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予期せぬ事態、訪れる絶望……。衝撃的な実話をもとにした事故・災害映画

コラム

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海洋で発生した史上最大級の環境事故!『バーニング・オーシャン』(2017年)

事故や災害といった突然の異常事態に立ち向かう人々を描いた映画の中には、実話に基づいた作品が少なくありません。4月21日(金)から公開される『バーニング・オーシャン』もそのひとつ。“史上最大級の環境事故”と言われる「2010年メキシコ湾原油流出事故」の映画化です。
2010年4月20日、メキシコ湾で作業中だったBP社の石油掘削施設“ディープウォーター・ホライズン”で爆発事故が発生。この事故で11名の作業員が死亡。大量の原油が流出し、自然環境や漁業者、沿岸住民の生活にも甚大な被害を与えました。事故当日、現場ではいったい何が起きていたのか? 映画では、突然の惨事に巻き込まれながらも被害を最小限に抑えるため果敢に行動し、決死の脱出を図る作業員たちの姿を通して、その真相に迫っています。
出演者には、マーク・ウォールバーグ、カート・ラッセル、ジョン・マルコヴィッチ、ケイト・ハドソンといった実力派に加え、『メイズ・ランナー』シリーズでブレイクしたディラン・オブライエンなどの若手注目株も集結。そうそうたる面々の熱演と、先日のアカデミー賞で「音響編集賞」と「視覚効果賞」にノミネートされた臨場感あふれるVFXが、事故がいかに大規模で凄惨であったかをリアルに再現。大スクリーンでの鑑賞にピッタリの海洋ディザスター大作です。

時と場所を選ばずに降りかかる予期せぬ事態。『バーニング・オーシャン』の作業員たちにとっても、その日はいつもと変わらない一日だったはず。そこで今回は、様々なケースで発生した絶望的な事故・災害と、その映像化作品をご紹介します(年度は日本公開時)。

上空850メートルでエンジントラブル発生!『ハドソン川の奇跡』(2016年)

2009年1月15日。アメリカはマンハッタン上空で旅客機「USエアウェイズ1549便」がエンジントラブルを起こし、ハドソン川に不時着水しました。
数ある交通機関の中でも、飛行機は事故に遭う確率が低い“安全な乗り物”と言われています。しかし飛行中に万が一のアクシデントが発生した場合……筆者は最悪のケースしか考えられません。着水時の衝撃で機体がバラバラになる可能性もあります。このときの乗客も絶望に包まれたのではないでしょうか。しかし、機長のチェズレイ・サレンバーガー氏の的確な判断と指示、確かな技術により、乗客・乗員155名が全員無事に生還したのです。
この出来事は「ハドソン川の奇跡」と呼ばれ、2016年には監督クリント・イーストウッド、主演トム・ハンクスで映画化されました。英雄として様々な表彰を受けたサレンバーガー氏ですが、物語では英雄から一転、容疑者として扱われてしまいます。いったい、なぜ? そこには決して英雄譚だけではなかった機長たちの知られざる物語が描かれています。

33人が地下700メートルに閉じ込められた!『チリ33人 希望の軌跡』(2016年)

2010年8月5日にチリのコピアポ鉱山で大規模な落盤事故が発生。地下700メートルの坑道内に33名の作業員が閉じ込められました。69日後に全員が救出され、奇跡の生還劇として日本でも大々的に報道されましたが、驚くべきは、作業員の生存が確認されて救援物資が送られ始めたのが、事故発生から17日後だということ。それまで彼らは、緊急時用に残されていた2~3日分の食料を分け合い、自力で生き延びていたのです。
しかも坑道内は気温35度、湿度80%以上という劣悪な環境。それでも現場監督のルイス・アルベルト・ウルスア氏を始めとする33名は「絶対に助かる」と結束を強め、一人も欠けることなく地上に戻ってきました。
世界中が注目したこの救出劇は数々のメディアで取り上げられ、『チリ33人 希望の軌跡』として映画化されました。地下深くに閉じ込められた作業員たちと、彼らを救おうとする地上の人々、ふたつの視点でその全貌が語られています。

山の断崖で身動きが取れないまま127時間……!『127時間』(2011年)

2003年にアメリカ・ユタ州の渓谷をクライミング中、落石事故で右腕が岩と壁の間に挟まり、身動きが取れなくなってしまった、登山家のアーロン・ラルストン氏。食料も水も残りわずかで、しかも目的地を誰にも伝えていなかったため捜索隊が来る可能性は皆無……。常人であれば諦めてもおかしくないシチュエーションですが、彼は、空腹や脱水症状、幻覚に悩まされながらも、強靭な精神力と“ある決断”を以って、自力で脱出を果たしました。救出時には体重が約18キロも減少していたと言われています。
その体験をつづった自伝『奇跡の6日間』を原作にした映画が『127時間』。ラルストン氏によれば、ほとんどのシーンが「ドキュメンタリーに近いほど正確」とのこと。生と死の狭間におかれた男の真実の物語は、主演のジェームズ・フランコによる迫真の演技や、失神する観客が出たほどの生々しい描写が話題になり、世界中で大ヒットを記録しました。

無人で暴走する列車!町に迫る危機!『アンストッパブル』(2011年)

2011年にデンゼル・ワシントン主演で公開された『アンストッパブル』は、2001年にアメリカ・オハイオ州で発生した、無人の貨物列車暴走する事故(CSX8888号暴走事故)がモチーフとなっています。
整備ミスと人為的ミスが原因とされているこの事故。映画では暴走する列車を食い止めようとする、ベテラン機関士と新米車掌の奮闘が描かれますが、劇中の「ブレーキが効かない」「外部から緊急停止させるための作戦も失敗」「列車には有毒性の化学薬品が大量に搭載されている」といった出来事はすべて実話。このまま列車が加速を続けて脱線すれば、大惨事は免れないという危機的状況でした。
この窮地を救ったのが機関士のジェス・ノールトン氏と車掌のテリー・フォーソン氏。その方法は映画のネタバレになるので避けますが、ジェス氏は任務にあたる前に奥さんに電話して「愛しているよ」と伝えたとか。それがいかに危険な任務であったかが分かります。幸いにもこの事故による死者は出ませんでしたが、列車が停止したのは、脱線が確実視されていた急カーブのわずか2キロ手前。もしも間に合わなかったら……と想像すると身震いがとまりません。

今回は21世紀以降に発生した事故・災害を中心に紹介したので、記憶されている方も多いのではないでしょうか。『バーニング・オーシャン』を始めとするこれらの作品からは、その概要だけでなく、当事者たちの想いや内情を窺い知ることが出来ます。そして、極限状態に陥りながらも、決して諦めない人間の強さと勇気を教えてくれます。

(文/三好キスケ@H14)

記事制作 : H14

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