深夜ドラマの代名詞が、一気にメジャーシーンに躍り出た!? 深夜枠で「勇者ヨシヒコ」シリーズを始めとした名コメディドラマを送り出してきた福田雄一監督が、今年は日本テレビ系の土曜ドラマ枠(土曜21時~)で放送された「スーパーサラリーマン左江内氏」で脚本・演出を担当した他、『銀魂』に『斉木楠雄のΨ難』と大人気漫画の実写映画を2本も手がけます。

「左江内氏」、ラスト2話で有終の美

福田監督は、深夜ドラマ好きからすれば巨匠と言える存在でしょう。「勇者ヨシヒコ」シリーズに「コドモ警察」、「アオイホノオ」といった名ドラマを送り出し、映画『HK 変態仮面』シリーズの監督・脚本も担当。万人ウケはしないかもしれないけれど、ハマる人はどこまでもハマるというタイプの笑いを生み出してきました。

しかし、そんな福田監督が2017年はメジャーシーンで大活躍します。まず3月18日に最終回を迎えたドラマ「スーパーサラリーマン左江内氏」では、脚本・演出を手がけました。こちらは、堤真一演じる中年サラリーマンの左江内が、ひょんなことから正義の味方を引き受けるコメディドラマ。第9話・第10話とラスト2話で平均視聴率10%超えを果たし、有終の美を飾りました(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。

新井浩文が“クオリティ高すぎ”ケツアゴに変貌!?

さらに福田監督は、脚本・監督を務めた映画『銀魂』(7月14日公開)と『斉木楠雄のΨ難』(10月21日公開)の公開も控えています。どちらも大人気漫画の実写映画化ということで、公開前から話題をよんでいますが、注目の的となったのは、なんといってもキャスト陣のビジュアルです!

人気漫画が実写化すると、ロングヘアのキャラクターがショートヘアになっていたり、黒髪のキャラクターが茶髪になっていたり、原作からビジュアルの設定変更が起こることは珍しくありません。『銀魂』も『斉木楠雄のΨ難』も主要キャラクターのビジュアルが、すでに解禁されていますが、どちらも原作を忠実に再現しているのがすごい!

とくに話題をよんだのが、『斉木楠雄のΨ難』の燃堂力です。燃堂は、金髪×黒のモヒカン頭に、顔にはキズ、ヒゲ、そして見事なケツアゴという、いかにもギャグ漫画!という見た目をしたキャラクターなのですが、それに起用されたのが新井浩文です。髪型やヒゲ、キズに加えて、ケツアゴまで特殊メイクで見事に再現してみせて、ネット上では、「クオリティ高すぎ」という絶賛が相次ぎました。

橋本環奈が鼻クソほじる!?

人気漫画の実写化を嫌う漫画好きがなぜ多いかというと、先述の通り、原作からの設定改変が珍しいことではないから。原作ファンからするとどうしても、キャストやクリエイターの都合を優先させたように見えるため、「人気作品をダシに使った」という悪印象が残るのでしょう。

しかし、福田監督は、ビジュアル面で原作に忠実です。その点だけでも原作ファンはだいぶ安心できますが、『銀魂』も『斉木楠雄のΨ難』もどちらも登場人物たちの掛け合いが魅力のギャグ漫画。となると、福田監督の得意分野じゃないですか!

『銀魂』はすでに特報映像なども公開されていますが、メインキャラクターを演じる小栗旬(坂田銀時役)と菅田将暉(志村新八役)、橋本環奈(神楽役)の3人が、やや下ネタっぽい振付の“銀魂音頭”をゆる~く踊るものもあり、このぶんなら本編でも、原作の少々子供には見せにくい世界観を再現してくれそうだと期待が高まります。

また、橋本演じる神楽は、ヒロインでありながら普通に鼻クソをほじったり、その場で吐き出すようなキャラクター。そのためトップアイドルである橋本が演じる上で設定変更があるのではないかと不安視されましたが、橋本自身が「もちろん神楽ならではの『鼻ホジ』や『ゲ〇吐き』シーンも……」とアピールしています。

“原作の再現”דクリエイターの個性”

もともと映画『銀魂』は、原作者の空知英秋氏が実写化に乗り気じゃなかったものの、「福田雄一ならできるんじゃないか」と名前を挙げたことで制作決定したと、複数メディアで明かされています。となると、原作ファンもむやみに反対するわけにはいきませんよね。

原作の世界観を守っているものの、佐藤二朗とムロツヨシ、安田顕たち福田組常連の俳優もしっかり出演しているのがニクイところ。とくに佐藤とムロは『斉木楠雄のΨ難』への出演も発表済み。“原作の再現”と“クリエイターの個性を出す”の両方が叶っているあたり、『銀魂』も『斉木楠雄のΨ難』も理想の実写化と言えそうです。

しかし、福田監督がこれだけの大仕事をバンバンこなすようになるとは……。いずれは「福田雄一って昔、深夜ドラマで有名だったんだよ」と言ったら驚かれる存在になりそうです。それはそれで寂しいのでジレンマ……!

(文/原田美紗@HEW)