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超人的肉体に、武器は“爪”!!ウルヴァリンとウォーズマンは似た者同士?

コラム

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6月1日公開の『LOGAN ローガン』で最後の闘いに臨む孤高のヒーロー、ウルヴァリン。ヒュー・ジャックマンが『X-メン』(2000年)から足かけ17年間演じてきた不死身のミュータントは、両腕から伸びる超合金アダマンチウムの爪を必殺の武器に、立ち塞がる敵を切り裂いていく姿がカタルシスと畏怖を同時に抱かせます。

そんなウルヴァリンのバトルスタイルを見ている、筆者を含む30~40代男子(おじさん)のなかには、人気コミック『キン肉マン』に登場する超人・ウォーズマンを連想する人もいるのでは? 両腕に装着したニードル状の武器・ベアークローで、ラーメンマンといった人気超人をねじ伏せていったウォーズマン。登場当初は、残虐なスタイルで読者に恐怖を与えました。

両腕の爪を駆使したバトルで魅了する両者。もちろん世界観が違いますから甲乙なんて付けるのは野暮な話ですが、彼らの戦歴を探ってみると、意外にも興味深い共通点が見受けられます。

成長を促した“師匠”の存在

映画『LOGAN ローガン』は、大半のミュータントが既に死滅してしまった近未来が舞台。不死身のウルヴァリンも治癒能力が衰え、人間同様に死と向き合うことを強いられます。そんななか、年老いたプロフェッサーX(パトリック・スチュワート)から、謎の少女ローラを守るよう託されます……。

『X-メン』で、失われた記憶を求めて世界をさ迷っていた荒くれ者のウルヴァリンを、正義のミュータント・チーム“X-MEN”に引き入れ、以降中心的存在へと導いたプロフェッサーX。師弟といえる2人が、『LOGAN ローガン』で共に終焉のドラマに臨むというのは感慨深い思いが過ります。

一方、人間でも超人でもない “ロボ超人”であるがゆえに、周囲から虐げられ荒んだ日々を送っていたウォーズマン。そんな時“バラクーダ”なる人物にスカウトされ、超人オリンピックでは、キン肉マンとの激闘へと突き進むことになります。このバラクーダの正体は、実は正義超人のリーダー的存在・ロビンマスク。彼の指導をきっかけにウォーズマンは正義超人の仲間入りを果たします。

忌み嫌われた過去を背負いアウトローとして退廃的な日々を生きていた2人は共に、強く正しい心をもつ師を得たことで、その後の人生を激変させました。

技と意志を受け継ぐ者の存在

X-MENの一員になったウルヴァリンは、プロフェッサーXが私設した“エグゼビア・スクール”で、若きミュータントたちを指導する立場になります。といっても、あまり教師らしい態度は見せませんが……。『X-MEN2』(2003年)では米国防省の軍人ストライカー(ブライアン・コックス)の襲撃から生徒たちを守り、『X-MEN:ファイナル ディシジョン』(2006年)では、ストーム(ハル・ベリー)と共に若手を導いていきます。

対するウォーズマンは、自分を育ててくれたロビンマスクへの恩を返すため、『キン肉マンⅡ世』で謎の人物クロエに変装し、彼の息子・ケビンマスクにセコンドとして接触。ウォーズマンやロビンが体得できなかった必殺技OLAPを修得させ、キン肉マンの息子・キン肉万太郎との試合を勝利に導きます。

次世代を育み、ファイティング・スピリッツを繋ぐ使命感を体現した2人。ただし『LOGAN ローガン』は先述した通り、大半のミュータントが死滅した世界。ウルヴァリンが育てた若い世代のミュータントも過去の存在となっています。果たして彼やプロフェッサーXの意志を継ぐ者は現われるのでしょうか? 彼らが行動を共にする少女ローラが、そのような存在に育っていくのでしょうか……?

師の危機を救うため、時間を遡る

さらに面白いのは、両者とも過去へとタイムトラベルの経験があることです。『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年)にて、ミュータントの能力を奪い、殲滅を目論むロボット・センチネルの開発を阻止するため、2023年のウルヴァリンの精神が、1973年の体へと送り込まれます。若き日のプロフェッサーX(ジェームズ・マカヴォイ)らに協力を仰ごうとするウルヴァリンでしたが、彼は、自身の無力さや世間の仕打ちに打ちひしがれ荒んだ状態。そんな彼を、今度はウルヴァリンが立ち直らせようと働きかけます。

対するウォーズマンが過去へ遡ったのが、『キン肉マンⅡ世』の究極の超人タッグ編。歴史を改変する時間超人ライトニング&サンダーにより、殺されてしまった過去のロビンマスクと、彼の死の影響で消えかけたケビンマスクを救うべく、キン肉万太郎たちの乗ったタイムマシンに密航します。奇しくも2人とも、自分の師を救うために過去へ旅立っていたのです。

能力と素性故に、万全の肉体を維持できる

ウルヴァリンが50年前の過去へ精神を飛ばすことができたのは、不死身の治癒能力と、不老の肉体という能力を秘めたミュータントであったからです。また、キン肉マンもロビンマスクも第一線を退き、彼らの子供たちの世代が活躍する時代から、過去へ飛んだウォーズマン。当時の超人たちと対等に渡り合えたのは、彼が“ロボ超人”という年を取らない存在だからです。

こうして考察していると“甲乙つけがたい”なんていいながらも筆者としては、彼らが、もしも戦うことになったら、どちらが強いのか? そんな妄想をつい抱いてしまいます。治癒能力をもつウルヴァリンが絶対的に有利で、試合から30分を経過すると内蔵のコンピューターに支障をきたすウォーズマンには苦しい闘いになるでしょう。ですが『LOGAN ローガン』からも分かるように、ウルヴァリンの能力は永続的ではありません。ウォーズマンのベアークローがウルヴァリンにとどめを刺すなんてことも、ありえない話ではないでしょう。

元は荒くれものだったが、結局は正義の心に燃える者同士。2人を闘わせるように仕向けた存在に気づき、共闘して悪を征する……という展開が、きっと一番しっくり来るでしょう。いつかそんな夢の競演を見てみたいものです。

(文/狩野洋・サンクレイオ翼)

記事制作 : サンクレイオ翼