『パーソナル・ショッパー』5月12日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国公開
(c) 2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM – SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR

熱愛、不倫、同性パートナー…ゴシップは“結果”でねじ伏せる!女優クリステン・スチュワート

コラム

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文=新田理恵/Avanti Press

美しいけれど、決して笑顔を安売りしない女。それがクリステン・スチュワート。良く言えばクール、悪く言えば仏頂面がデフォルトですが、媚びずに自然体を貫く姿がとにかく男前。5月、そのクリステンがヒロインを務める映画『カフェ・ソサエティ』『パーソナル・ショッパー』が2作続けて公開されます。『トワイライト』シリーズでアイドル女優的な立ち位置で大ブレイクした彼女ですが、大人の女優として今、求められ続けるその魅力を改めて探ります。

『パニック・ルーム』のジョディ・フォスターを食う子役っぷり

クリステンが注目されたのは、ジョディ・フォスターの娘役を演じた『パニック・ルーム』(2002年)でした。子役とは思えない達観した眼差しが印象的だった女の子は、あれよという間にヴァンパイアをも翻弄する美少女に成長。2008年からスタートした『トワイライト』シリーズでトップスターの地位に駆け上がります。共演したロバート・パティンソンとの交際でマスコミを賑わせ、若くしてハリウッドのドル箱女優に。その後、『スノーホワイト』(2012年)のルパート・サンダンス監督との不倫問題でロバートと破局。世間に定着していたふてぶてしいキャラも相まって、大バッシングを浴びる泥沼を経験します。

Panic Room

『パニック・ルーム』K・スチュワートとジョディ・フォスター
(c) picture-alliance / KPA Honorar & Belege

しかし、ここで腐らないのがクリステンの強さ。プライベートについては多くを語らず、演技で名誉挽回する男前なところを見せてくれるのです。

世界のティーンが熱狂したアイドル女優の“化けの皮”(あえてこう言わせていただく)を脱ぎ捨て、新境地を開いたのが、ジュリエット・ビノシュ演じる大女優のアシスタントを演じたフランス映画『アクトレス ~女たちの舞台~』(2014年)でした。女優の孤独とショウビズ界の残酷さを冷静に見つめる女性を、“渦中”にいたクリステンが演じるという設定が絶妙で、米国人女優としては初めて仏セザール賞の最優秀助演女優賞を受賞。終始シンプルなシャツとパンツ、黒縁メガネ姿という出で立ちで登場するのですが、素材の良い人がこういうシンプルな服装をすると実に格好良く、ピークアウトした大女優より若くて地味なアシスタントのほうが魅惑的という、オリヴィエ・アサイヤス監督の意地の悪さ(それが良い!)が垣間見えてゾクゾクする作品でした。

気に入った女優を続けて起用することで知られるアサイヤス監督は(『クリーン』『イルマ・ヴェップ』で組んだ香港女優マギー・チャンとは結婚も)、『アクトレス』のあと、クリステンを主役にすぐ次の作品を準備。こうして生まれたのが『パーソナル・ショッパー』です。

パーソナル・ショッパー

『パーソナル・ショッパー』5月12日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国公開
(c) 2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM – SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR

クリステンの魅力をなめるように収めた『パーソナル・ショッパー』

セレブの代わりにハイセンスな洋服やアクセサリーを買い付ける“買い物係”(パーソナル・ショッパー)としてパリで働く主人公が、セレブの生活をのぞくうちに、自分でも意識していなかった欲望に導かれ、不思議な事件に遭遇するという変化球のミステリー。メンズライクな格好でバイクにまたがるクリステンから、雇い主に内緒でセクシーなドレスを身にまとうクリステンまで、「たぶん監督がこういう彼女を見たかったんだな」というショットが満載。クリステン・スチュワートの魅力をなめ回すようにカメラに収めたファン垂涎の1本になっています。 

パーソナル・ショッパー

『パーソナル・ショッパー』5月12日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国公開
(c) 2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM – SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR

美女揃いのウディ・アレン映画『カフェ・ソサエティ』のヒロインへ

同時期に公開される『カフェ・ソサエティ』は、毎度美女揃いのウディ・アレン監督最新作。1930年代を舞台に、NYからハリウッドにやってきた平凡な青年が恋に落ちる大物映画プロデューサーの秘書に扮し、またまたセレブリティを取り巻く社会の滑稽さを皮肉るような役どころを好演しています。当時のファッションに身を包んだ彼女も最高にゴージャスです。

カフェ・ソサエティ

『カフェ・ソサエティ』TOHOシネマズみゆき座ほか全国にて大ヒット上映中!
(c) 2016 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.

女性のパートナーと良好な関係な現在

プライベートでは、不倫問題で身も心もボロボロになったあと、日本でもロケを行った『ロスト・エモーション』の共演者ニコラス・ホルトとの関係も噂されましたが、今は女性のパートナーと良好な関係を築いている様子。しかし、クリステンは自分をストレートとも、バイセクシャルとも定義づけする発言はしていません。あくまで自由に「やりたいことをやる」スタンスを貫いている姿勢がまた男前。『パーソナル・ショッパー』『カフェ・ソサエティ』の2本ともに衣裳を提供しているシャネルは、クリステンをブランドのアイコンに起用していますが、現在の女性の自由さ、強さを体現する存在として彼女を抜擢したのは大正解だと思えます。

クリステン・スチュワート

『ビリー・リンの永遠の一日』のプレミアに参加したスチュワート
(c) picture alliance /Dennis Van Tine/ Geisler-Fotopress

女優としてきっちり結果を出すことで、私生活についてはつべこべ言わせない凄味すら漂わせ始めたクリステン・スチュワート。そんな部分が多くの映画人に愛される理由なのかもしれません。

パーソナル・ショッパー

『パーソナル・ショッパー』5月12日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国公開
(c) 2016 CG Cinema – VORTEX SUTRA – DETAILFILM – SIRENA FILM – ARTE France CINEMA – ARTE Deutschland / WDR

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