(c)2017「たたら侍」製作委員会

これがEXILEが送る本格時代劇!『たたら侍』は邦画界に風を吹かせるか

コラム

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本当にLDHが日本の映画界に革命を起こしてしまうんじゃないの……? EXILEや三代目 J Soul Brothersが所属する芸能事務所LDHが運営する映画配給会社「LDH pictures」が満を持して送り出す映画『たたら侍』(監督:錦織良成)が、5月20日に公開されます。映画素人の目にも、潤沢な予算が投じられていることがわかる作品で、こんなのハリウッドでしか見たことないよぉ……!

『HiGH&LOW』シリーズとは正反対の作風

時は、戦国末期。唯一無二の鉄“玉鋼”を生み出す製鉄技術“たたら吹き”を生業にする村で、鉄作りを取り仕切る村下の跡継ぎ・伍介は、侍になるため村を出ることを決意する――。EXILE HIROがエグゼクティヴ・プロデューサーを務めた本格時代劇です。伍介を演じるのは、劇団EXILEの青柳翔。伍介の幼なじみである新平を小林直己、村下を継ぐべきだと伍介を諭す武士・尼子真之介をAKIRAが演じます。

物語を貫くお祭り的なハイテンションさでカルト的な人気を誇る、EXILE TRIBE出演映画『HiGH&LOW』シリーズのファンである筆者は、『たたら侍』もアッパーな切った張った映画だろうと予想していたのですが、その正反対と言っていい作品でした。侍という夢を目指す伍介、あまりにも苦い初陣、挫折、暴走、そして代償……。とにかくかっこいいシーンを次々と叩きつけてきた『HiGH&LOW』シリーズと比べて、こちらはなんとビターな味わいの作品か。戦場で現実に直面し、命からがら逃げ帰る伍介の姿は、はっきり言ってかっこ悪い。ただファンをキャーキャー言わせるためだけの作品ではないことが、はっきりわかります。

宮大工たちの協力得て“村”建設

また、映画素人にも「この映画は大変な予算がかけられている……!」ということが伝わる映像美もすごい。なんと村のオープンセットの建設には、出雲大社の遷宮にも携わる地元の宮大工、材木問屋や建設会社などが関わっているとのこと。セットっていうか、もう村作っちゃってるじゃん。また、伍介が船で旅するシーンは、当時の木造船を実物大に復元し、実際に海に浮かべて空撮したそう。さらに邦画では少なくなってきたフィルム撮影にこだわる一方、近年再びハリウッド大作で使用されるようになってきたPanavisionカメラを米国から空輸し、スキャニングから仕上げまでを4Kで行い、先端のデジタル技術と最高のアナログ技術を融合させた……って、これが撮影現場にコンビニ1軒を差し入れてしまう豪快男・HIROさんのプロデュースする映画ですよ! 国内で映画不況が叫ばれていることがウソのようです。

製鉄シーンも手を抜かず、俳優たちは炎や、高温の鉄のすぐそばで演技を続けます。ひとつひとつをなぁなぁにしない姿勢が、画面に圧倒的なリアリティを生んでいます。これだけの規模で制作された時代劇映画は、近年なかなか存在しないのでは? しかし、これだけのゴージャスさで描かれるのが、当時の百姓の苦悩というのがシビれるなー。「第40回モントリオール世界映画祭」ワールド・コンペティション部門の最優勝芸術賞受賞を始め、各国の映画祭で評価されているのも納得です。

「LDH pictures」が邦画界に革命起こす?

韓国映画が発展したのは、政府と大企業が制作を大々的に支援したから。なので斜陽と言われている邦画界を復活させるために、日本政府もバックアップを! ……というのはあまり期待できなさそうな現状です。でも、「LDH pictures」が何か新しい風を吹かせてくれるんじゃないかと『たたら侍』は期待させてくれました。これだけ豪華な作品を作らせてくれるLDHって、クリエイターからしたら神のような存在なのでは?

映画界におけるLDHというのは、もっと語られるべきものではないでしょうか。HIROは、『たたら侍』を通じて、“たたら”の技術など日本の素晴らしさを世界に発信したいとコメントしています。LDHには何か大きな志があります。そして、その志はきっと今後も新たな仕掛けを送り出してくれるはず。それを見逃すことはしたくない。EXILE TRIBEファンというだけでなく、いち映画好きとしても、「LDH pictures」は注目したい存在です。

(文/原田イチボ@HEW)

記事制作 : HEW

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