネに観客の方が置いてきぼりにならないよう、ちょっとのんびりした感じが出るといいな、と思いながらやりました。岡山弁は濁音も多いので、方言も少し柔らかめに話すようにしました。

ココネとして主題歌も担当

 

Q:神山健治監督の演出はいかがでしたか?

自分の声にはちょっと癖があると思っていたので、これほどの大役をいただけたことに驚きました。でも、とても自由にやらせていただいて。もちろん監督の中で、ここは譲れないという部分についてはピンポイントで教えてくださったのですが、見られているというより、見守られているという感覚でした。

Q:主題歌である「デイ・ドリーム・ビリーバー」は、故・忌野清志郎さんがZERRY名義で米バンドモンキーズの原曲に日本語歌詞を付けた名曲ですが、今回ご自身が歌われた感想は?

やはり清志郎さんの素敵なイメージが未だに鮮やかで、カバーするのには勇気がいる曲だと思いましたし、私で大丈夫かなという不安な気持ちはありました。 でも改めてこの曲を聴くと、母親に向けた歌詞だということがわかって、まさにココネの曲だ! と思いました。しかもそれをココネとして歌うなら、映画の余韻そのままに聴いていただける気がして、ステキだと思いました。もしも高畑充希として忌野清志郎さんがボーカルを務めた曲をカバーするとしたら逃げたくなっちゃっていたかもしれませんが、役としてなら勇気が出るぞ、と(笑)

Q:ココネ名義で歌うにあたり、声の出し方を意識的に変えたのでしょうか?

ココネのときも柔らかさを意識したのですが、ものすごく声を作り込んだわけではないです。歌うときは歌詞の内容を考えながら歌いますが、声の出し方にココネらしさを意識したというより、歌詞に“彼女”という言葉が入ってきたとき、ココネのお母さんを思い浮かべていました。ラブソングとしても成立しているけど、「お母さんとずっと暮らしてきたけど、もういない。“彼女”はクイーンだ」という歌とも取れるので、これをココネとして、最後に歌えたことを幸せに思います。

主演初心者として

Q:NHKの連続テレビ小説「とと姉ちゃん」を経て、自身を取り巻く環境の変化をどのように感じていますか?

環境のあまりに目まぐるしい変化に、どうしよう? どうしよう!? という焦りのような感覚がありましたが、やっと落ち着いてきました。気持ちがまだ追いついていませんが、もうちょっとで楽しくなってくる気がします。デビューしたときくらいの戸惑い具合で、まさに“主演初心者”という感じ。主人公が突っ走る作品もありますが、主演って受け手に回ることが増えると思うんです。主演だけがドシっと座っていないとブレちゃう物語もありますし、そうしたときは発散できないから苦しいのですが、物語を成立させるには必要なことだと思っています。もともと主演願望がそれほど大きくないので、いまだに自分の状況に対して、本当に!? と驚いています(笑)。主演でもそうでなくても、どっちも出来るのが理想です。

取材・文: 浅見祥子 写真: 奥山智明

記事制作 : シネマトゥデイ(外部サイト)