物心つくかつかないかの頃からショービジネス界で働く子役たち。成長して俳優として大成した人もいれば、自分に役者は向いていないと悟って自ら身を引いた人、残念ながら道を踏み外してしまった人などさまざま。成功した子役、消えてしまった子役をご紹介します。

今や演技派!? アカデミー賞俳優になった俳優

今や貫禄たっぷりのレオ様(Tibrina Hobson Gettyimages)/テレビシリーズ『愉快なシーバー家』出演前後の頃のレオ様(Darlene Hammond Gettyimages)

『レヴェナント:蘇えりし者』(2015年)で主演男優賞に輝いたレオナルド・ディカプリオはもともと80年代から90年代にかけて放送されていた『愉快なシーバー家』で名前を知られるようになった子役。『ザ・ファイター』(2010年)で助演男優賞を獲ったクリスチャン・ベールは、スティーヴン・スピルバーグ監督に見出された『太陽の帝国』(1987年)で一気に注目されました。『タクシードライバー』(1976年)で、13歳ながら妖艶な雰囲気を醸し、ロバート・デニーロと堂々と渡りあう娼婦を演じたジョディ・フォスターは『告発の行方』(1988年)と『羊たちの沈黙』(1991年)で2度、主演女優賞に輝いている名女優。ジョディは難関イェール大学に入学した才媛としても知られていますが、そのジョディを見習いたいと言っていたのが子役時代のナタリー・ポートマン。『レオン』(1994年)で鮮烈なデビューを飾った彼女は超名門ハーバード大学に入学。卒業後、『ブラック・スワン』(2010年)で主演女優賞を受賞しています。ちなみに最近はドラマシリーズ『トゥルーブラッド』(2008年~2014年)に主演していたアンナ・パキンも、デビュー作『ピアノ・レッスン』(1993年)で11歳にしていきなり助演女優賞を獲得。彼女の場合は成長して実力派に、というより最初から演技が達者だったのですね。

他にもいます、サバイバルに成功した子役!

『アバウト・ア・ボーイ』の頃のニコラス(Evan Agostini Gettyimages)/こんなに美青年に!と全世界の女性がため息(?)(Luca Teuchmann gettyimages)

子どもの頃はどんなにかわいくても成長するとちょっと残念な感じになってしまう人も少なくないなか、うまく大人になったのがイーサン・ホーク。『エクスプロラーズ』(1985年)でデビューするも学業に専念するためにいったん休業、『いまを生きる』(1989年)で復帰。この空白の4年間で子役というイメージが抜けつつ、ちょっとナイーブな文化系青年という独自の立ち位置で大人の俳優の仲間入りを果たしました。子役時代の面影そのままと言っても過言ではないのがイライジャ・ウッド。『フリッパー』(1996年)などで有名子役だった彼はコンスタントに映画に出演が続いていたので成長過程をずっとスクリーンで見られた珍しい例。『アバウト・ア・ボーイ』(2002年)でヒュー・グラントといいコンビネーションを見せていたニコラス・ホルトは『シングルマン』(2009年)で美しく妖艶に成長した姿を見せ、全世界から再注目されるように。『E.T.』(1982年)の天才子役ドリュー・バリモアは、アルコールとドラッグの罠に陥っていた迷走期を脱してからは自身の製作会社を立ち上げ、『25年目のキス』(1999年)などのラブコメディで新たな魅力を開花。プロデューサーとしての手腕も発揮しています。

90年代を代表する三大子役が陥ったトラブル

1992年頃。美少年すぎて泣けます(Jeff Kravitz Gettyimages)/2013年、彼女に暴力を振るって逮捕された裁判に訪れたファーロング。クマすごい!(Frederick M. Brown Gettyimages)

消えてしまった子役と言って真っ先に思い浮かぶのは『ホーム・アローン』シリーズ(1990年~1992年)のマコーレー・カルキン。彼が稼いだ莫大な財産を巡って裁判を起こした両親の醜悪な争いを目の当たりにしたマコーレーは、裁判が終わるまで休業すると宣言し、そのまま役者を引退。2003年には復帰したものの、役者業は開店休業状態です。『ターミネーター2』(1991年)のエドワード・ファーロングも大ブレイクにうまく対応できなかったひとり。ドラッグとアルコールの依存症に陥り、オーバードーズで病院に搬送されたり、1日のうちに無免許運転と飲酒運転で2度逮捕されるなど生活は荒れ放題。近年は恋人に暴力をふるって何度も逮捕されたり、接近禁止命令が出ている恋人につきまとったりと、DV&ストーカー男と化していてヤバい(泣)。マコーレー、ファーロングに続く90年代初期を代表する子役と言えば『依頼人』(1994年)のブラッド・レンフロも。ファーロングと同じく演技経験がないままいきなり大作にキャスティングされて人気になった彼もドラッグ&アルコール問題に悩まされ、2008年、ヘロインの過剰摂取で急死。25歳でした。

今は役者とは別の道を歩んでいるあの子役

『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(1999年)で、主人公のアナキン・スカイウォーカー役に選ばれたジェイク・ロイドは『スター・ウォーズ』以後、2本の作品に出演したのみで高校卒業と同時に俳優を引退。コロンビア大学に進学し、映像作家として活動していましたが、昨年は統合失調症が悪化して入院したニュースが報じられました。『ジュラシック・パーク』(1993年)で一躍、有名になったファニーフェイスの美少女アリアナ・リチャーズは2001年頃までは映画に出演していましたが、現在は一児の母であると同時に、画家としての道を歩んでいるそうです。

他にも「消えた」ではなく、脇役で俳優活動を続けている人はたくさん。『マイ・ガール』(1991年)のアンナ・クラムスキーや、『ジュラシック・パーク』(1993年)『マイ・フレンド・フォーエバー』(1995年)などのジョゼフ・マゼロなど、映画やドラマの脇役でチラッと映るあの人が実は!  なんてこともあるかもしれませんね。

文=安藤千晴