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せんべいで倒産免れた!? 仰天プランで起死回生し続ける銚子電鉄

コラム

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千葉県北東部にある銚子駅から外川駅の6.4kmを走る“銚電”こと、銚子電気鉄道線。同ローカル線を題材にした『トモシビ 銚子電鉄6.4kmの軌跡』が5月20日に公開されます。

銚子電鉄を盛り上げるイベントが募集され、“高校生と銚子電鉄の競走”という企画を思いついた女子高生の杏子(松風理咲)。それが採用されたうえにチームを率いて競争するハメになってしまった彼女と銚子電鉄の運転士、“撮り鉄”の青年が育む絆を追いかけていくヒューマン・ドラマです。

高校生ランナーたちと電車が競争する劇中でのイベントもユニークですが、実際に銚電はさまざまな試みをしながら赤字路線を懸命に切り盛りしてきた路線なのです。

倒産を救った“ぬれ煎餅”秘話

銚電を世に広めた有名なエピソードが“奇跡のぬれ煎餅”です。2006年、人口減少による乗客者数の激減、行政の補助金打ち切りなどが重なり、銚電は電車の整備費用も捻出できない状況に陥ります。それを救ったのが“副業”として販売製造しはじめた地元銘菓“ぬれ煎餅”でした。パリッとした煎餅のイメージを覆すしっとりとした食感、醤油の産地・銚子が誇るヤマサ醤油の専用醤油だれを用いた銘菓は、地元では古くから親しまれ、同路線でも販売していたのですが、決して売り上げが良かったとはいえませんでした。

そんななか、銚電の社員がインターネットで「ぬれ煎餅を買ってください。電車修理代を稼がなくちゃいけないんです」というメッセージで発したところ一気に拡散。わずか10日間で10,000人超からのオーダーや問合せが押し寄せ、修理費用の捻出に至りました。ぬれ煎餅をきっかけに“人の心の温かさ”を実感した銚電は、乗客との絆を深めるとともに“電車に乗って楽しかった”と思えるようなアイデアを次々と敢行していきます。

銚子電鉄を守る御当地ヒーロー

2013年、銚子に突如、銚電の運行を守るヒーロー“銚電神ゴーガッシャー”が爆誕します。このご当地ヒーローをきっかけに臨時列車“ゴーガッシャー号”が運転されたり、同じ千葉県木更津のご当地ヒーロー・鳳神ヤツルギも同乗して、たどり着いた犬吠駅の広場でショーまで繰り広げる熱いイベントを実現させました。本気でカッコ良さを追求したゴーガッシャーのデザイン、ユーモラスで細部までこだわったプロフィールは、特撮&鉄道ファンの間でも話題を集めました。

電車をまるまるお化け屋敷に!

2015年夏。銚電は“お化け屋敷プロデューサー”丸山誠氏とタッグを組んで、車両をまるごとお化け屋敷にする“お化け屋敷電車”を夜間運行しました。時刻表に載っていない謎の電車は、車内は真っ暗。途中下車できない逃げ場なしの状態で、駅以外の場所で突然停車して乗客を不安にさせ、車内だけではなく外からもお化けを出現させるなど、花やしき、後楽園などのお化け屋敷をプロデュースしてきた丸山氏ならではのアイデアとセンスがおおいに活かされた恐怖演出は、子供も大人も震え上がらせました。

髪の毛の聖地誕生!! 駅の命名権売り出し

同年12月、銚電は期間限定で駅の命名権=ネーミングライツを売り出し、これまた注目を浴びました。あくまで駅の正式名は変えずにネーミングライツを購入した企業に愛称をつけてもらう企画で、ホームの看板と車内案内表示は正式名と愛称を併記。車内案内放送でも双方をアナウンスします。その企画から、本銚子駅はヒゲタ醤油株式会社によって“ヒゲタ400年 玄蕃の里”に、君ヶ浜駅は銚子市内で未確認飛行物体の目撃事件などがあることから“ロズウェル駅”といった具合に愛称がつけられました。

なかでも“笠上黒生駅”は、ヘアケア商品メーカーによって“髪毛黒生駅(かみのけくろはええき)”の愛称を命名され、薄毛の悩みを抱える人が数多く訪れるパワー・スポットならぬヘアー・スポットとなりました。

こうしたユニークなイベントを催されると、鉄道マニアならずとも銚電に乗ってみたくなりますよね。『トモシビ 銚子電鉄6.4kmの軌跡』を観る前に、予習としてゴールデンウィークに同路線を体験してみるといいかもしれません。

『トモシビ 銚子電鉄6.4kmの軌跡』5月20日より公開-(C)2017 トモシビパートナーズ

(文/星メテオ・サンクレイオ翼)

記事制作 : サンクレイオ翼