累計2000万ダウンロードを突破した大人気のスマートフォン向けゲームアプリ「ねこあつめ」を伊藤淳史主演で実写映画化した『ねこあつめの家』。本作ではスランプ中の小説家・佐久本勝が庭先に集まる猫たちとの触れ合いと、担当編集者のミチルの励ましを通じて、自分を見つめなおす姿をハートフルに描き出しています。佐久本に若さあふれる熱血アドバイスを繰り出すミチルを演じたのは、『THE OUTSIDERS(原題)』でハリウッド・デビューを果たした国際派女優・忽那汐里(くつな しおり)。彼女に本作の撮影秘話や憧れの女優などについて伺いました。

Q:最初に脚本を読んだ時の印象を教えてください。

ミチルと佐久本先生との関係をどのように見せるかを考えました。ふたりは家族や友達ではありませんが、誰よりも一緒にいる時間が長い。ミチルが若くて経験が浅いというところは残しつつ、情熱だけが空回りするような暑苦しいキャラクターにならないように気を付けて演じました。

Q:猫と一緒の撮影で、苦労したところは?

私は猫と一緒のシーンが少なかったのですが、もっとも接する機会の多い、佐久本役の伊藤さんでも、全く苦労しなかったと言っていました。特に、取材でも一緒に過ごすことが多い、ちゃはちさん役のシナモンちゃんは、取材が丸1日続いたとしても平気じゃないかと思うほど、おとなしくて(笑)。猫の年齢や性格も関係があるかもしれませんが、本作に登場する猫たちに関しては、苦労しなかったですね。

Q:猫をテーマにした映画だけに、禁断の質問かもしれませんが、ご自身は猫派ですか、犬派ですか?

猫派になりました(笑)。オーストラリアから日本に移り住んだことがきっかけかもしれません。日本の猫は、人間慣れしていて、人懐っこいですよね? そこが可愛いなと思ったんです。

Q:本作は、佐久本が猫との出会いをきっかけに、スランプから脱する過程を描いています。彼にとって、猫はどのようなものだったと思いますか?

生き方を変えるきっかけは人それぞれだと思うのですが、佐久本先生の場合は、猫が人生の分岐点を作ってくれたのではないかと思っています。

Q:佐久本同様、ミチルも本作で成長していきますね。

ミチルは、仕事を一度休んで、結婚・出産をするなど、映画の中で大きな決断をいくつもしているんです。妊婦のシーンも含めて、違和感がないように心掛けて演じました。彼女の決断を後押ししたのが、佐久本先生だったんですよね。佐久本先生にとってはそれが猫でしたが、彼女にとっては佐久本先生が人生を変えるきっかけになったんです。

Q:もっとも気に入っているシーンを教えてください。

佐久本先生が初めて猫の魅力に気付くところです。猫でなくても何かに気付く瞬間って良いですよね。可能性がどんどん広がっていく感じで。何かに気付く瞬間が多ければ多いほど良いと思っているんです。

Q:活躍の場を日本のみならず海外へと着実に広げている忽那さんですが、女優として目指すところは?

この人のお芝居を見ることが出来て良かったとか、あのシーンをもう一度観たいとか、見た方に後で思い返してもらえるような演技を目指したいですね。これからパフォーマンスを重ねて、一歩づつ、そこへ近づけていけたらと思っています。

Q:憧れている女優さんはいらっしゃいますか?

最近、映画を観終わった後に瞬きも出来ないほど動けなくなったのが、今年のアカデミー賞で助演女優賞を受賞した、『Fences(フェンシズ・原題)』のヴィオラ・デイヴィスですね。『Fences』は舞台劇の映画化で、主演は2010年に舞台でも同じ役を演じたデンゼル・ワシントンなんです。舞台のようにセリフが多くてセットもあまり変わらないのですが、彼女の芝居が圧倒的で。また見返してみたいと思っています。

Q:『Fences』はまだ日本で公開されていませんね。現地でご覧になったのですか?

はい。そのほかの今年のアカデミー賞候補作ですと、『メッセージ』はラストで全部つながったときにすごいなと思いました。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』も良かったですね。アメリカへ行ったときはなるべく映画館へ行くようにしているんです。日本で公開されるまで待ちきれないんですよ(笑)。

取材・文/田嶋真理 写真/横村 彰

映画『ねこあつめの家』 4月8日(土)より新宿武蔵野館ほか全国公開
配給/AMGエンタテインメント