永瀬正敏。写真撮影やSNSへの投稿を歓迎すると書かれたボード前で

永瀬正敏が“撮影&SNS掲載OK”でカンヌ話題作の写真展を開催したワケ

インタビュー

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文・撮影=平辻哲也/Avanti Press

第70回カンヌ国際映画祭のコンペティション出品作『光』(監督・河瀨直美)で弱視の元カメラマン、中森雅哉を演じた永瀬正敏。香川・小豆島の「二十四の瞳映画村」内の「Gallery KUROgO」で、劇中に登場する写真を集めた個展をスタートさせた。写真展なのに、その作品を自由に撮影していいという大盤振る舞い。永瀬の真意は何か?

『光』5月27日(土)新宿バルト9、丸の内TOEIほか全国公開!
(c)2017 “RADIANCE” FILM PARTNERS/KINOSHITA、COMME DES CINEMAS、KUMIE

写真展の正式名は「永瀬正敏写真展『flow』〜from “ RADIANCE〜光〜” a film by Naomi Kawase〜」。今年、開村30年を迎える映画村が、新ギャラリーを作ることになり、その第1弾として、写真家として国内外で活動している永瀬にオファーして実現。当初は、小豆島を全国に知らしめた名作『二十四の瞳』の“24”にちなんで、撮り下ろすことも考えたそうだが、『光』の公開のタイミングと重なったことから、永瀬演じる中森雅哉の部屋に飾られた写真を中心に計125点を展示することになった。写真展は4月29日に開幕し、5月11日には入場者数1万3000人を突破したという。

元々は駄菓子屋だったというギャラリーに入ると、入り口にある、ビックリマーク付きの但し書きが目を引く。

「本展示では、会場内で撮影が可能です! 携帯・スマートフォンで撮影した写真をSNSへ投稿することもOKです。ぜひご友人やご家族とシェアしてください」

昨今、撮影自由の美術館や美術イベントも増えてきた。だが、大抵は一部エリアであったり、個人で楽しむ場合に限っている。しかも、ギャラリー内では、写真展限定のポストカードまで売っているのにも関わらず、全ての写真がSNSへの投稿まで可能というのだ。これは、いくらなんでも、太っ腹すぎるのではないだろうか?

永瀬さん、本当に作品を撮影して
SNSに投稿しちゃっていいんですか?

永瀬さん、本当にいいんですか? そう聞くと、「どんどん撮ってください」との答えが返ってきた。ならば、ということで、その但し書きとのツーショットも撮らせてもらった。

「わざわざ写真展までお越しいただいたのだから、記念に、思い出に撮っていただけたら、と思うんですよね。これまでの写真展でも、撮影はOKとさせていただいていました。ただ、アーティストさんを撮らせてもらったものは、その方の肖像権がありますので、NGとさせていただいたんですけども……」

「光」の主人公の部屋を再現したコーナー

俳優活動30年を記念した故郷・宮崎の「みやざきアートセンター」、映画『KANO~1931海の向こうの甲子園~』の公開を記念した台北での個展も素晴らしかったが、今回は、映画『光』を観た後に見ると、格別の感動がある。それは、『光』で演じたのがカメラマンである、ということが大きいだろう。雅哉がファインダーから見た風景を見ているような気持ちになるのだ。また、部屋の一部を再現したコーナーもあるが、入り口にちょっとした仕掛けがあるので、お見逃しなく。

また、写真展では、永瀬が役のために使用した弱視・盲目体感ゴーグル、劇中で実際に使用した二眼カメラ「ローライフレックス」、劇中に使用された中森雅哉の写真集「flow」も飾られている。映画の小道具といえば、表紙と一部の中身だけというのが定番だが、この「flow」は190ページぎっしり。あとがき、帯まで作られた本格的な中身である。

劇中で使用された二眼カメラ「ローライフレックス」と弱視・盲目体感ゴーグル

「映画の流れのように見て欲しい」特別な写真展

 「監督が『映画は流れが大事。それは写真集でも言えるんじゃないの?』とおっしゃっていたことがきっかけとなりました。雅哉が撮っていただろう、写真を選び、その流れを大事にしました。僕だったら、衝撃的な写真を一枚挟んで、また静かに始まるみたいな構成にしたと思うんですけども、監督がおっしゃるように流れのように写真集を見てもらうのも大事だな、と思ったんです」

 「渾身の一冊! 孤高の写真家・中森雅哉の世界が渦めく作品集 ジャパンフォトグラファーアワード受賞!」 

 帯にはこんな風に書かれている。

永瀬正敏写真集「flow」

撮影のために数冊だけ限定製造されたプレミアものとあって、この太っ腹な写真展にあっても、表紙しか見せていないという代物である。現在、出版予定はない、とのことだが、永瀬自身は「中森雅哉(永瀬正敏)」名義で、世に送り出したいという。撮影中に、ヒロイン役の水崎綾女が大事に持っていた物を見せてもらったが、これも素晴らしい出来栄えだった。

「中身を全部見てもらいたいですね。映画の雅哉がこういう写真を撮っていたのか、というのを、深く感じて頂けるとうれしいです。雅哉の目線で選んだけれども、二十数年間の作品を見返して、そこからピックアップしたので、自分の写真史でもあるんです。とても大きな記念の一冊になると思うので、一人でも多くの人に届けたい。写真集のいいところは、その人なりの流れ、時間の中で見ていただけるということだと思います」

『光』配給:キノフィルムズ
5月27日(土)新宿バルト9、丸の内TOEIほか全国公開!
監督・脚本:河瀨直美 出演:永瀬正敏 水崎綾女
hikari-movie.com
(c)2017 “RADIANCE” FILM PARTNERS/KINOSHITA、COMME DES CINEMAS、KUMIE

 

~河瀨直美監督最新作 映画『光』公開記念~
《永瀬正敏写真展『flow』~from "RADIANC~光~" a film by Naomi Kawase~
写真展開催期間:2017年4月29日(sat)~8月31日(tue)
会場:『Gallery KUROgO』~二十四の瞳 映画村内
住所:香川県小豆郡小豆島町田浦
Tel 0879-82-2455/Fax 0879-82-1824
http://24hitomi.or.jp/kurogo/
開館時間:9:00~17:00
入場料:無料 (但し別途入村料が必要)
記事制作 : Avanti Press(外部サイト)

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