(C)2016 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC 5月26日(金)TOHOシネマズ シャンテ 他にて公開

「生みの親か、育ての親か」━━親子の形について考えたくなる5つの映画

コラム

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今年2月、多くの人々に、家族の在り方について思索するきっかけを与えた『彼らが本気で編むときは、』(2017年)。当人たちが幸せでさえあれば、形にこだわる必要なんて何もないのだ、と確信させてくれる良質な映画でした。

そして5月、親子の形について考えたくなる感動大作『光をくれた人』(2016年)が、日本でもいよいよ公開されます。これにさきがけ“親子”の姿を様々な切り口から描いた珠玉の作品たちを今一度振り返ってみましょう。きっと新鮮なインスピレーションを与えてくれるはずです。

(C)2016 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC 5月26日(金)TOHOシネマズ シャンテ 他にて公開

人を繋ぐのは血だけではない━━『そして父になる』(2013年)

東京で平穏に暮らしていた1組の家族に、衝撃的な事実が告げられます。なんと、実の息子だと疑うことなく育ててきた6歳の我が子が、出生直後に取り違えられた余所の子であることが判明したのです。「子どもの将来のために結論は急いだ方がよい」という病院からの提案で、息子の本当の家族との交流がスタート。激しい葛藤と苦悩の中で、一人の男の“親”としての意識が変わり始め、やがて彼は真の意味での“父”へと成長していきます。

本作は「生みの親か、育ての親か」についての議論を、最もストレートな形で提起する映画であるかもしれません。登場人物たちの経験する一連の出来事を自分の家庭に置き換えてみることで、家族とは何か、親子の絆とはどういうものかをじっくり考える機会になるでしょう。是枝裕和監督は本作に関するMSN産経westのインタビューの中で、「人を繋ぐのは血だけではない」と語っています。

自分を誘拐した偽の母と自分を生んだ実の母━━『八日目の蝉』(2011年)

妻子ある恋人とのあいだに授かった子を諦め、絶望の淵をさまよう一人の女性が、ふと恋人の家庭に侵入し、赤ちゃんを衝動的に連れ去るところから始まる壮絶な“母子”のドラマ。

保護され実家に戻った後も、自分を生んだ実母と自分を誘拐した偽りの母とのあいだで引き裂かれるように成長した娘が、幼い頃の遠い記憶を探す旅に出かけ、大切なことに気がつきます。

大人たちの利己的な選択に翻弄され、人生を歪められた一人の女の子が、最終的には“救い” を得る映画。それが本作であると言えます。極端に男親の存在感を削ぎ落とし、母子の関係性に焦点を絞りきった演出がなされていることから、特に女性の心に強く訴えかける作品であると言えるかもしれません。

時間も距離も超越する“血縁の神秘”━━『めぐりあう日』(2016年)

幼少の頃、フランス人夫婦に養女として引き取られ、韓国から渡仏した異色の経歴を持つウニー・ルコント監督。本作『めぐりあう日』(2016年)では、一人の自立したフランス人女性に自らの人生を投影し、捨て子が実母を求める衝動を描きました。たぐり寄せられる縁の糸と果たされる“めぐり逢い”。華美な演出を排除したリアルな情景のひとつひとつが、記録映画のような質感を持って、静かに鑑賞者の心に注ぎ込まれます。

互いに血の繋がった親子であるとは知らない二人が、理学療法を通じて肌を密着させるうち、暗に「親子かもしれない」とのインスピレーションを共有し合う場面は鳥肌を禁じ得ません。

時間も距離もすべてを超越してしまう“血縁の神秘”について考えたくなる映画です。

記事制作 : YOSCA