(C) 2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC. 『カフェ・ソサエティ』5.5(金・祝)TOHOシネマズ みゆき座ほか全国ロードショー!

黄金時代のハリウッドを舞台にした“大人のおとぎ話”―『カフェ・ソサエティ』

コラム

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『ミッドナイト・イン・パリ』(2011年)で、フィッツジェラルド夫妻、ジャン・コクトー、パブロ・ピカソらを甦らせ、黄金時代のパリをスクリーンの上に開花させてみせたウディ・アレン監督。本作『カフェ・ソサエティ』(2016年)で満開に咲かせるもうひとつのゴールデンエイジ━━それは、大粒のダイヤモンドのような目映いきらめきを放つ銀幕スターや、後の世にも絶賛され続ける傑作映画で溢れ返っていた、1930年代のハリウッド。

セレブリティのプール付き豪邸、豪華絢爛なドレスに身を包んだ美女、最高級のお酒、軽快妙味で小粋な会話、昼夜を問わないパーティー三昧。めくるめく陶酔感と高揚感でいっぱいの“夢の都”の熱狂と、一人の青年のスウィートでビターな恋模様を、彩り豊かに、魅惑的に描き出した本作。公開前にその見どころをあまねくご紹介します!

ハリウッドの美女に恋した夢見がちなニューヨーカー

1930年。アメリカ全土から成功を夢見る人々が集まり、街全体がバイタリティに満ちていたハリウッドに、映画スターのみならず、各界の著名人が集まるきらびやかな上流階級社会が存在しました。それこそが「カフェ・ソサエティ」。

刺激的でときめきに満ちた人生に憧れるニューヨークの平凡な青年ボビーは、ありったけの夢を胸に詰め込んで、セレブリティの都にやって来ます。業界の大物エージェントとして財を成した叔父フィルのもとで働き始めたボビーは、“ヴォニー”の愛称を持つ美しすぎる彼の秘書、ヴェロニカに強く惹かれます。幸運にも彼女と親密になったボビーは結婚を思い描きますが、ヴォニーにはなんと、密かに交際中の別の男性がいたのです……。

監督・脚本は米映画史の生ける伝説ウディ・アレン

監督・脚本は、現代喜劇の巨匠にしてアメリカ映画史の生ける伝説、ウディ・アレン。アカデミー賞最多ノミネート(うち監督賞1回、脚本賞3回)という快挙を成し遂げ、2013年のゴールデン・グローブ賞では、映画界で長きにわたり多大な功績を残した人物に授与されるセシル・B・デミル賞を受賞しています。代表作は、『アニー・ホール』(1977年)、『ブロードウェイの銃弾』(1995年)、『ミッドナイト・イン・パリ』(2011年)など。

寂しく、ときに惨めで、理不尽なことばかりの人生。簡単にはわかり合えない人と人。アレンはこれまで、自身の数えきれないほどたくさんの映画の中に、“残酷な世界”や“不完全な人間の姿”を、アイロニカルにシュールに、愛情たっぷりに刻み込み、物語の最後にはささやかな慰めと救いを彼らに与えてきました。

人間は確かに愚かなところもあるけれど、そこが可愛くていとおしい。アレンの作品はいつだって、「この世界は捨てたものではない」と私たちに教えてくれます。本作もまた、大切なことに気づかせてくれる甘くほろ苦い大人のラブストーリーに仕上がっています。

華麗なキャラクターに命を吹き込む豪華なキャスト陣

絶頂期のハリウッドを扱う作品だけあって、キャストがこれまた豪華。主人公のボビーを演じるのは、『ソーシャル・ネットワーク』(2010年)のマーク・ザッカーバーグ役でアカデミー賞をはじめとする多くの主演男優賞の候補にノミネートされたジェシー・アイゼンバーグ。彼はウディ・アレンと同じユダヤ系ニューヨーカーで、同監督作品の『ローマでアモーレ』(2012年)にも出演した経歴を持ちます。

ボビーをメロメロにする美女ヴォニーには、『トワイライト』シリーズで主人公のベラ・スワン役を好演し、世界的に大ブレイクしたクリステン・スチュワートが抜擢されました。もう一人の美女ヴェロニカにはTVシリーズ『ゴシップガール』においてセリーナ役を演じ、絶大な支持を獲得したブレイク・ライブリー。

そして叔父の大物エージェント、フィルには、『フォックスキャッチャー』(2014年)でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた人気喜劇俳優スティーヴ・カレルがキャスティングされ、作品全体を見事なバランス感覚で締めています。

セレブリティ御用達ブランドによる衣裳協力

ヒロインたちを飾る芸術性の高いドレスやジュエリーも本作の見どころのひとつです。衣裳協力は、世界中の女性たちを虜にしてやまない、あの“シャネル”。劇中には本作のために製作された1930年代らしさ満点の優美で上品なドレスが登場するそう。森泉や前田典子など試写会に出席した著名人たちからは、歓喜の声が寄せられています。

黄金時代のハリウッドにトリップして、ゴージャスでグラマラスな美術品の数々に酔いしれてみてください。日々のお洒落に対する意識にささやかな革命が起こるかもしれません。

ビター&スウィートな“観るカクテル”

大輪の花を咲かせた2輪の薔薇のような二人のヴェロニカ、ゴージャスでグラマラスな衣裳や装飾品、心を捕らえて離さない軽妙洒脱な台詞の数々、言葉以上に多くを物語る詩的な視線……目に飛び込むもの全てがとにかく魅惑的で、アマレットのようにビター&スウィートな、大人のラブストーリー。それが『カフェ・ソサエティ』(2016年)。編集ディレクターの村上啓子さんのコメントが象徴するように、ウディ・アレンの映画はまさに“観るカクテル”なのです。

たった90分少々の上映時間の中に濃縮された、恋の甘さとほろ苦さ、情けないけど愛すべき人間の姿、生き方にヒントを与える人生哲学。劇場でぜひ魔法にかけられてください。その日から世界はきらめくはずです。

(桃源ももこ@YOSCA)

記事制作 : YOSCA