映画『無限の住人』は4月29日より全国公開

『無限の住人』 MIYAVI インタビュー

インタビュー

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木村拓哉の門出にともに戦える喜び

沙村広明の漫画を三池崇史監督が実写映画化した『無限の住人』。木村拓哉ふんする不死身の剣士・万次の壮絶な生き様を描く本作の主題歌を、“サムライ・ギタリスト”MIYAVIが担当。ロサンゼルスに拠点を移し、ワールドワイドに活動する彼が、楽曲や自身の目指す未来について語った。

音楽や映画は人間の存在証明

Q:『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』のテーマ曲アレンジなどを手掛けてきたMIYAVIさんですが、邦画主題歌を書き下ろすのは初めてだそうですね?

はい。三池監督からは自由にやってくれと言われたんです。死ねない不死身の身体を得た万次の、ある種、生きるということへの疑問と、誰かと出会うたびに別れを経験することの葛藤、そして、万次が用心棒として守ろうと決めた少女・凜(杉咲花)に対する思い。それら対比するものを楽曲の中に共存させたいと考えました。僕も二児の父なので、人を守りたい気持ちや愛おしいという感情が理解できる。そのために戦うという衝動やパッションを、表現できればと思いました。

Q:“ぶった斬り”アクションの本作にマッチしたギターサウンドですが、三池監督の映像を観て制作したのでしょうか?

映像はCGがつく前の段階で観ました。観ているうちにイントロとサビのギターのモチーフが自然に浮かんできたんです。寝ている間にもよくフレーズが出てくるんですよ。早朝起きるとふいに浮かんでくることもあります。今回の主題歌では、改めて「ギターミュージックのエキサイト感やワクワクを取り戻したい」と思ったんです。それも、新しいカタチで風を吹かせたい。僕は、普通のロックではないギターミュージックを提唱しているつもりなので。

Q:主題歌の「Live to Die Another Day -存在証明-」というタイトルから、武士道のようなものも感じました。

武士道というよりか、やはり万次という人なんです。不老不死って、最初の50年くらいは楽しいような気がします。でも、周りの人や景色は変わっていき、自分だけが取り残される感覚になっていく。たとえ話ですけど、花と一緒。限られた時間の中で散っていくから美しいのだと思う。そこを感じられない万次が、初めて「また生きたい」と思わせてくれたのが凛で、彼女は万次にとっての存在証明。人間って、子供だって作るし音楽や映画も作る。それだって、僕らにとっては存在証明なのだと思います。

木村拓哉との親交について

Q:木村拓哉さんとは以前から親交があったそうですが、MIYAVIさんから見た木村さんはどんな方なのでしょう?

お兄ちゃんのような感じですね。SMAPには楽曲提供をさせてもらっているので、それを通じてですけど、たまに食事に行ったりもします。木村さんは、背負っているものがとても大きく感じるんです。役者さんとしては、三船敏郎さん、菅原文太さん、勝新太郎さん、松田優作さんの系譜で、そこにいなければいけない人なのではないかと、いち映画ファンとして思っています。僕は治外法権なので言いたいことを言いますけど(笑)、SMAPの皆さんのことは好きですが、5年10年あとのことは誰にもわからないですよね。この映画は、木村拓哉というひとりのアーティスト(節目)としての再出発。解散は大きなことだけど、「それ以上のワクワクが待っているのではないか」と感じることが大事だと思う。その門出でもあり、彼にとってのマイルストーンとなる作品に、刀の代わりにギターで共に戦わせてもらえてうれしかったです。

Q:確かに、不死という業を背負って生き続ける万次という役は、木村さんの新境地かもしれません。

万次という人は、生き方が切ないですよね。最近タイの難民キャンプに行っていたんですが、そこで見た現状と、日本が守られている状況を見て、誰もが万次のように「生きるということに対して真っすぐ誠実になるべき」だと思ったんです。万次の生き方や、ほかのキャラクターそれぞれの哲学と人生を見て、「お前は本気で生きているのか? 毎日をなんとなくやってないか?」と自分を省みてもらえたらいいですね。それは僕の勝手な願いなんですけど。

アンジーがドアを開けてくれた

Q:難民キャンプといえば、難民支援活動で知られるアンジェリーナ・ジョリーさんとMIYAVIさんは、公私ともに親しい仲だそうですね?

アンジーとは家族ぐるみでお付き合いさせてもらっています、受けた影響は大きいです。彼女はミッションを持って生きているエイリアンだと思うんです。そこに僕は惹(ひ)かれたし共鳴しました。『不屈の男 アンブロークン』だって、監督がアンジーだったから出たんですよ。タイでは「教育」「農業」「リサイクル」を全部自分でやっているお坊さんに会ってきたんですが、シンパシーを感じましたね。僕もその3つはずっとやりたいと考えていたんです。何が自分たちのコミュニティーや子供たちの未来に必要なのか模索しながら、できる限りのことはしたいと思っています。

Q:アンジーさんとは単に親しいだけではなく、同志のような関係なのですね。

僕の中にそれを感じたから、アンジーはドアを開いてくれたんだと思うし、今度は僕がいろんな人のドアを開けていくのだと、責任も感じています。だから、常に人道支援や人権擁護の必要性を発信しているんです。「イメージアップのためだろう」とか思われることもあるけど、自分は二児の父って言ってるし、イメージもクソもない(笑)。

Q:ミュージシャンや俳優としての活動と、支援活動をリンクさせていくのでしょうか?

もちろん、日本では「重い、ダサい」などと思われがちなチャリティーとかボランティアをクールなイメージにしていきたいという気持ちはありますが、それとエンターテインメント活動は別モノです。時代が変わっていく中で、自分をどうブランディングして表現していくかが重要。映画、音楽、そしてファッションという近しい存在の3つを統合して、やれることはどんどんやっていきたい。近々、俳優として日本の映画にも出ます。

取材・文:斉藤由紀子 写真:奥山智明

記事制作 : シネマトゥデイ(外部サイト)

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