(C)2017「家族はつらいよ2」製作委員会 2017年5月27日(土) 全国ロードショー

熟年離婚に高齢者のキケン運転、『男はつらいよ』シリーズ山田洋次が描く家族の大騒動

コラム

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『男はつらいよ』シリーズ終了から約20年ぶりに生みだされた、山田洋次監督の喜劇映画『家族はつらいよ』。2016年公開の同作で一家を演じたキャストが再結集し、さらなる大騒動を繰り広げる『家族はつらいよ2』が、5月27日より公開されます。

一家の人間味溢れるやりとりをみていると、思わず「こんな家庭、理想だな」なんて思える節がたくさんあるはず。シリーズの前身となった作品『東京家族』(2013年)もふまえながら、山田監督らしいタッチで描かれてきた“家族の姿”を覗いてみましょう。

誕生日に欲しいものは離婚届!?…『家族はつらいよ』(2016年)

(C)2016「家族はつらいよ」製作委員会

観客動員数120万人の大ヒットを記録した『家族はつらいよ』のテーマは、ズバリ“熟年離婚”でした。平穏な結婚生活を営んできたはずの平田周造(橋爪功)が、妻の富子(吉行和子)に誕生日プレゼントとしてねだられたのは、なんと“離婚届への押印”。まさかの状況に慌てた家族たちは、家族会議を開くことになります。

長男の幸之助(西村雅彦)・史枝(夏川結衣)夫妻、長女の成子(中嶋朋子)・泰蔵(林家正蔵)夫妻、次男の庄太(妻夫木聡)とその婚約者・憲子(蒼井優)が一堂に会した場で、富子は「お父さんと一緒にいるのが、私のストレスなの」と、長年抱え続けていた思いがけない本音を暴露します。すると、憤慨した周造が突如、その場に倒れてしまい……。

家族全員が話し合う場を設けて気持ちを確かめ合う、そんな光景は、現代ではあまり見られなくなっているかもしれません。しかし、それにより意外な事実を知り、お互いをもっと思いやれるようになる。そんな、より明るく優しい家庭を築くためのコツを、本作は教えてくれます。ラストでみられる周造のちょっとした変化にも、それは表れています。

高齢者運転で事故発生!…『家族はつらいよ2』(2017年)

『家族はつらいよ』の続編となるのが、5月27日公開の本作です。

マイカーでの外出を日々の楽しみにしていた周造。しかし、車に凹み傷が目立ち始めたことから、高齢者の危険運転を心配した家族たちは、周造に運転免許書を返納させようと画策します。ところが周造は、頑固一徹で聞く耳をもたず、しかも面倒な説得役をなすりつけ合う家族の心境を見透かして大激怒。妻の富子が旅行に出ている間に、なじみの居酒屋の女将・かよ(風吹ジュン)とドライブに出かけ、その途上でついにトラックとの接触事故を起こしてしまいます。

その場はことなきを得たものの、事態を重くみた幸之助は、例によって長女・次男らを呼び寄せ、家族会議を開きます。しかし、そこで衝撃の事態が発生し、自宅は救急隊や警察が押し寄せるてんやわんやの大騒ぎに……。やがて、ある孤独な“死”をきっかけに、いつも喧嘩ばかりしている平田家も、家族が一緒に過ごせることの幸せに、あらためて気づかされることになるのです。

田舎から来た父母との再会・別れ…『東京家族』(2013年)

山田洋次監督が、小津安二郎監督の『東京物語』(1953年)に捧げたオマージュ作品とされる映画。『家族はつらいよ』とまったく同じキャストが家族を演じていますが、こちらはしみじみとしたムードの中で展開される、別の一家“平山家”の物語です。

子どもたちに会いに、瀬戸内海の島から上京してきた平山周吉・とみこ夫妻。2人は、開業医を営む長男夫妻をはじめ、長女夫妻、次男とその婚約者など、それぞれの家を転々とすることとなります。堅物で頑固気質の父親と、優しく付き添う母親。多忙の合間を縫って、両親に楽しい東京見物をさせようと苦慮する子どもたち。そんな古き良き親子像と家族の絆を、現代の都市部での生活様式に重ねて映しだしています。

面倒なことが起きても、結局は皆で集まり手を貸し合う。山田監督作品に描かれるそんな家族の在り方に、「元気かな?」、「帰ったらこうしよう」……などと、皆さんも自身の家族の姿を重ね、思いを馳せてしまうかもしれませんね。

(文/藤岡千夏@H14)

記事制作 : H14

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