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ツッコミどころ満載?! 菅田将暉らが挑む、エロティックでドロドロの政権争いとは

コラム

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俳優・菅田将暉が年明けにバラエティ番組で、「今度ふんどし一丁になる役を演じるから、下の毛の処理法で悩んでいる」と話しているのをたまたま見かけて、一体どんな役を演じるんだよ……と思ったものですが、4月29日公開の映画『帝一の國』の試写会中に「これだったのかー!」と思わず席を立ちそうになりました。スクリーンの中では、イケメン俳優たちが白いふんどし一丁で一心不乱に和太鼓を叩いていた!

ドロドロ政権闘争はツッコミどころ満載

原作は、古屋兎丸による同名コミック。日本一の超名門・海帝高校で生徒会長を務めた者には、将来の内閣入りが確約されている。「総理大臣になって、自分の国を作る」野望を抱く赤場帝一(菅田将暉)は、学園内の政権闘争に身を投じるのだった――!

帝一を始めとした登場人物たちは、まさに生徒会長選挙に命をかけています。そのため盗聴、教師への秘密交渉なんて序の口。誰もが知っているマイムマイムのメロディで大勢の生徒を誘い寄せて、自然とダンスの輪が広がっていく中で結束を高め、投票を促すなんて奇策(珍策?)まで飛び出します。ちなみにこの作戦は、海帝高校の歴史上でも重要な事件として“マイムマイム事変”と呼ばれるようになったとか……。帝一の友人にしてライバル、仁義礼智信すべてを併せ持つ正義の男・大鷹弾(竹内涼真)は、「この学校、狂ってんな」と呟いていましたが、その狂いっぷりを笑いつつ呆然としつつ見守る作品です。

マイムマイム作戦と同じく、先述のふんどしパフォーマンスも帝一によるアイデアです。生徒会長選挙で優位に立つためには、1年生のときにどう動くかが鍵。帝一は、次期生徒会長の大本命と期待されている2年生・氷室ローランド(間宮祥太朗)の下につくことを決めるのですが、生徒会の人間と体育会系クラブの部員たちで、文化祭の開会式で太鼓パフォーマンスを行うことをひらめくのです。練習の中で、氷室と体育会系クラブとの結びつきを強めるという意図があるのですが、ふんどし一丁×太鼓じゃなくても可能なアイデアでは……?

特撮出身の俳優が力を見せた!?

ツッコミどころ満載の物語というのは、観客をシラケさせてしまう可能性もあります。『帝一の國』が爆笑必至の作品に仕上がっているのは、若手の中でも演技派で知られる菅田将暉を始め、特撮出身の役者たちの力による部分が大きいでしょう。

大鷹弾役の竹内涼真は、「仮面ライダードライブ」主演で人気を集め、森園億人役の千葉雄大も「天装戦隊ゴセイジャー」の主演で俳優デビューを飾りました。榊原光明役の志尊淳は、舞台「ミュージカル・テニスの王子様」で俳優デビューして、「烈車戦隊トッキュウジャー」で主演。また、東郷菊馬役の野村周平、氷室ローランド役の間宮祥太朗も、漫画実写化作品に多く関わっています。ちなみに主演の菅田もデビュー作は「仮面ライダーW」。現実離れした設定の中での演技を得意とする役者が集まったからこそ、映画『帝一の國』が成立したのではないでしょうか。

また、永井聡監督の手腕も冴えています。原作漫画の作者である古屋兎丸といえば、少し懐かしさを感じさせるようなタッチによる美麗な作風で有名。永井監督はCM出身だけあって、印象的なシーンを画として見事にキメています。そして、古屋兎丸作品の大きな魅力である耽美な場面も……! 帝一がひざまずいて氷室の靴を舐めるシーンなどは、BLという言葉でもまだ足りないフェティシズムを感じさせます。

バカバカしくて、でもほんのりエロティックで……。そんな作品を旬のイケメン俳優が演じてくれるとなると、まさに眼福。菅田将暉ファンの女子中高生たちが、大笑いしながらも何かに目覚めてしまわないか、お姉さんは心配です!

(文/原田イチボ@HEW)

記事制作 : HEW

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