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反抗期の息子と母、実はゲイだった父親…新たな“家族関係”を描くマイク・ミルズの魅力

コラム

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デザイナーや映像作家として1990年代のニューヨークのカルチャーシーンを賑わせ、現在は映画監督としても活躍するマイク・ミルズ。最新作となる『20センチュリー・ウーマン』(6月3日公開)では、自らの母親をモデルに、思春期真っ只中の息子と“20世紀生まれ”のパワフルな女性たちが織りなすひと夏の物語を、時代を彩る音楽とともに綴っています。

有名ブランドのCMや「X-Girl」のポスタービジュアルも手掛けたマルチな才能

映画監督としてのみならず、ビースティ・ボーイズのアルバムジャケットや、うつむいた女性の顔のイラストとロゴが印象的なアパレルブランド「X-Girl」のポスタービジュアルのデザインなど、グラフィックデザイナーとしても数々の功績を残してきたマイク・ミルズ。

GAPやNIKEといった有名ブランドのCMやPVなど映像作品でも、躍動感あるビジュアルで注目を浴び、2005年『サム・サッカー』で長編映画監督デビュー。2作目となる『人生はビギナーズ』では、父親役を演じたクリストファー・ブラマーが、史上最高齢でアカデミー賞助演男優賞を受賞して話題を集めました。

最新作の『20センチュリー・ウーマン』では、アカデミー賞脚本賞にノミネート! 長編3作目にして、既に映画監督としてのキャリアも究めつつあるという、マルチな才能の持ち主です。

なんと、実の父親が75才でゲイをカミングアウト! その衝撃の実体験を映画に

デビュー作の『サム・サッカー』は、ウォルター・キルンの小説をベースに、17才になっても親指しゃぶりが止められない主人公と家族の関係性を描いた作品でした。そして、次作の『人生はビギナーズ』は、マイクの実体験に基づいたオリジナル脚本なんです。

母親の死後、医師にガンを宣告された75才の父親・ハル(クリストファー・ブラマー)が、「自分はゲイだ」と息子・オリバー(ユアン・マクレガー)にカミングアウト。現実をなかなか受け止められず、恋や人生に臆病になってしまった息子が、残された人生を謳歌する父親の姿を目の当たりにし、自身も前向きに生きていくことを決意する物語です。

「父親がゲイだった」という衝撃的な内容にもかかわらず、主人公が戸惑い、葛藤する姿を繊細に描くことで、多くの観客の共感を呼びました。限りなくパーソナルな思い出さえも、どことなく懐かしさを感じさせる映像や、時代を象徴する音楽の選曲センスによって、普遍的な家族の物語へと昇華させることができるのが、マイク・ミルズの特徴ともいえるでしょう。

最新作のテーマは反抗期真っ只中の息子とシングルマザーの絆

新作『20センチュリー・ウーマン』の舞台となるのは、1979年のカリフォルニア州サンタバーバラ。まさにマイクの故郷でもあるんです。パンクロックにはまった反抗期真っ只中の“新人類”の息子と母との間にできた心の隙間が、自由奔放な写真家アビーと、大人びた幼馴染のジュリーの手助けによって、少しずつ埋まっていく様子が、時にユーモアを交えながら描かれます。

パイロットになることに憧れた母親・ドロシアに扮するのは、かつてゴールデン・グローブ賞に2度輝いた名優アネット・ベニング。さらには、グレタ・ガーウィグやエル・ファニングといった旬の注目女優が豪華共演。父親不在の環境で、個性豊かな女性たちに囲まれて思春期を過ごす息子ジェイミーを、新人のルーカス・ジェイド・ズマンが瑞々しく演じています。

プライベートでは、パフォーマンスアーティスト・映像作家・小説家として活躍するミランダ・ジュライと2009年に結婚し、自身も一児の父となったマイク・ミルズ。彼自身が築いた新たな家族の物語を題材にした作品がスクリーンで見られる日も、そう遠くはないかもしれませんね。

(文/渡部喜巴@アドバンスワークス)

記事制作 : アドバンスワークス

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