『PARKS パークス』4月22日(土)よりテアトル新宿ほかにて公開
(c)2017本田プロモーションBAUS

住みたい街1位から転落? なのに絶賛支持される“吉祥寺”の魅力を映画『PARKS パークス』から探る

コラム

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文=石村加奈/Avanti Press

東京で住みたい街ランキングでは、長年の一位の座こそ譲ったものの、相変わらず吉祥寺は、人の集まる、にぎやかな街だ。そんな吉祥寺を舞台に展開される映画『PARKS パークス』から、改めてこの街の魅力を探ってみたい。

吉祥寺の魅力1 懐の深い街

ヒロインの純(橋本愛)は、井の頭公園近くアパートで一人暮らしをする大学生だ。ハル(永野芽郁)の亡父の“元カノ”探しを手伝うことになった純は、元カノ・佐知子(石橋静河)の孫トキオ(染谷将太)と出会う。

元カノ探しにも、街の寛容さが現れている。アパートを管理する不動産屋からスタートした純たちの捜索は、ピュアな動機を怪しまれることもなく、スムースに進んでいく。アパートのオーナー・寺田さん(麻田浩)が、佐知子たちの音楽仲間だったこともあって、佐知子の現在の住まいへと、トントン拍子で辿り着くのだ。

突然自宅に押しかけてきた、見ず知らずの小娘たちを、おいしいコーヒーでもてなす、寛大な寺田さんも素敵だ。とはいえ、孫にかまける老人の風情ではなく、純とケンカをして、傷心のハルが寺田さんを訪ねた時などは、あくまでミュージシャン同士として、毅然と接する。この距離感がカッコいい。

見てのお楽しみは、時を超えたファンタジックなシーンや、クライマックスのミュージカル仕立てのシーン。この場面には、若者を優しく受け入れてきた、吉祥寺の軽やかさも感じられる。

吉祥寺の魅力2 便利に変化しつつ変わらない街

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『PARKS パークス』4月22日(土)よりテアトル新宿ほかにて公開
(c)2017本田プロモーションBAUS

やがて純たち3人は、トキオの家に残っていた、50年前に録音された1960年代の曲を現代によみがえらせようと奮闘する。

若者に限らず、大人たちのチャレンジも許してくれる環境も、この街にはあるらしい。純が所属するゼミの担当教授(佐野史郎)は、純の変化に刺激を受け、置きっぱなしにしていたギターに手が伸びてしまう。久しぶりにギターを鳴らした時の、はにかんだ笑顔は、少年のようにチャーミングだ。

100年たっても変わらない井の頭公園や、戦後の闇市から続く「ハモニカ横丁」もあれば、再開発でより便利に変化していくこの街には、いろいろな世代の人たちが猥雑に暮らしている。街を歩く人のスピードひとつをとってもまちまちで、東京とは思えない、ゆっくりと時間が進むような、のどかな感覚を覚える。純然り、教授然り、寺田さん然り、それぞれがマイペースに、自分の人生を歩いている印象がある。

吉祥寺の魅力3 多彩な表情を見せる橋本愛みたいな街

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『PARKS パークス』4月22日(土)よりテアトル新宿ほかにて公開
(c)2017本田プロモーションBAUS

ヒロイン・純を演じた、女優・橋本愛の気どらない表情にも、吉祥寺の街が持つ、フレンドリーな魅力が重なる。新緑がまぶしい公園を眺める無防備な横顔や、ハルたちと街中を闊歩するはしゃぎっぷり、ギターで弾き語る時の照れ臭そうな笑顔など、フレッシュだ。この街でいろいろな人々と出会いながら、純は自身のトラウマを克服し、成長していく。

映画は、自転車に乗った純が、満開の桜に彩られた井の頭公園内を駆け抜けるシーンから始まり、一年後、再び迎えた桜の季節に、自転車を走らせる純の姿を映し出す。ラストシーンの清々しい笑顔に、一年の変化が凝縮される。井の頭公園は、桜の名所としても名高く、シーズン中には何十万人もの花見客が訪れる。ちなみに本作は、井の頭公園開園100周年を記念して、製作された。

    *     *

変わらない部分は大切に、それでいて変化も受け入れる。思慮深さと、トライすることを恐れない若さ。吉祥寺の魅力とは、そんな人間味あふれるところなのかもしれない。

記事制作 : Avanti Press(外部サイト)

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