文=増當竜也/Avanti Press

5月から6月にかけて4本の出演映画が控えている新人女優がいる。彼女の名前は武田玲奈。2014年にモデルとして芸能活動をスタートし、翌15年には「週刊ヤングジャンプ」で初登場、初表紙という異例の抜擢。同年に映画『暗殺教室』で映画デビューを飾り、さらに2016年4月から女性誌「non-no」の専属モデルに起用されるなど、快進撃を続けている。

続々と出演作が公開される“武田月間”とも呼べるこの期間の幕開けを飾るのが、国内初の“泣けるVR”映画『交際記念日』。全国のネット喫茶やカラオケ、アミューズメントなどの施設でサービスを展開する“VR THERTER”で体験できるVR映画で、5月1日より全国のVR映像体験施設143店舗(2017年3月末時点)にて公開される。

高校卒業を間近に控えた春を舞台に高校生男女の恋愛を描いた本作。その甘く切ない世界を体現するヒロインとして武田玲奈が抜擢された。

「私が演じる沙耶と西銘駿さん扮する太一がひそかにつき合っていて、特別の記念日があって、といった設定でお話が進むのですが、やがて哀しき……といった、胸がキュンとなる切ないストーリーです」。

“泣けるVR”映画と謳われていたことへの不安

『交際記念日』

これまで映画『暗殺教室』(2015年)、『暗殺教室~卒業編~』(2016年)やTVドラマ「監獄学園-プリズンスクール-」など、映像方面では尋常ではない(!?)学園生活を送る役が多かった彼女、今回は高校生としての理想を疑似体験することができたという。

「本格的にこのお仕事を始めるために高校2年の春に上京し、東京の高校に編入したのですが、それ以来ずっと忙しい日々のまま卒業してしまいました。実はこのお話をいただいた時点で“泣けるVR”映画と謳われていたので、すごく不安もあったのですが、概要をお聞きして台本を読ませていただくうちに、私の憧れといってもいいキラキラした高校生活が描かれていたので(笑)、撮影がすごく楽しみになってましたね」。

ただし、VRカメラを用いての撮影には、戸惑うところもあったようだ。

「360度映ってしまうから、スタッフさんが周りに誰もいなくて、教室のシーンならまだみなさんどこかに隠れることもできますけど、校庭のシーンなんてもう私と西銘さんのふたりしかいなくて、遠くから『用意スタート』の掛け声が聞こえてきたら演じ始めて、終わったら窪田崇監督のところまで『終わりました』って言いに行って(笑)。カメラが西銘さん目線になると私ひとりしかいませんので、しかもカメラがすごく間近にあるものですから、その距離感とかも意識しましたね」。

今はアクションにも興味があります

撮影=伊藤さゆ

5月は本作以外にも、レギュラー出演した人気TVドラマの劇場版『ラストコップ THE MOVIE』(3日公開)、詩のボクシングを題材にした『ポエトリーエンジェル』(20日公開)、さらには6月10日には最新主演映画『パパのお弁当は世界一』が公開される。この中で、『ポエトリーエンジェル』は障がいを抱え、ボクシングを習うヒロインに挑戦した。

「私の中でも挑戦といえる役柄でしたが、撮影前に障がいを持つ方々にお会いしたり、ボクシングも撮影の2カ月前から習い始め、また飯塚俊光監督と一緒に役を固めていくことができましたので、撮影が始まる頃には不安もかなり払拭されていました。飯塚監督も共演の岡山天音さんも、以前映画『チキンズダイナマイト』(2015年)でお仕事させていただいていたので、またご一緒できたのも嬉しかったです。また、“詩のボクシング”という題材も私自身新鮮でしたし、新しい表現としてご覧になるみなさんが興味を持ってくれるのではないかなと思います」。

舞台「四谷怪談」(2015年)でルービックキューブを、映画『咲』(2016年)で麻雀を、『ポエトリーエンジェル』ではボクシングを覚え、今ではそれらを特技として身に着けるほどの術も持ち合わせている。

「今はアクションにも興味があります。『仮面ライダーアマゾンズ』(2016年/現在シーズン2配信中)で少しだけアクションをやらせていただいたとき、実際すごく難しいなって痛感させられたので、そちらもまた勉強したいと思っています」。

実際の自分とは全く異なる経験ができるのがこのお仕事の素敵なところ

『交際記念日』

武田玲奈には、昭和の名優・高峰秀子のような、清楚な中にも芯の強さを秘めたオーラと、現代の若手ならではの軽やかさを感じる。逸材の若手俳優のひとりとして、今後もぜひ演じ続けていただきたい。

「単純に別の人になれるし、実際の自分とは全く異なる経験ができるのが、このお仕事の素敵なところだと思っています。以前、演じていたら周りから『楽しそうだね』と言われて、そこで初めて『あ、私、楽しいんだ!』って気がつきました(笑)」。

最後にVR映画『交際記念日』、自分でもゴーグルをつけて体験してみての感想は?

「自分と目が合う感覚がすごく不思議でした(笑)。でも、その空間は放課後の教室やプール、校庭などなど、撮影のときのことも含めて、すごく懐かしくも、やはり憧れに思えるものでしたね。こういった新しいジャンルのものにいち早く体験できたことも嬉しいです。あと余談ですが、ゴーグルをつけて鑑賞中の人を端から見るのも、ちょっと不思議な光景ですよ(笑)」。

撮影=伊藤さゆ

『交際記念日』
5月1日(月)全国のVR THEATERにてロードショー
(c)2017「交際記念日」プロジェクト

『ポエトリーエンジェル』
5月20日(土)より、テアトル新宿、ジストシネマ田辺ほか全国順次ロードショー
配給:アークエンタテインメント