映画『サクラダリセット 後篇』は全国公開中

『サクラダリセット 後篇』及川光博&平祐奈 インタビュー

インタビュー

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ミッチーはいつだって王子

青春ミステリー映画『サクラダリセット 後篇』で、特殊能力者たちを監視する管理局対策室室長・浦地正宗を演じた及川光博と、2年前に死んだはずの少女・相麻菫を演じた平祐奈が、作品や自身がほしい能力について語り合った。

撮影中に何度も頭がこんがらがった

Q:“記憶保持”の力を持つ高校生・浅井ケイ(野村周平)と、“リセット”で世界を巻き戻せる春埼美空(黒島結菜)によって、時系列が目まぐるしく交錯する物語。初めて台本を読んだときの感想は?

及川光博(以下、及川):演じる以前に台本をよく読んで、理解して楽しもうと思ったんですけど、一回読んだだけだと構成に頭が追い付いていかなくて、何度も読み返しました。撮影現場に入ってからは深川(栄洋)監督のおっしゃることをよく聞いて、ワンシーンワンカットを的確に演じるということが、今回の浦地を演じる上で必要だと感じていました。

平祐奈(以下、平):私も何回読んでも理解できなくて、撮影前に深川監督に質問させてもらったんです。それで理解したと思っていたんですけど、撮影現場では“街が3日前に戻った状態”と“リセットされた状態”、同じ場所で違ったやり取りを撮るので、またこんがらがってくるんです。だから、監督と何回も話しました。監督も最後のほうは「アレッ?」となるときもたまにあり、野村さんや結菜ちゃんも含めて、みんなで話し合いました。

及川:前後篇を同時期に撮っていて、編集も並行してやっていたわけだから、監督の頭の中はいっぱいいっぱいだったと思いますよ。

平:ですよね。だって、前篇と後篇をたった50日間ほどで撮っていたんですよ!

Q:それはすごいですね。深川監督は特殊能力者と言っても過言ではないですね。

及川:そう、監督は本当にすごく頭がいいんです。自分が浦地をどう演じるべきか、自宅で台本を読んでいるときにイメージしたんですけど、それだけでは面白くなくて、監督に撮影現場でうまく壊していただきました。僕の肉体を監督にお貸しするという感覚でしたね。監督の指示に的確に対応する素早さも求められたので、のびのびと楽しみつつも冷静にキャラクターを作っていきました。浦地は(自分の能力によって)常に“今”しかない人なので、シーンごとにクレバーだったり、クレイジーだったりする。監督も別人の感覚でいいとおっしゃったんです。そんな風に一人の人物を演じるのは初めてでした。

ミッチーがミイラになりかけた!?

Q:お二人は本作が初共演だそうですね?

及川:祐奈ちゃんは本当に素晴らしいですよ。僕との長いシーンがあるのですが、立派だと思いました。ずっと緊張感があってテンションが落ちないし、元気も残っている。僕は、あの時もう少し撮影時間が延びていたらミイラになって干からびていました(笑)。本当にクタクタでした。

平:フフフ。

及川:夜の学校の屋上で、祐奈ちゃんが命綱をつけてアクションをするシーンがあるんですけど、僕は高所恐怖症だからヒヤヒヤして見ていたんです。だけど、祐奈ちゃんは屋上の柵の向こうでスキップでもするかのようにちょこちょこ動いているから、「危ない!」って何度も思いましたよ。

平:心配してくださってありがとうございます。緊張はしていたんですけど、それ以上に相麻菫という女の子を演じていることが楽しかったです。

Q:平さんは、ご自分が生まれたときからスターだった及川さんとご一緒されていかがでしたか?

及川:ハハハ!まあ、祐奈ちゃんが生まれる前から活動はしていましたね。

平:私、お姉ちゃん(平愛梨)からミッチーさまの話を聞いていたので、こうして姉妹二人でお世話になることがうれしくて。

及川:僕、愛梨とも仲がいいんですよ。

平:初めてご一緒した撮影日の朝、ミッチーさまは撮影現場に来られた時からずっとテレビで観ていたスターのままだったんです。笑顔がキラーンと輝いていて、スゴーイ!って思いました。

及川:ウソだあ(苦笑)。ロケ弁食べたあと爪楊枝とか使ってなかった?

平:いやいや(笑)いつだって王子でした。

及川:もうね、いつまで王子をやってるんだよ!って感じですけど(苦笑)。

平:本当に、ずっと変わらないですよね。

自分が能力者だったら、ウソを見抜きたい

Q:特殊能力者たちが咲良田の街の未来をかけて挑む頭脳戦が見どころの本作。お二人が俳優として生き抜くためには、どんな能力が必要だと思います?

平:逆にどういう能力が必要だったのか、先輩の皆さんにお話を聞きたいです。

及川:そうか。だったら祐奈ちゃんに言いたい。「悪いお友だちとつるまないこと」ですよ。これから二十歳を過ぎてお酒の席なんかが増えたりして、そこで悪いお友だちに囲まれたりするとろくなことにならないから(笑)。

平:はい、気を付けます(笑)。そのためにも、ウソを見抜く索引さん(中島亜梨沙)の能力がほしいです。

及川:なるほどね。でもね、業界人のほとんどがウソつきだからね(笑)。

平:複雑ですね(笑)。

Q:では、本作に登場する中で、個人的に持っていたいと思う能力はありますか?

及川:索引さんの能力はやっぱり必要かもしれないね。この歳になったって、誰かにウソをつかれたら傷つきますからね。あと、魔女のように未来が見えるのもいいです。「先がわからないほうが人生楽しいじゃん」って若いころは思っていたけど、もう先々の準備が必要な歳だから。老後のこととか(笑)。だから、必要なときにちょっとだけ未来が見えるくらいの能力があるといいかな。

平:私は、未来は見えなくていいです。どうなるかわからないけど、この先が楽しみなので。

及川:そうだよね。まだまだそういう時期だからね。僕の場合は、もうあんまり楽しみがないので(笑)。とはいえ、50代になるのは楽しみかな。それまであと数年はがむしゃらに歌って踊って芝居して、50代はゆとりをもって、もっと優雅に人生を楽しみたいです。すべての仕事が趣味のようなものだったので、プライベートで習字とかをしてみたいですね。言葉が好きなので“人間だもの みっちー”とか書いて、居酒屋のトイレに張っておきたい。“(相田)みつを”じゃなくて“みっちー”ね(笑)。

平:トイレに張るなんてもったいない。たくさん書いてカレンダーにしてください!

取材・文:斉藤由紀子 写真:尾藤能暢

記事制作 : シネマトゥデイ(外部サイト)