(c)「山田孝之のカンヌ映画祭」製作委員会

山田孝之がカンヌを目指す!カンヌを受賞した“先輩”たちの作品って?

コラム

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2017年1月よりテレビ東京他系にて、毎週金曜深夜に放送されているドキュメンタリードラマ「山田孝之のカンヌ映画祭」。タイトルを見てお分かりかもしれませんが、あの実力派俳優・山田孝之の冠番組です。

ざっと内容を説明すると……。2016年の夏、山田孝之は映画監督の山下敦弘を呼び出し、世界最高峰の映画祭・カンヌ映画祭で賞を取りたいと告げます。この奇想天外な思いつきに面食らう山下監督。しかし、山田孝之の強い意志に圧されるように、彼はこのプロジェクトに巻き込まれていきます。そこに主演に抜擢された天才子役の芦田愛菜も加わり、3人でカンヌに向けた映画『穢の森』の製作をスタートするのです。

はっきり言って、プロデューサーである山田孝之が言っていることはムチャクチャのように思えます。しかし、その狂気にも近い想いは、不思議と様々な人たちを動かしていきます。
まだ脚本も何もない段階で撮られた『穢の森』のパイロットフィルムを持って映画配給会社をまわり、出資してくれと頼む山田孝之。各社に断られた結果、映画とは何も関係もないガールズバーのオーナーがスポンサーになりました。脚本を書くためにカンヌの現地へ飛んだり、カンヌ受賞者である河瀨直美監督に会いに行ったり。第7話(2月17日放送回)までは、カンヌで賞を取るための映画製作とは何か、迷いながらも答えを掴もうとする山田孝之の姿が描かれていました。

しかし、クランクイン間近となった第8話(2月24日放送回)からは、展開が一気に早まります。山田孝之は『穢の森』の脚本の代わりに、奇才の漫画家・長尾謙一郎が描いた絵を絵コンテ的に使用することを決定。主要キャストの一人をオーディションで、しかも過去に犯罪を冒した役どころだからと、素人の前科者を集めたいと言い出して周囲を戸惑わせ、一方で芦田愛菜の父親役として村上淳をキャスティングしていました。しかし、その後なぜか村上淳の役柄が「木」に変更されるわけですが……。

そしてついに、ヌードやベッドシーンも有る難しい母親役に、第1話からナレーターを務めていた長澤まさみが登場。現在、放送されているのはここまでとなります。(2017年3月3日現在)
まだまだ先の読めない『山田孝之のカンヌ映画祭』。そこで今回は、このドラマが目指すところである、カンヌ映画祭で実際に賞を授賞した邦画作品を特集したいと思います。

『誰も知らない』(最優秀男優賞/是枝裕和監督)

2004年のカンヌ映画祭で、この作品は最優秀男優賞を授賞しました。主演の柳楽優弥は、史上最年少であることに加え、日本人として初めての授賞。審査委員長だったクエンティン・タランティーノは、「個人的には、彼の表情が一番印象深かった。毎日多くの映画を見たが、最後まで印象に残ったのは彼の顔だった」と授賞理由についてコメントしています。ただ、柳楽優弥は学校の定期試験により授賞式の前にすでに帰国。監督の是枝が代理で出席していました。ちなみに、山田孝之の『穢の森』は、この作品と同じカメラマンが撮影しています。

『殯(もがり)の森』(河瀬直美監督/審査員特別グランプリ)

番組にも登場した河瀨直美監督は、2007年に『殯(もがり)の森』で最高賞パルム・ドールに次ぐ、審査員特別大賞「グランプリ」を受賞しています。これはコンペティション部門に日本からノミネートされた唯一の作品で、上映後には「5分間のスタンディングオベーション」があったと報道されています。番組の中で河瀨監督は、山田孝之に「本当にカンヌに行きたいならまず私の作品に出演してみない?」と誘います。実際に山田孝之は河瀨監督の映画に出演し、それによって『穢の森』の制作手法を自分なりに見出していました。

『トウキョウソナタ』(黒沢清監督/ある視点部門 審査員賞)

2008年のカンヌ映画祭で、ある視点部門の審査員賞を授賞したのが黒沢清監督の『トウキョウソナタ』。日本・オランダ・香港の合作映画です。東京に住む平凡な4人家族が、それぞれの悩みや葛藤を抱えながら絆を少しずつ深めていく、家族の生き方を描いており、黒沢監督の得意とするホラーとは違う日常ホームドラマとなっています。今作は『穢の森』同様、家族の破滅がテーマですが、ラストでははっきりと再生への糸口が提示されおり、黒沢監督作品としては救いのある内容になっています。

『淵に立つ』(深田晃司監督/ある視点部門 審査員賞)

2016年のカンヌ映画祭で、日本映画としては『トウキョウソナタ』以来8年ぶりにカンヌで授賞を果たした『淵に立つ』。ごく普通の家族が、一人の男の登場によって崩壊していく様を描いた作品ですが、この企画は深田監督が10年近く温めていたものだったとか。世界が日本の家族映画に抱いていたイメージを一新させたともいえる今作。『穢の森』で山田孝之が描こうとしているものも崩壊した家族ですが、今作以上のインパクトをカンヌに残すことはできるのでしょうか……。

番組はクライマックスに向かい始めました。山田孝之は本当にカンヌに行けるのでしょうか。というか、本当にこの映画が完成するのでしょうか。このドラマは、いったいどんな結末を迎えるのでしょうか。最後まで目が離せません。

(文/もちづき千代子@H14)

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(c)「山田孝之のカンヌ映画祭」製作委員会

記事制作 : H14

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