沙村広明/講談社 (C)2017映画「無限の住人」製作委員会

キムタクの“300人斬り”は必見!殺陣師・辻井啓司に見る、邦画最高峰の迫力のアクション

コラム

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4月29日に公開された三池崇史監督作『無限の住人』は、“ぶった斬り”アクションエンターテイメントと銘打たれています。本作の見所の一つは、なんといっても木村拓哉扮する万次による300人斬り! この殺陣シーンを監修している辻井啓司氏は、自身もスタントマンでありベテランの殺陣師です。これまでも数々の三池監督作品のアクションコーディネートを手がけています。

そこで今回は、過去に辻井が担当した作品とともに、そのアクションシーンの魅力に迫ってみたいと思います。

不死身を活かした異色の太刀まわり『無限の住人』(2017年)

木村拓哉が演じる主人公の万次は不死身の用心棒。仇討ちの相手である“逸刀流”一門の剣士を次々と倒していきますが、不死であることを活かした男の剣劇は、正直かなり奇抜で荒っぽいです。片腕を切り飛ばされても、心臓を刺されても、万次は命も戦意も失いません。ときには、あえて自らの身体を斬らせて相手の油断を誘うなど、その戦いぶりはまさに“肉を切らせて骨を絶つ”です。

しかし、彼はどんなに傷付いても、戦闘中に身体を再生しません。そんな、万次のもう一つの強みになっているのが、多彩な武器の使いまわしです。例えば、刀の使用を封じられても、着物からコの字型の刀、鋸のような両刃を備えた歪な形状の刀などを次々と取り出し、敵を倒していきます。

見どころは逸刀流を率いる天津影久(あのつかげひさ)との一騎打ち。多くの剣士たちの血の海となった場所で、相手が先に倒れるまで血を流し続ける! これぞ不死身ならではの戦い方でしょう。

これが不良の戦い方だ!『クローズZERO』(2007年)

大人気コミック『クローズ』の実写版で、最悪の不良が集まる男子高校の覇権をめぐる抗争を描いた作品です。

アクションシーンで一番の見どころは、やはり最後の乱闘シーン。鈴蘭高校に編入してきた小栗旬演じる滝谷と、鈴蘭高校の王者・山田孝之演じる芦沢の戦いです。雨の中での決闘シーンとなっており、水しぶきやぬかるみが、さらに迫力を増します。滝谷が最初から飛び込んでいくのとは対照的に、芹沢は最後の腰を上げ、乱闘に入っていくのがボス感を感じさせるんですよね。格闘家ではない、不良同士の殴り合いという荒削りな感じが余計に暴力の怖さを引き立て、恐怖感をあおっていました。

音声にも拘っていたのか、一発一発の打撃に対して重低音が付けられ、地面に叩き付けられる映像に打撃の重みを加えます。最後は滝谷と芹沢によるタイマンに。雨上がりの美しい夕暮れの中、精根尽きてボロボロになった2人が殴り合う姿が最高にカッコいいんです!

50分間の殺陣シーンに驚愕!!『十三人の刺客』(2010年)

工藤栄一監督作『十三人の刺客』(1963年)を三池監督が再映画化した作品です。

見どころは何といっても時代劇史上最長といわれる50分間の殺陣シーン! 約300人の大軍を相手に13人で戦っていくのですが、とにかく血しぶき、血糊がスゴイです。返り血を浴びながら戦い、バタバタ倒れていく迫力。刀の切れ味も悪くなりそうなものですが、その疑問にもちゃんと答えており、使えなくなった刀を捨ては、新たな刀でまた斬っていく姿が豪快で見応えが有ります。

弓矢や火をつけた暴れ牛、爆薬などといろいろ仕掛けを用意していたのにも関わらず、結局は斬りあいになるのですが、松方弘樹演じる倉永左平太が別次元で強くて素早い動きでカッコいい! 序盤の戦いがどんどんエスカレートし、中盤は各キャストそれぞれの見せ場に。最後は敵・味方グズグズになって狂気が満ちていく雰囲気。観ていて高揚してきます。

虫の特性を生かした戦い方も魅せちゃうんです!!『テラフォーマーズ』(2013年)

人類の移住計画によって火星地球化(テラフォーミング)が行われる。そこに人型に異常進化したゴキブリを駆除しに隊員が派遣され……。

この作品の特徴は“異形の者の戦い”であること。敵だけでなく、主人公たちも虫の能力を使って変身します。伊藤英明が演じる主人公の小町小吉はオオスズメバチ。その両腕は太く発達し、手の甲付近には大きな毒針が。その一刺しによる一撃で相手の頭部を破壊するという、何とも豪快な戦闘スタイルです。

一方、山下智久演じる武藤仁はサバクトビバッタ。異様に発達した脚力を生かし、ムエタイスタイルで戦います。薬を何本も連続で使用すると背中から黒い翅が生え、舞を舞うかのような戦いぶりで、敵の集団を殲滅。その中でも印象的だったのがバッタの脚からのかかと落としです。一撃で敵を地面に踏みつけます。

沙村広明/講談社 (C)2017映画「無限の住人」製作委員会

『無限の住人』の原作漫画は奇抜な武器が登場することも見所の一つですが、本作に登場するオリジナル制作の武器はなんと38種類! 今回はこれでどんな殺陣が繰り広げられるのか、映画館では辻井指導によるアクションシーンにもぜひ注目してください。

(文/野 英利香@H14)

記事制作 : H14

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