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不倫、離婚、逮捕…転落から更生を果たした“鬼才”メル・ギブソン

コラム

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アクション映画『マッドマックス』(1979年)の主演で脚光を浴びて以来、ジャンルを問わず活躍できる演技派俳優として、名声をほしいままにしてきたメル・ギブソン。90年代に入ってからは監督業にも乗り出し、『ブレイブハート』(1995年)や『パッション』(2004年)などの大作を世に放ちました。

これまでのキャリアの中では、“清廉かつ屈強な男”を数々演じてきたメルですが、プライベートでは激しい気性や独特の思想信条から度々トラブルを起こし、暴言、DV、飲酒運転などで世間を騒がせてきました。
栄光と汚名の狭間で尚も才能を磨き続け、止まることなく進化を続けるメル・ギブソンは、一体どのような男なのでしょうか。気になる監督最新作の情報も交え、その多面的な人物像を解剖してみたいと思います。

度重なるスキャンダルによる転落

メルの私生活がスキャンダルにまみれはじめたのは2006年頃のこと。スピード違反と飲酒運転で捕まった際、警官に対して反ユダヤ的な差別発言を浴びせて問題になりました。ABCの番組で 「酒を飲むと間違いを犯してしまう」と公式に謝罪したものの、この頃から長年連れ添った妻とは別居状態に入ります。

2009年、妻との離婚成立前に、不倫相手のロシア人歌手を妊娠させたことが発覚し、さらに翌年には彼女に対する暴言・暴行の様子を記録したとされるテープが流出。これにより、所属エージェンシーはメルの代理人業を辞めることを発表し、予定されていた『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』(2011年)への出演は中止になってしまいました。

親友たちの救済と更生へのめざめ

この他にも黒人差別や女性蔑視とも受け取られる発言や、共同作業者への暴言を繰り返し、その度に世間をざわつかせてきたメルですが、ハリウッドの親友たちは彼のことを見捨てませんでした。ジョディ・フォスターは自身の監督作『それでも、愛してる』(2011年)において、メルを主演級の役でキャスティングしました。彼女が人工授精でもうけた息子の父親はメルなのではないかという噂が立つほど、2人は親しい関係です。

また、薬物依存で身体もキャリアもボロボロだったとき、メルから主役を譲られたことのあるロバート・ダウニーJr.は、「『苦しんでこそ本物の男になれる』というメルの言葉を、僕はずっと肝に銘じていた」「どうか彼を許して欲しい」と訴え、話題になりました。

自分の名誉を犠牲にしてまでも苦しんでいる友達を助けることのできる、心根の優しいメル。お酒を飲みすぎたり、キレてしまったりしたときに、本来の自分を見失ってしまうのかもしれません。自身の行いについてメルは、「本当に申し訳なく思っている」と心から反省した様子で語り、自らを律する為の努力をしていることを明かしました。どうやら数年かけての再起計画は成功したらしく、メルはすっかり丸い性格になれたようです。

熱烈な信仰心が生んだ問題作

メル・ギブソンといえば、教皇空位論を信奉する超伝統主義カトリック教徒としても知られています。その信仰の篤さは自宅近くの丘にチャペルを建設してしまうほど。

3作目となる監督作『パッション』(2004年)では、私財30億円を投じ、イエス・キリストが磔にされるまでの12時間を銀幕の上に再現してみせました。本作に対するメルのこだわりは凄まじく、全編をアラム語とラテン語の台詞で描き通し、批判をものともせず反ユダヤ的な描写や正視できないほどの凄惨なシーンをちりばめています。あまりのリアルさにショックを受けた女性が鑑賞中に心臓発作で亡くなるなどのトラブルが起き、世界中で物議を醸しましたが、興行的には空前の大ヒットとなりました。

記事制作 : YOSCA

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