(C)2017映画「サクラダリセット」製作委員会

ミッチーの魅力あふれるラスボスは必見!『サクラダリセット 後篇』で光る及川光博の実力

コラム

  • twitter
  • facebook
  • はてなブログ
  • google+
  • LINEで送る

2クールで展開するアニメ・シリーズもスタートし、ますます盛り上がる『サクラダリセット』プロジェクト。実写映画版の後篇がいよいよ公開された。

河野裕による文学性の高いライトノベルを、野村周平、黒島結菜、平祐奈ら旬の若手を起用し、二部作で実写映画化する意欲的な試みだが、後篇の見どころは、なんと言ってもラスボス、浦地正宗に扮するミッチーこと及川光博の演技だ。

オシャレな悪役の意外な本性

物語の舞台は、住民の約半数が特殊な能力を持っている町、咲良田。「管理局」なる公的機関によって、能力は監視、制御されているという設定だ。見たこと、聞いたことすべてを記憶する「記憶保持」能力の持ち主である男子高校生の浅井ケイが、世界を最大3日間巻き戻す「リセット」能力を持つ春埼美空ら仲間たちと共に、「管理局」の陰謀に立ち向かっていく。

超能力者同士の闘いとはいえ、いわゆるパワーとパワーのぶつかり合いではない。「時間の操作」が大きなカギとなるだけに、バトルも頭脳戦の趣がある。つまり、いかに知恵を絞って相手を出し抜くか。そのスリルが本作の醍醐味だ。

主人公、浅井ケイはティーンエイジャーながら、ポーカーフェイスで難局を悠然と乗り切っていく。そんな彼の前に立ちはだかるのが、管理局対策室室長の浦地正宗である。

前篇には一切登場しなかったこのラスボスは、その分、インパクトがある。三つ揃いのスーツに、英国紳士風のハット。さらに意味ありげに手袋までしている伊達男だ。そんなスタイリッシュなヒールも、ミッチーこと及川光博が演じるからこそサマになるし、スクリーン映えする。だが、単にカッコいい悪役というわけではない。

ピエロのようにジタバタ

浦地も浅井ケイ同様、ポーカーフェイスだが、ケイが静的だとすれば、浦地は一貫して動的。とにかく動き回るその姿はときにコミカルなほど。文化祭のシーンでは、顔を白塗りにして走り回る。本人は大真面目だけに、観るほうは、つい笑ってしまう。

浦地がどんな能力を持っているかは観てのお楽しみだが、終始クールなケイとは対照的に、ある意味、無様なほどジタバタしていて、とても人間的。大人の論理で、ケイたちの野望を粉砕しようとする人物だが、ミッチーの妙演によって愛すべきキャラクターになっている。

カッコはつけているが、とにかく一生懸命なキャラなので、あるとき、心の奥底に抱えている弱さがついこぼれ落ちる。だから、魅力的なのだ。

及川は「あるときは学者のように。あるときは道化師のように。歌でも歌うように台詞を口にする」と語っているが、彼の優雅でありながら、とことんヒューマンな存在感は、一見の価値がある。

今年1月から3月まで放送されていた木村拓哉主演ドラマ「A LIFE 〜愛しき人〜」でも、巧みな演技で要所要所を締めていた及川光博。映画『サクラダリセット』は後篇から観ても充分楽しめるので、ますます磨きのかかるミッチー芝居を体験してはいかがだろうか。

(文/相田冬二@アドバンスワークス)

記事制作 : アドバンスワークス

関連映画

マイシアターとは?
お気に入りの映画館を「マイシアター」に設定しておくと、上映中の作品やスケジュールがかんたんに確認できるようになります。
マイシアターは2つまで設定できます。